番外 現在「青一色」で長崎線などで活躍中、JR九州キハ40系気動車の「500」が付く一般車4両 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 JR九州のキハ40系気動車(キハ40形・キハ47形・キハ140形・キハ147形)は、現在も上の画像のように「D&S(デザイン&ストーリー)列車」化された車両もあるなど、現在も主力として位置付けておりまして、製造から40年以上経過した中でも、九州内で一線で活躍する姿が見られております。
 
 その「D&S列車」では、画像1の長崎線・大村線で活躍しております「ふたつ星4047」、1・3号車が「いさぶろう/しんぺい」から改造されまして新たな形式であります2R形式を名乗ります画像2の「かんぱち/いちろく」、現在も臨時列車として活躍します画像3の「やませみ かわせみ」、JR四国から購入した車両を使用しまして、かつての「ブリル客車」の通称でもあります、画像4の「或る列車」、そして指宿枕崎線で運行されております、画像5の「指宿の玉手箱」と、現在5つのキハ40系気動車から改造された「D&S列車」が活躍する姿が見られております。
 
 これら列車も、現在も人気がある列車もあるなど、まさに観光用としてふさわしい所も見られております。やはり九州も観光に特化した部分も見られておりますので、こうした列車の存在も大きいのではないかとも思う所ではあります。
 
 
 その一方、これら列車もかつての姿でもありました近郊用として活躍する姿も九州内で見られておりまして、以下画像のように唐津線では「ロマンシングサガ」のラッピングが施されていたり、日田彦山線では「BRTひこぼしライン」に関するラッピングの車も活躍しておりますし、それ以外でも日南線で黄色一色「日南色」の車さえあるなど、活躍する場が見られております。
 
 (キハ47 9126)~「ロマンシングサガ」ラッピング
 
 (キハ40 8097)~「日南色」
イメージ 2
 
 (キハ147 1081)~「ひこぼしライン」ラッピング
 
 しかし、それでも機関非改造車が全廃になるなどの動きも見られておりまして、中心車両とは言いましても両数は大きく減らしているのが現状でもあります。
 
 (キハ40 2037)~香椎線運行時
 
 (キハ47 1127)
 
 
 そして、今回ご紹介しますのは、いわゆる「空気ばね式台車」の車両でありまして、一般用はJR九州に4両現存しております。今回はこれら車に関しまして、皆様にご紹介してまいります。
 
 (令和5年撮影、かつての活躍先である唐津線団体運行時、キハ47-4509)
 
 
 それが、現在佐世保車両センターに所属しておりまして、長崎線の「上下分離区間」を中心に運行されておりますキハ47形3500番台・4500番台各気動車でありまして、特徴としまして耐寒・耐雪構造、台車も異なる車両でもあります。
 
 【ここでは「-(ハイフン)」付きで掲載します】
 (キハ47-3509)
 
 (キハ47-3510)
 
 (キハ47-4509)
 
 (キハ47-4510)
 
 
 これら4両は、ともにいずれも昭和54年新潟鐵工所製でありまして、当初トイレなしの車は509・510、トイレつきは1509・1510を名乗っておりまして、これら車の所属先は旧・新潟運転所(現・新潟車両センター)でありました。やはり、耐雪ブレーキまで装備している事から、この所属先を見ましても豪雪地帯に所属していた訳ですのでわからなくはないでしょうか。
 
 (キハ47 3509にあるプレート)
 

 しかし、運行されておりました弥彦線・越後線の電化により余剰となった事で、その4両が昭和60年になぜか九州の唐津運転区(現・唐津車両センター)に転属した他、他の車両も中国地区(広島・小郡)・四国地区(高松)にも転属しておりまして(所属に関しましてはいずれも旧称です)、唐津に所属しておりました4両は、雪とはあまり縁がない唐津線・筑肥(西)線にて運行されておりましたし、唐津所属時にワンマン改造を施行した際には定員が146名に変更されていたほどでした。
 

