引越し前日、私はショウに手紙を書いた。

私達は 「さよなら」 すら言っていない。

関係は終わったけど、なんかグズグズな感じだった。

ちゃんと終わりを伝えたかった。


内容は、

最後の終わり方にすごく傷ついた事。

人を傷つけたって事は一生忘れずに生きて下さいって事。

付き合ってた7年間は楽しかった。ありがとう。さようなら。って。


文句や責める言葉は書けなかった。
私は最後まで 『イイ女』 でいたかったんだと思う。


引越しは順調に終わった。

最後にテーブルの上に手紙を置き、マンションを出た。

そして鍵をかけ、それを玄関ポストに落とした。



全て終わった。



家に戻って、最後にショウに引越し完了メールを送った。


『最低な男で本当にすまない。

絶対に傷つけた事忘れません。

俺も7年間カオリと過ごせて楽しかったです。

ありがとう。そして本当にごめんなさい。』


彼からの最後のメール。

そして謝りの言葉はこのメールのみ。

私達の 「さよなら」 は、手紙とメールでの言葉だった。



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これで、フリーまでの道のりは終わりです。

長々と読んでいただき、ありがとうございましたm(__)m


吹っ切ったつもりでも、後半部分は書きながら泣いてしまってました。

自分では長いと思ってた7年間。

でも、文章にしたらこんなもんなんだなって。

たいした長さでもないし、たいした事ないじゃんって思えました。


でも、本当の意味で大変だったのはここからでした。

初めての失恋で、立ち直り方さえわからない・・・

自分を省みれたのも、ここからがスタート。


そしてこの後まだ少し、ショウとの話には続きがあります。

そこに至るまでの気持ちを、ざっとですけど書いていくつもりなので、

これからもお付き合い頂けたら嬉しいなって思います!



引越しも決まり、友達への報告メールもやっと一息ついた午後。


急に体の力が抜けた。何にも考えられずぼーっとしだした。

私は今まで振られた事がなかった。

別れる時には、もう心が完全に冷めていたり、

すでに次の彼氏的存在が居たりしてた。


今回はショウを嫌いになって別れる事を決めたんじゃない。

初めての体験、初めての感情。わけがわからなかった。

頭の中は真っ白。だけど、なんか苦しかった。


午後から歯医者の予約が入っていた。

それも、同棲場所の近所の歯科。

行きたくなかった。ってか行けないって思った。


ママに先延ばしにせずに、さっさと治療終わらせなさいと言われ、

極力外に出ないで良いように、パパが送り迎えしてくれる事になった。


どうにか治療を終え、車に乗り込んだ。

ずっと地元で7年付き合ってきたからか、

外も家もすべてショウと過ごした風景で見るのが辛かった。


帰り道、ぼーっとしてる私にパパが言った。


『自分が下に見てたショウに女が居たから、

お前はプライドが傷つけられて悔しいだけだよ。

だから、大丈夫!!

1週間もすれば絶対カオリは笑ってるから』


そうか・・・私、悔しかったんだ。。。

そっか・・・私、大丈夫なんだ。。。

今まで、私とショウについて何にも言わなかったパパ。

そんなパパに言葉をかけられて、私は別れてから初めて泣いた。


一度泣きはじめたら、涙は止まらなくなった。

でも、なんで泣いてんのかは、わかんなかった。


夜になってだいぶ落ち着き、ショウ母にメールをした。

引越しの日程と、ショウ両親へのありがとうの言葉を。


『ショウからも連絡がありました。

二人で話し合い出した結果ですので・・・

全てショウが悪いと思ってますm(__)m』


この返信メール以外、この先全く彼親から連絡はなかった。


私に会って話をしたいと言ってたのに!?

これが古風な親のする事なんだ・・・

DVの時に私の両親に申し訳ないってあれほど言ってた親なら、

今こそ私の両親に謝りにくる場面じゃないの!?


ショウにも引越しの日程メールだけ送った。

返信は 『わかりました』 のみ。

すでに丁寧語。もう他人なんだって再確認。

そして時間をおいても、謝りの言葉はなかった。


あー、この親にしてこの子ありなんだなって思った。



そして3日後、ママと二人で引越しをしにマンションに行った。。。


午前8時。美奈からメールが届いた。


『メールぁりがとぅござぃましたぁ音譜

教ぇてもらぇて良かったですぅ

彼女さんの存在は全く知らなかったです・・・

私が「彼女ぃるの?」って聞かなかったからかもしれないけど、

聞かれなかったら言わなくてぃぃもんなんですかね!?

