昨日、東京高裁で、最大2.43倍の一票の格差が生じた昨年の衆院選を違憲とする判決が出ました。一国会議員として、「違憲」の意味を重く受け止めなければなりません。



判決文を読むと、2011年に最高裁が2009年に行われた衆院選の区割りに対して違憲状態だから立法措置を講ずるようにと警鐘を鳴らしたにもかかわらず、是正措置がなされなかったことは看過できない、昨年の選挙までに区割りを是正することは十分可能であったと処断しており、立法府に対する高裁のいら立ちが伝わってきます。



ただ、今回違憲判決が出ることは予想されていたことで、選挙の無効まで踏み込めなかったのは残念です(原告の弁護士グループは判決を不服として即日上告しています)。
昨年解散の条件として、自公民の三党は定数削減を含めた選挙制度の抜本見直しについて通常国会で結論を出すと合意したのですが、現状では調整が難航しており、先送りの可能性さえでてきているのです。



選挙制度改革は、立法者である国会議員自身の利害が絡む問題なので、各政党が自党に有利な方向へ議論を進めようとして対立が際立ってしまいます。完全に党利党略の話になっているのです。お互いに責任を擦り付け合い、最低限の改革でお茶を濁すという結論になることが容易に想像できてしまいます。それは、ネット選挙運動解禁の議論と重なりますが、「国民のため」という視点が欠落しているのです。(過去の関連ブログ「党首討論から解散へ 」「衆院選やり直し? 」)



このように考えると、立法府を牽制する意味で、無効判決もあり得たのではないかと思えてくるのです。直ちに選挙を無効とするのは確かに影響が大きすぎるのかもしれませんが、高裁自身が判決でも言及している、判決確定後一定期間内に格差が是正されなかった場合に無効の効力が発生するという判決も考えられます。



もちろん、選挙制度改革は立法府の問題なので、本来は司法に期待するのではなく、立法府自身で解決を図るべきです。みんなの党は、2011年から「一人一票」比例代表制による格差是正を主張しています。そして、昨日の記者会見で、「一人一票」比例代表制の法案を発表しました。党利党略ではなく、国民のための政策を引き続き訴えていきたいと思います。



一票の格差訴訟は、全国14の高裁・支部で提起されており、いずれの判決も今月中に出揃う見込みです。最終判断は最高裁に委ねられますが、高裁レベル果たして無効判決が出るのか、注目したいと思います。