白井明大(しらいあけひろ)さんの 「日本の七十二候を楽しむ」 この本で、日本の旬のものを一緒に学びましょう。
日本には四季があり、二十四の気という季節があり、七十二もの候という季節もあります。
昔の人は、そうした季節の移ろいをこまやかに感じとって生活していたのでしょう。
その46 秋分(秋分の初候: 雷乃声を収む 「かみなりこえをおさむ: 夕立に伴う雷が鳴らなくなるころ。」
新暦では、およそ九月二十二日~九月二十七日ごろ
候のことば おはぎとぼた餅 秋分の日にお供えするおはぎは、春にはぼた餅と呼ばれます。 この二つは同じもの。
ただ昔は、秋に収穫したての小豆をそのままつぶあんにしたのがおはぎ、冬を越して固くなった小豆をこしあんにしたのがぼた餅、という違いはあったようです。
春の牡丹、秋の萩に見立てて、牡丹餅、御萩と呼びました。
旬の魚介 はぜ 大きく育つ秋~冬が旬のはぜ。 秋分のころに型が大きく味がよくなるものを彼岸はぜ、晩秋から初冬にかけて、産卵のため深場に移動したものを落ちはぜと呼びます。
江戸前天ぷらの代表的なネタ。
夏などにとれる小ぶりのはぜは、から揚げに。
旬の野菜 松茸(まつたけ) 香りのよさが万葉集にも歌われるほど、古くから愛されてきた松茸。 旬は九月半ば~十一月初め。
その香りは食欲を誘い、がん予防にも働きかけるとか。
旬の草花 彼岸花 一本の茎に六っほどの赤い花が咲き、空に向かうようにめしべ、おしべを伸ばし広げる彼岸花。
開花はまさに秋の彼岸のころ。
曼殊沙華(マンジュシャゲ)とも呼ばれますが、その意味は、天に咲く赤い花。
水にさらして毒抜きした根は、飢饉の非常食でした。
旬の行事 秋の社日(しゃたち) 秋分の日にもっとも近い戊(つちのえ)の日を、秋の社日といいます。
春に山からやってきて、作物を実らせてくれた田の神さまが、秋に山へ帰る日とも。
旬の兆し 鱗(うろこ)雲、鰯(いわし)雲、鯖(さば)雲 気づけば、高い秋雲。
鰯雲が姿を見せると、鰯が大漁の兆しとか。
鯖雲は、鯖の漁期に出る雲とも、雲の文様が鯖の背中の斑点のようだからといわれています。
はぜ
- たまには釣りにでかけましょう。