羽田を遅れて出発した飛行機は、定刻通りに北海道に到着した。駐車場に停めてある車に向かうため、空港の建物から出ると『あったかいなぁ』と感じた。気温は6度。もちろん氷点下ではない。もう春が来ていた。でも、今回ぼくは流氷が到着するのを見るために北海道に来ている。春じゃなく、冬が来てもらわないと困るのだ。
いつものように空港から家まで10分で到着し、すっかり慣れた手つきで水道管から抜いていた水を家の中まで復旧させ、部屋に置いてある機材や防寒具をまとめて車に運び、すぐにシカに会いに行った。これだけ暖かくても海は凍ったままで、その氷の上に乗って魚釣りをしている太公望が何人もいた。まるでウユニ塩湖みたいだった。
日没寸前まで雲の中に太陽はずっと隠れたままだったけれど、最後の最後にほんの3分だけ顔を出してくれた。すごい素敵な瞬間に思えた。太陽、ずるいな。
早く流氷が来ますように……。しばらくは北海道で忍耐の日々です。
【最近見た写真展】
486:『ボケフォトファングループ写真展2024』<キヤノンオープンギャラリー>
487:『World Heritage Journey 世界遺産を訪ねて』竹沢うるま<キヤノンオープンギャラリー>
488:『超現実世界 決して交わることのない、もうひとつの世界』西澤 丞<キヤノンギャラリーS>
*数字は4月から見た写真展の数です。