日本には戦前、多くの電力会社が存在しましたが、戦争に向けた国家の電力統制が進み、9社による地域独占体制が築き上げられました。戦後復興の中では、それが寄与した部分もあると思います。
しかし、東京電力福島原発や高速増殖炉の事故等を通して、我々は改めて原発依存と独占型の電力供給体制の危険を認識する事となりました。これを改革しなければ、日本の未来はありません。我々は正に時代の転換期に立っているといっても過言ではないのです。



震災直後、みんなの党は真っ先に「電力自由化と原発ゼロ」を訴え始めました。今もそうですが、他の反原発を唱える政党や無所属候補者は、明確なロードマップも無い中で闇雲に脱原発を訴えています。



私も「倫理的」に原発は停止するべきだと思います。どうやって処理したらよいかも分からない猛毒のゴミを、一時の便利さの為に生産し、子供たちや子孫に無理やり引き継いで良いわけがありません。



しかし、それと同時に、「経済的」にも脱原発を進めるべきなのです。



そもそも、安い=夢のエネルギーと言われた原発は、無理やり国(推進してきた自民党)が「安く見せていた」にすぎませんでした。原発=安全という「安全神話」を作ってきたのと同じです。



従来、原発は約5円/1kwhと言われてきました。しかし、昨年行われた政府(民主党政権下)のコスト等検証委員会では8.9円/1kwhかかると試算されました。
だいぶ、正直になってきたと思いますが、それでも「コストが読めないから」と計算に入っていない費用が多々あります。通常でも約千億はかかると言われる廃炉費用(福島のようになってしまった場合はその何倍、何十倍でしょうか)や、方法すら決まっていない使用済み核燃料の廃棄費用。そして、事故による損害賠償費用も入っていません(福島は既に4兆円。まだまだ増加中)。
そのような費用を入れると、原発のコストは約17~19円/1kwhになるというのが定説になりつつあります。
LNGが10円、風力が10~17円、地熱が9~11円。
それよりも高くつくのが原発なのです。
であれば、早急に日本の力を結集して、自然エネルギーやガス・コジェネ等の発電所に注力したほうが賢明なのは間違いありません。



しかし、ここでも既得権益との戦いが待っています。
電力会社から多額の献金をもらい、電事連に選挙協力をしてもらっている自民党は、真剣に電力システムを改革することは出来ません。
6月27日のブログ をご参照。このような結果になった裏には「電力族」の力が大きく影響しています)
そして、電力会社の労働組合(電力総連)から支援を受けている民主党でも同じです。



日本のエネルギー問題には、日本の政治・経済の問題が凝縮されています。
霞が関と電力会社による「中央主権」。電源三法交付金による「バラマキ」。既得権益による「規制」。電気料金と税金値上げでの東電救済に見られる「国民軽視」。



今回の参議院選挙を通じて、みんなの党の議員が一人でも多く生まれる事が出来れば、改革の可能性は確実に高まります。
現に、二年前にみんなの党が単独で提言した時、「夢物語」と揶揄された電力自由化も、少なくとも今は国会で話し合われるようになったではありませんか!



国民全体のため(電気代値下げ、原発ゼロ)、そして世界に対しても事故の責任をしっかり果たしたと言えるような電力政策に転換するためにも、皆様の魂の一票をみんなの党に入れて頂ければと思います!!