谷口夕佳(僕の最古参モデル)
ゆかめろこと谷口夕佳ちゃん。撮影会モデルも芸能活動もしていなくて、美容クリニックのカウンセラーをしている。11年の長いつきあいだ。
僕が仕事以外でプライベートのポートレートを撮るようになったのも、そもそもはゆかめろちゃんを撮るようになったからだ。
そこから彼女の知り合いの女の子を撮るうちに、兎谷みちゃめろちゃんや烏丸あやのちゃんなんかと出会うきっかけとなった。更にKiyoka.ちゃんを紹介してくれた女優さんは、ゆかめろちゃんの後輩だ。
なんやかんやとゆかめろちゃんを根本にして、僕のモデルさんたちとの出会いがあった。
当然、仕事の撮影でもそうだけど、自分が撮る女性はやはり可愛く、美しく、色っぽく、カッコよくなどなどそのように撮りたいよね。そのためにはどうすればいいのか、僕は常に考えている。
例えば肌を美しく見せる。中にはどうしても体調の具合で肌が荒れている時のモデルさんもいるよね。僕はそのまま平気では撮れない。
どうすれば肌の荒れが見えにくくなるのか、顔の角度や向き、位置などをチェックするし、光の当て方をどのようにしたら肌を美しく見せることができるか、それを考えてストロボの置く位置と角度を調節する。
また、ソフトボックスなのかアンブレラなのか、クリップオンストロボがいいのかモノブロックストロボがいいのか、それも考慮してライティングを設定する。
自分が撮影した写真をモデルさんに見せて、自信を込めて「肌が綺麗だよね」って言えないと、自分の撮った写真はだめってことになる。
モデルさんは綺麗に撮ってくれるだろうと期待している。それに応えてこそがカメラマンであり、写真家であり、フォトグラファーであり、アーティストであり、クリエイターである。
ただの記録写真を撮るだけなら、ただの写真好きでいい。
厳しい言葉に聞こえるかもしれないけれど、撮られる人は誰でもよりよく撮ってもらえると多く期待しているはずなんだよね。
僕はそのモデルさんを撮ったことはないけれど、東京のモデルさんが撮影会で撮られた写真が顔のどアップで、しかも蚊に刺された跡が何よりも目立つような写真をTwitterに投稿されて落ち込んでいるとツイートしたことがあった。
撮った人は何も思わなくても、撮られた本人がすごく嫌がっている写真はだめな写真だ。
こんな撮り方をすれば嫌だと思うような撮り方はやらない。ただシャッターを切るだけではなく、どの位置、どの角度、どの距離、そんなのを意識して考えて撮る。
そして、いい構図とは、自分がステキだなと思える構図だ。そのためにレンズを選び、絞りを選ぶ。
背景を多く取り込みたいなら広角系のレンズだし、背景をぼかしてモデルさんをフレームいっぱいに入れるなら中望遠系のレンズになる。
そのどちらにも応用が効くのが標準レンズだ。
背景も入れるけれど、ほどよくぼかすのなら広角系レンズでも明るいのが必要だよね。ここでよく間違いをおかす人が多いんだけど、せっかく背景のシンボル的なものを撮っているのに、それがなんだかよくわからなほどにまでぼかしている人。
F値をまったく考えていないよね。とにかく開放で撮ればいいと思っている。素人や初心者がよくやってしまう。
いい写真を撮るには、背景の処理をどのようにすればいいか、それも含めて考えないとね。
モデルさんが写真を見てがっかりするようなことがないよういろんな事を考え、いろんなことを想定し、自己満足だけじゃない写真を撮らないとだめだよね。
僕はそんな事を常々思いながら、モデルさんとの撮影に臨んでいる。
おまけスナップショット
みちゃめろ(第15回日本橋ストリートフェスタ2019より)
昨年も今年もコロナ禍で中止になったけれど、日本最大級のコスプレイベントと言われる日本場ストリートフェスタで、『カメラを止めるな!』のヒロイン松本逢花役の秋山ゆずきさんのコスプレをしたみちゃめろ。
『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督からよく似ていると言われたことがある。