近年、少子高齢化や働き方改革の進展など、社会環境の変化に伴い、
企業の健康経営への関心が高まっています。
ちなみに健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点から考え、
戦略的に実践することで、生産性の向上や離職率の低下、従業員の満足度向上などの効果が期待できます。
そんな中、健康経営を実現する有効な手段の1つとして『ヘルステック』が注目を集めています。
『ヘルステック』とは、「健康(Health)」と「テクノロジー(Technology)」を掛け合わせた造語で、
AIやIoT、ウェアラブルデバイスなど、さまざまなデジタル技術を活用して、
医療や健康、介護などの課題を解決するサービスや製品のことを指します。
なぜ『ヘルステック』が、従業員の健康管理を効率化し、より効果的な健康経営を実現するのか、
今回はその3つの理由をお伝えします。
1. 『ヘルステック』が健康経営に役立つ理由
『ヘルステック』』が健康経営に役立つ理由は、以下の3つが挙げられます。
① 従業員の健康状態を把握しやすくなる
『ヘルステック』を活用することで、従業員の健康状態をリアルタイムで把握することができます。
例えば、ウェアラブルデバイスやアプリを活用して、歩数や睡眠時間、心拍数などのデータを収集することができます。
これにより、早期に体調不良やストレスのサインを把握し、予防や早期対応が可能となります。
② 個々のニーズに合わせた健康管理が可能になる
『ヘルステック』は、個々のニーズに合わせた健康管理を提供することができます。
例えば、運動習慣がない人には運動プログラムを提案したり、睡眠の質が悪い人には睡眠改善のためのアドバイスを
提供したりすることができます。
③ 従業員の健康への意識を高めることができる
『ヘルステック』を活用することで、従業員の健康への意識を高めることができます。
自身の健康データを可視化し、目標設定や成果の確認ができることで健康への取り組みが楽しくなり、
食事や睡眠、運動に対してよりポジティブな行動をしていくようになります。
2. 健康経営に役立つ主な『ヘルステック』
『ヘルステック』といえども、国内外には様々なデバイスやアイテム、ツールがあります。
以下、私たちがおすすめの『ヘルステック』デバイスやアイテムなどをご紹介します。
① 睡眠解析「OURA RING」
<サービス内容>
OURA RINGは、睡眠、心拍数、体温、活動量など、24時間365日をモニタリングできるスマートリングです。
収集されたデータに基づいて、睡眠の質や体調、ストレスレベルなどを分析し、
健康的な生活習慣を送るためのアドバイスも届きます。
<特徴>
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高精度な睡眠解析:睡眠ステージ、睡眠時間、睡眠中の心拍数、呼吸数などを高精度に測定
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個別フィードバック:日々の蓄積データに基づき、設定した目標や生活習慣に則した的確なフィードバックが届く
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健康指標の可視化:睡眠、心拍数、体温、活動量など、様々な健康指標を可視化
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長時間バッテリー:最大7日間ほどのバッテリー駆動時間
<健康経営への活用>
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従業員の睡眠不足によるストレスや体調不良を予防
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睡眠の質を向上させることで、集中力や作業効率を向上
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従業員の健康状態を把握し、適切なサポートを提供
② 食事管理・指導「カロミル」
<サービス内容>
カロミルは、食事の写真を撮影するだけで、栄養バランスやカロリーを自動計算するアプリです。
栄養士による食事指導や、健康的なレシピの提案など、食事改善をサポートする機能も備えています。
<特徴>
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簡単な食事記録:食事の写真を撮影するだけで、栄養バランスやカロリーを自動計算
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栄養士による食事指導:個々のニーズに合わせた食事指導を提供
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健康的なレシピ提案:カロリーや栄養バランスを考慮したレシピを提案
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ゲーム感覚で楽しく続けられる:ポイント制度やランキング機能で、ゲーム感覚で楽しく続けられる
<健康経営への活用>
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従業員の食生活を改善し、生活習慣病の予防
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肥満やメタボリックシンドロームのリスクを低減
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従業員の健康意識を高め、健康的な職場環境づくり
③ 尿から栄養状態分析「VITANOTE」
<サービス内容>
VITANOTEは、尿検査キットを使って尿から栄養状態を分析するサービスです。
分析結果に基づいて、栄養バランスの偏りを改善するためのアドバイスや、サプリメントの提案などを提供します。
<特徴>
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手軽な尿検査:自宅で簡単に尿検査できるキットを提供
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詳細な栄養分析:ビタミン、ミネラル、アミノ酸など、20種類以上の栄養素を分析
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個別フィードバック:詳細な分析結果と個々のフィードバックが届く
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サプリメント提案:不足している栄養素を補うサプリメントを提案
健康経営への活用
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従業員の栄養バランスの偏りを把握し、食事改善をサポート
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栄養不足による体調不良を予防
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従業員の健康意識を高め、健康的な生活習慣づく
④ 瞑想・メンタルケア「Muse2」
<サービス内容>
Muse2は、脳波を計測し、瞑想の状態を可視化することで、瞑想の質を向上させるデバイスです。
集中力やリラックス度を数値で表示することで、効果的な瞑想をサポートします。
<特徴>
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脳波計測による瞑想状態の可視化:集中力、リラックス度、ストレスレベルなどを数値で表示
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瞑想ガイダンス:レベルや目的に合わせた瞑想ガイダンスを提供