 その後、機関改造によりましてキハ47 1509からキハ47 9509に改番、加えましてキハ47 509キハ47 8509へ改番されておりました。けれども、キハ47 510・キハ47 1510が機関改造+台車の1軸から2軸駆動改造でからそれぞれキハ47 3510・キハ47 4510に改番されましたので、キハ47 9509キハ47 8509とともに再改造・再改番されまして、現車番のそれぞれキハ47 4509キハ47 3509となっております。
 
 【車番の変化】
 キハ47 509→8509→3509
 キハ47 510→3510
 キハ47 1509→9509→4509
 キハ47 1510→4510
 

 そして、平成19年に九州に移りまして長く住み慣れました唐津運輸センター(当時)より、キハ47 4509はキハ47 3510とともに大分車両センターに転属、他のキハ47 3509とキハ47 4510も熊本車両センターに転属しておりました。やはり唐津・筑肥線と比べますと、山間部の運行が多い大分・熊本所属先にはまさに適していたと言ってもいいのではないでしょうか。
 
 (キハ47 3509 熊本車両センター所属)

 (キハ47 3510 大分車両センター所属)

 (キハ47 4509 大分車両センター所属)

 (キハ47 4510 熊本車両センター所属)
 
 熊本時代のキハ47 3509の車内です。シートモケットは交換されておりましてかつての青地から茶地に変わっておりますが、それ以外は他のキハ47形とはほとんど変わりありません。
 
 
 その後、令和3年3月改正でこの「500」が付く車は、定期運用から一旦離脱します。けれども、翌令和4年に順次青色一色に塗り替えられておりまして、この年の9月改正からの長崎線肥前浜駅以南の非電化化・「上下分離区間」によりまして、これら4両は佐世保車両センターに配置の上で長崎線の江北駅以南、佐世保線の江北~早岐間で運行されるに至っております。
 
 尚、キハ47-4509は液晶行先表示車となっておりまして、ラミネート製サボの他の車と違った所が見られております。現在、他の1両とともにその表示車となっておりますが、今後他の車に広がるか気になる所ではあります。
 
 ちなみに、画像4にもありましたスイーツトレイン「或る列車」2両も佐世保車両センターに所属しておりますが、このうち1両であります、実はJR九州のキハ40系気動車現有車両では一番古い元JR四国のキロシ47-3505(元キハ47 1505、昭和53年製)に関しましても、同様に「500」が付く車の1両でもあります。これらは、従来のキハ40系気動車の台車とは異なっておりまして、この結果台車の異なる車両は九州に5両存在している事になります。
 
 (キロシ47-3505)

 実際に、以下画像は従来のキハ40系気動車の台車でありますが、「DT22D形と呼ばれる台車でありまして、いわゆる暖地用の台車でコイルばね式であります。
 
 一方、5両にはいております台車はDT44Aと呼ばれる台車でありまして、こちらは寒地用の台車で空気ばね式となっているのが特徴でありまして、耐雪ブレーキも付いておりますが、後述の改造で1軸から2軸駆動となっているのが特徴であります。
 
 (キロシ47-3505)

 この下3ケタに500が付きます車両は、トイレなし車の場合が4500番台2両(4509・4510)、トイレつき車の場合がの3500番台2両(3509・3510)の合計4両がその台車となっているのがその違いでもあります。
 
 尚、「或る列車」のキロシ47-3505は元は車番(キハ47 1505)からもわかりますようにトイレなしでありましたが、「或る列車」改造に伴いましてトイレが取り付けられるに至っております。
 
 
 今回は、JR九州に所有しますキハ47形気動車の「500」が付く一般車4両に関しましてご紹介しましたが、やはり、従来のキハ40系気動車とは変わっている台車である事や、耐雪ブレーキと耐寒耐雪仕様を装備している訳でもあるのが大きいのではないかと思っております。また、乗り心地も従来車両でもありますコイルばね式の車よりもいいと言う声もありますので、そうした所や機関改造も行った事で長続きに至っているのではないでしょうか。今後は、運行区間も「YC1系気動車に置き換えか?」と言う声も聞いておりますが、とにかくその時まで元気に長崎線・佐世保線を駆け抜けていただきたいものであります。