神秘に満ちたイシガケチョウ | コザクラの日々蝶々

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蝶の飼育を中心に、身近な自然や我が家のペットの紹介をします。

新緑の美しい5月の中頃

山のイヌビワの葉に

ちょっとした食痕を見つけました。

 

よく見ると小さな幼虫が

空中ブランコのように

風にゆらゆら揺れています。

 

何だろう?

 

近くの葉には黄色い卵も。

直ぐにスマホで調べると

イシガケチョウの

幼虫と卵だとわかりました。

 

卵を見つけたのは初めて!

嬉しくて持ち帰ると

3日後には幼虫の頭が見えてきました。

 

翌日、卵を見ると

殻だけ残されています。

卵の主はどこだろう…?探すも

見つかりません。

 

しばらくすると

齧られた葉の先に

小さな幼虫の姿が確認できました。

 

2mm程でしょうか?

肉眼ではよく見えません。

 

2齢になったようです。

自分の糞と齧った葉を糸で繋げた

「糞塔」を作る習性があるようですが

何の意味があるのかな?

 

成長が早くてあっという間に
3齢になりました。
もう立派な突起ができています。
 
普段は「糞塔」にいますが
振動を感じると
葉の裏へ移動して来るようです。

 

順調に育ち
体長もようやく1cm程に。
この頃には
葉の上で過ごすようになりました。

 

ちょっと怪しげな人相ですね。

 
脱皮をしました。

 

 
 
しばらくすると黒い突起の目立つ
かっこいい姿に。

 

この黒い突起は
葉の主軸が枯れたものと似ていますが
これもカモフラージュなのかな?

 

幼虫は常にこのポーズで静止。
お尻を頭に見立てて
天敵の攻撃から大切な頭部を
守っています。

 

「生き残るための知恵さ」

 

その後、葉の裏で

蛹になる準備(前蛹)へ。

 

翌日、蛹になりました。

蛹には葉脈が施され

くるっと巻いた枯れ葉に擬態。

 
これは野外で見つけた
幼虫が摂食したと思われる
イヌビワの葉ですが
ちょっと蛹と似ていませんか?
image
 
付け根には
巻いた空洞がありますが
これをイシガケチョウの幼虫は
再現したのでしょうか?
 

蛹化して一週間後
名前の通り
黒い石垣模様のオスが羽化!
 

もう一つの蛹からは

 

メスが羽化。

 

美しいベージュの模様です。

 

光に当たると翅が透けて

まるでステンドグラスのよう。

 

目が色っぽい美人さん照れ

 

 

 

イシガケチョウは
幼虫も蛹もとてもユニークで
神秘に満ち溢れていますね。
 
昨年も飼育しましたが
「糞塔」なるものを作ることを
初めて知りました!
 
成虫は他に類を見ない
複雑な美しい翅の模様を持ち
タテハチョウの仲間で
尾状突起があるのは
イシガケチョウだけのようです。
 
 
そんなイシガケチョウは
沖縄に生息する南方の蝶ですが
温暖化の影響で
近年は紀伊半島付近まで
北上しているそうです。
 
日本中で見られるようになる日も
近くやって来るかもしれませんね。
 
 
 
少し長くなりましたが
お読みくださり
 ありがとうございましたピンク薔薇