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アプリ連携:スマートフォンアプリと連携し、瞑想履歴やデータを管理
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コンパクトで軽量:持ち運びやすいコンパクトなデザイン
<健康経営への活用>
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従業員のストレスを軽減し、心の健康を促進
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集中力や作業効率を向上
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従業員のワークライフバランスを改善
⑤ 健康管理・診断代行「ログシル」
<サービス内容>
ログシルは、従業員の健康管理や健康診断代行などができるヘルスケアアプリです。
健康診断結果の管理、生活習慣病予防のための情報提供、健康診断の予約や代行など、様々な機能を提供します。
<特徴>
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健康診断結果の管理:健康診断結果をアプリで簡単に管理
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生活習慣病予防情報:生活習慣病予防のための情報や記事を提供
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健康診断予約・代行:健康診断の予約や代行をアプリで簡単に依頼
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従業員向けポータル:従業員向けポータルサイトで健康情報を一括管理
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企業向け管理画面:企業向け管理画面で従業員の健康状態を把握
<健康経営への活用>
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従業員の健康状態を把握し、適切なサポートを提供
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生活習慣病の予防と早期発見・早期治療
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従業員の健康意識を高め、健康的な職場環境づくり
今回紹介した5つの『ヘルステック』サービスは、いずれも健康経営に役立つものです。
これらのサービスを組み合わせることで、より効果的な健康経営を実現することができます。
ただし、これらのサービスを導入する際には、従業員の同意を得た上で利用することが重要です。
また、サービスの利用規約をよく確認し、プライバシー保護や情報セキュリティ対策に十分配慮する必要があります。
次の項目でこれらの注意点についても解説します。
3. 『ヘルステック』を導入する際の注意点
『ヘルステック』を導入する際には、以下の点に注意する必要があります。
①コスト
『ヘルステック』には、システムの開発や導入にかかるコストが必要です。
特に、カスタマイズなどの追加機能を導入する場合は、さらに費用がかかる場合もあります。
②プライバシー
『ヘルステック』を導入することで、従業員の健康情報や個人情報を収集する必要があります。
そのため、従業員のプライバシーへの懸念が生じる可能性があります。
③データの分析と活用
『ヘルステック』によって収集されたデータを適切に分析し、結果を活用することは容易ではありません。
データの分析には専門的な知識や経験が必要であり、それを持つスタッフがいない場合はデータの活用が困難となります。
④システムのトラブル
『ヘルステック』のシステムには、トラブルや障害が発生する可能性があります。
システムが停止したり、データが正しく表示されないなどの問題が生じた場合、迅速な対応が求められます。
しかし、専門的な知識や経験がない場合、対応に時間がかかることや、迅速な対応ができない可能性があります。
⑤参加意欲
一部の社員にとって、『ヘルステック』への参加意欲が低下することがあります。
特に、個人の健康情報を公開することに抵抗感を持つ社員や、自身の健康管理に関心を持っていない社員にとっては、
『ヘルステック』への参加が強制的なものとなり、モチベーションの低下やストレスの増加につながる可能性があります。
⑥効果
『ヘルステック』を導入しても、社員の健康状態や生活習慣に大きな変化が生じるとは限りません。
『ヘルステック』はあくまでもツールであり、社員の意識や行動を変えるためには、『ヘルステック』だけでなく、
組織全体の取り組みや環境の改善が必要です。
⑦事例の選定
『ヘルステック』を導入する際には、事例の選定に注意が必要です。
他社の成功事例を見ても、自社の状況やニーズに合っているかどうかは別の問題です。
自社の課題や目標に合わせて、具体的な成果を上げている事例を探しましょう。
4. 『ヘルステック』を活用して健康経営を成功させるためのポイント
『ヘルステック』を活用して健康経営を成功させるためには、以下の点に注意する必要があります。
◾️経営層のコミットメント
経営層が健康経営にコミットし、積極的に推進することが重要です。
経営層が率先して『ヘルステック』を活用することで、社員の意識も高まります。
◾️社員の理解と協力を得る
社員に『ヘルステック』の目的やメリットを理解してもらい、協力を得ることが重要です。
社員向けの説明会や研修などを開催し、『ヘルステック』デバイスやアイテムなどに対する理解を深めましょう。
◾️データの活用
収集したデータを分析し、健康経営の改善に役立てることが重要です。
分析結果に基づいて、効果的な健康指導や健康増進プログラムを策定しましょう。
◾️継続的な改善
健康経営は継続的な取り組みです。定期的に評価を行い、改善点を洗い出すことが重要です。
社員からの意見を取り入れながら、より効果的な健康経営を実現しましょう。
5. 『ヘルステック』の活用事例
『ヘルステック』は、健康経営においてさまざまな活用事例があります。
以下、具体的な事例をご紹介します。
◾️健康データの活用
『ヘルステック』を活用して、従業員の健康データを収集・分析することができます。
例えば、歩数や睡眠時間、心拍数などのデータを収集し、その傾向を把握することができます。
これにより、従業員の健康リスクを早期に発見し、適切なサポートを行うことができます。
◾️健康プログラムの提供
『ヘルステック』を活用して、従業員に対して健康プログラムを提供することができます。
例えば、健康食品やサプリメントの提供、運動プログラムの提案、ストレス管理のサポートなどがあります。
これにより、従業員の健康意識を高め、生活習慣の改善を促すことができます。
◾️健康経営の成果評価
『ヘルステック』を活用して、健康経営の成果を評価することができます。
例えば、従業員の健康状態の改善や、病気の予防効果の評価などがあります。
これにより、健康経営の取り組みの効果を客観的に評価し、経営戦略の策定に役立てることができます。
6. まとめ
『ヘルステック』は、健康経営において非常に有効なツールです。
『ヘルステック』を活用して、社員の健康と企業の成長を両立させましょう。
このブログ記事が、ヘルステックを活用した健康経営に取り組む皆様にとって、
少しでも参考になれば幸いです。
※本ブログ記事は、情報提供のみを目的としており、専門的な医療アドバイスを構成するものではありません。
健康上の問題が発生した場合は、必ず医師に相談してください。
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