今まで彼女さんが隣にぃる状態で私にメールしてたって事ですよねダウン

ちなみに私とカオリさんがメールしてるのショウさんは知ってますか?』



メール見て最初に思ったのは 「若かっ!!」 だった。

もうねーこんな小文字まじりのメール私には読めない汗

けど、不思議と美奈に対して嫌悪感は抱かなかった。

逆に、なんか良い子そうだなーって思った。

私の事は知らなかったわけだし、この子に罪はないから。



『返信ありがとう。美奈ちゃんにメールした後、ショウにも聞いた。

美奈ちゃんは知らなかったのにメールしちゃってごめんね。

ショウも 「聞かれなかったから言ってない」 って言ってた。

聞かれなかったから言わなくて良い訳ないでしょ!

私はズルイと思うよ!

ショウは私が美奈ちゃんにメールしたって知ってるよ』



聞かれた事を送った。

そしたら、また美奈から返信がきた。

(小文字は省きます・・・)



『メール迷惑じゃないんで。気にしないで下さい。

私が今まで付き合ったA型ってあんまり印象がよくなくて・・・

女関係とかだらしなくて。。。

なんかショウさんって大人ですよねー!

私、うまく扱われてるのかな・・・』



えーっと・・・

本日別れたばっかの元彼女に、元彼とについての相談ですか・・・

「こいつバカだろ!!」 って思った。

なによりバカだと思ったのは、ショウとの事を前向きに考えている事!


美奈は↓を知っている。

→7年付き合ってる彼女と同棲してるの隠して自分と連絡を取っていた。

  更にそんなに長く付き合った彼女と、たった2回会っただけの自分に、

  乗り換えれるような事が出来る男。

私が美奈の立場だったらなら、こんな男まったく信用できないし、

付き合いたいとも思わない!



『ショウは全く大人じゃないよ!

ってか、かなりのバカです。ショウは本気しかない人。

だから付き合ってる間は大事にしてくれるけど、

他を向いたらもう終わりだよ。

それは美奈ちゃんもよく分かってると思うけど。

別れた私から言える事は、「7年間付き合った女を、たった2回しか

会ってない女に乗り換えられるような心を持ってる男」って事。

それでも良ければ、どうぞ』



『アドバイスありがとうございます。

まだ付き合うかどうかわからないですけど・・・

本気しかないって怖いですね・・・覚悟しとかなきゃなー

付き合い長いし、本当はまだ二人とも好き同士なんじゃないですか!?

別れても、引越しとか、まだ暫くは連絡とりあうんですよね?』



あー馬鹿だー!!ホントにこの女馬鹿だー!!

ってか、やっぱショウにはこの程度のバカ女がお似合いなんだ!!

