昨日、皮肉にも安倍総理が最後の成長戦略を発表した直後から株価は下落し、今年3番目の下げ幅になりました。



これは正しく市場からのメッセージです。


第一弾と第二弾の発表では、本当に利権団体に切り込むまでの気概が見えた政策はありませんでした。



ターゲティングポリシーやPFIというネーミングを使って、いかにも新しいことをやるように見せかけていますが、実際は今までの古い自民党がやってきた事の焼き直しでしかありません。つまり「霞が関が成長産業を選んで育ててあげましょう。その為に補助金制度や、官民ファンドでお金は出しますよ」という考え方です。


残念ながら、官僚や政治家に産業を発掘する先見性や力などはありません。そんな能力を持ち合わせているなら、バブル崩壊後に緊急と称して経済対策に費やされたという何百兆円で、とっくに日本経済は再生しているでしょう。



本当に出来る事は既得権益と闘って規制緩和、流動化、自由化を実現し、税制面でバックアップする事。例えば、法人税の減税、減価償却制度の見直し(我々は自由償却と名付けています)、雇用の流動化、農業・医療・保育・電力の自由化などです。


電力や農業でも多少規制緩和の方向に向かっているかのような政策を打ち出していますが、中身を見ると残念ながら真剣さが伝わってきません。例えば電力の自由化法案には「難しいと判断した場合は(所有権分離どころか)機能分離で・・」というような事も書いてあります。そういう部分を投資家やアナリストはしっかり読み解いて、本当はやる気が無いのではないかと疑念を抱いているのです。( 参照: 2013 5 19 海外国人投資家「アベノミクスの先行きは? 



投資家は安倍総理の「改革に対する本気度」を感じる事を昨日の発表に期待していたのだと思います。このままでは、心配していた通りの状況になりかねません。是非ともみんなの党のアジェンダを「パクって」頂きたいと思います。