健一と隆志は、河童伝説の残る村で遊んでいた。
村の外れで見つけた古い石碑には、河童の姿が彫られていた。
「これが河童か?」健一が尋ねると、隆志は「伝説なんて嘘だよ」と笑い飛ばした。
その瞬間、石碑の下から水音が聞こえ、二人は興味本位で近づいた。
すると、石碑の脇に小さな池があり、そこに手を入れてみると冷たい水が感じられた。
しかし、次の瞬間、池の中から緑色の手が伸びてきて健一の腕を掴んだ。
「やめろ!」隆志が叫んだが、健一はそのまま池の中へ引きずり込まれた。
必死で引っ張り返そうとした隆志だったが、ついに健一は姿を消した。
村人たちが駆けつけたとき、池には健一の靴だけが浮いていた。
その後、池は埋められたが、村人たちは夜になると「けんいちー、けんいちー」と誰かが呼ぶ声を聞くようになり、二度とその場所に近づかなくなった。