心底そう思った。私はこいつらとレベルが違うって思った。

だから美奈に対しては悔しくないし嫌な感情もない。

だって、違う世界の人間ですものって思った。



その後も、何通かメールのやりとりをし、最終的にパパに

「そんな馬鹿女に返信するのはもう止めろ!」 って怒られた。

別れた彼女に相談メールできるなんて、頭がおかしいって言われた。

それに私との事知ってショウとの付き合いに前向きなのも理解できないと。

「そんな女に、親切にしっかり相談にのってるお前も馬鹿だ」 と怒られた。


確かに他から見たら馬鹿だと思うけど、私はなんとも思わなかったなー

美奈は嫌いじゃないし(←これ自体理解されないけど)、

ショウと戻るつもりもない。もう他人事って感じかな。

まぁ、まだ別れて何時間で、この時は怒り&呆れパワーが強くて、

なんか思考がどうでもいいやーって感じだったのもある。

それに、わざとショウを悪く言う気にもならなかった。これはプライドかも。


そんなんで、美奈とはこの日10通くらいメールのやりとりをした。

この日以降、メールは全くない。

結局、相談にのるだけのって、報告はなんもなし・・・

お人好し過ぎたかなあせる



そんな中、 「さっさと終わらせましょう」 との言葉と共に、

ママの行動は早かった。

引越し業者に連絡をし、3日後に引越しする事になった。。。


朝になってショウ母に別れた報告の電話をした。


「一度は結婚するって言ったので、式場とか探してたんですけど、

やっぱり結婚する覚悟がないって言うので、別れる事になりました。

そして、ショウは好きな人がいて、その人と付き合いたいそうなので。

おじさん、おばさんには7年間良くして貰ってありがとうございました」


これだけを伝えた。

なぜかわからないけど、キャバ嬢だとかは言えなかった。


ショウ母からは、


「二人で話し合って決めた事なら何も言えないけど・・・

KAORIちゃんとは、二人別れる事が変わらないとしても、

一回直接会ってちゃんと話をしたいと思ってる」


と言われた。


「わかりました」


と答えた。



そして、ショウと話す事も、顔を合わす事もなく、

私は実家に戻った。


まだ、この時は私の中も怒りの感情が強くて、

『あんな奴と別れて良かったー』 って、

すごく元気だった。


そして両親に本日のすべての出来事を話した。

二人とも呆れて、もう苦笑い。

でも、喜んでいた。

「これで、きっぱり別れられるわね」 って。



そんな午前8時、美奈からメール返信がきた。。。


明け方5時半。ショウがリビングにやってきた。


「KAORIごめんね。やっぱホントの事言うよ」


「デートしたのはホントにKAORIとの事を考えるためだった。

だけど・・・デートしたら好きになった」


「俺、バカだから・・・」


「知ってるよ・・・

すぐ好きになっちゃうバカだもんね・・・」


「でもショウが遊びだって言ったから、

どうでもいいのかと思って、さっき美奈ちゃんにメールしたよ」


「なんて!?」


「私の事知っててデートしたの?って」


「そっか・・・お前の事知らないよ。

何も聞かれなかったから、言ってない」


「それズルイね・・・

まぁ、これから頑張って弁解でもして」


やっぱ遊びじゃなかったんだってホットした。

ショウは私の知ってるショウだった。

それに、遊び相手に負ける事は、なんか屈辱だった。



しばし沈黙。


「あのさ・・・たかだか1回デートした女に気持ち移れるほど、

私との7年間ってショウにとって軽いものだった?」


「私ってショウにとってそんなに軽い存在だった?」


「ショウにとって、私との7年間っていったい何だったの?」


しばし思考中。


「お前が実家に戻ったから・・・

お前が帰らなければこんな事になってない!」


「もう自分の気持ちわからないんだ・・・

もう勘弁してくれよぉぉ!

もうこれ以上何も考えたくないんだ!!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・。


悲痛な叫びだった。

でも・・・最後は結局人のせい!?逆ギレ!?


ふーん。そうか。

考えるのも嫌。でも決めれない。だから逃げる。

それも一番安易で楽な方法で逃げたんだ。


ズルイって思った。心底ムカついた。

死ぬ気で考えて欲しかった。


そして私の最後の言葉。



「アンタなんていらない」



「うん。引越しは俺の居ない時にしちゃって。

好きな物全部持って行っていいから」



これが私達の最後の会話だった。


そして、ショウは寝室に戻っていった。



呆れて、何も言う気にならなかったってのもあるけど・・・

泣く事も、怒鳴る事も、責める事も出来なかった。

プライドが許さなかった。


何も言わずに、綺麗に去ってやるよ。

私ってぐちゃぐちゃしないイイ女でしょ?

って、頭の中で考えていた。

結局、私は自分のプライドの方が大事だった。



ショウからは最後まで一度も謝罪はなかった。

冒頭以外、彼から最後まで、

『ごめんね』 という言葉は聞けなかった。


なにより、7年も付き合ったのに、楽しい事も沢山あったのに、

最後にお互い 『ありがとう』 という言葉さえ交わせない終わり方。


まったくこんなの想像してなかった。

家族のような存在のショウ。

別れてもきっと嫌いになる事はないだろうって思ってた。

別れても、二度と会わない関係にはならないと思っていた。

まさか、相手の幸せを願えない別れ方をするとは思わなかった。


そして朝になるのを待って、ショウ母に報告の電話をした。。。