前回NO.3083でもご紹介しましたように、掲載日8月28日、日田彦山線「BRTひこぼしライン」は運行開始から一周年を迎える事ができました。
「BRTひこぼしライン」は、平成29年の「九州北部豪雨」で日田彦山線の添田~夜明間が大きな被害を受けた事に伴いまして、鉄道での再開を断念する代わりに、鉄道と同水準での運営を行う形で令和5年8月28日に運行を開始したものであります。
運行開始以降、学生さんや高齢者と言った地元の方以外にも、日田や英彦山方面への観光客も利用されているそうでもありまして、そう言った事もありまして、このほど利用者が10万人を達成するにも至っておりまして、「BRT」化に伴う効果も間違いなく出ているのではないかと思います。
運行開始にあたりましては、以下画像の添田駅駅舎を再利用しまして、運行に携わりますJR九州の子会社でありますJR九州バスが添田支店を新設しておりまして、いすゞエルガミオ3台・BYD電気バス4台・トヨタコースター燃料電池車1台の計8台所属しておりまして、専用車の拠点としての姿を見せております(但し一部の運用は日田バスが担当します)。
(添田支店入口)
また、鉄道と同水準と言う事から、バスによる運行でも「バス停」とは呼ばすに「駅」として称されてもいまして、中には画像の彦山駅のように新たな駅舎が設けられた所もありますし、一部駅の乗場には地元産の杉の木を使いました待合スペースまで設けられているなど動きも見られております。
(筑前岩屋駅)~駅舎とバス待合スペース
さらに、利便性を高めるために、新たな「駅」を設けている所もありまして、画像の画像の畑川(医院前)駅のように地元の医院の中に駅が設けられている所もありますし、さらには学校などにも駅を設けた所もありまして、そう言った事もありまして、これまでよりも1.5倍の駅数となっております。
そして、画像の添田駅に関しましては、現在はBRTと列車と同一ホームと言う形に改められておりまして、旧2番ホームがBRT乗場として整備されております。やはり同一ホームで乗り換えができるようになった事に関しましては、容易にできるようになっている事を思えばよかったのではないかと思う所ではあります。
さて、ここまで前回ご紹介しました内容をご紹介しましたが、今回は令和5年8月27日まで運行されておりました代行バスに関しまして、私がこれまで収めておりました使用車両に関しまして、皆様にご紹介してまいります。
これまでもご紹介しておりますように、平成29年の「九州北部豪雨」までは、日田彦山線は小倉~城野~田川後藤寺~添田~彦山~夜明~日田間を運行する路線として存在しておりまして、画像のキハ40系(画像はキハ147形)気動車などで運行する姿が見られておりました。
しかし、平成29年7月に「九州北部豪雨」が発生しておりまして、これによりまして、日田彦山線が添田~夜明間で大きな被害を受けておりまして、画像の筑前岩屋駅では、駅東側からの土砂崩れによりましてホームが流出するなどの非常に大きな被害を受けておりましたし、それ以外にも大行司駅などでは土砂流出もありまして、合計63箇所が被害を受けたそうでありますので、この箇所数から見ましてもこの豪雨の酷さが伺えておりました。
また、日田彦山線の列車が運行します久大線でも、光岡~日田間のわずか1区間にかかります花月川橋梁が流出しておりまして、画像のような姿となっておりました。本当に、わずか1区間とはいえ、この寸断は正直大きかったと言ってもいいかとは思います・・・。
その後、約1年かけまして花月川橋梁は新たな橋を架けまして久大線は全線再開へと至っておりましたが、日田彦山線に関しましては、災害から「BRT」化されるまでの約6年もの間、代行バスが運行されるに至っておりました。
ここからは、久大線を含めまして、代行バスを運行していた姿をご紹介しますが、まずは日田バスが運行しておりました久大線代行バスであります。
久大線代行バスは、わずか1駅間であります日田~光岡間で運行されていたものでありまして、その運行に関しましては日田バスが運行を担当しておりました。
(1606)
使用されていた車は、西鉄バスからの貸出車でありまして、画像の1606及び1601(いすゞKL-LV280N1)2台がわずか1駅間の寸断されている区間を支えておりました。
これら車は、新製導入は赤間営業所で福岡~旧3号線~赤間間の路線バスとして使用されておりまして、1601はその後西鉄旧宮地岳線の廃止代行バスとして西鉄バス宗像所有に一時変わりまして運行されていた事もありましたし、1606は新宮営業所を経まして吉井営業所に転属しまして、久留米~吉井間の路線バスとしても運行されておりましたが、これらは災害がありました平成29年に研修センター(教習所)に移りまして、乗務員教習用として使用されておりましたが、鉄道代行用としてこれら2台が日田バスに貸し出された上代行バスとして使用されておりました。
これら車は、運行終了後は研修センターに戻りまして教習用として使用されておりましたが、1606はその後廃車、1601はスピナに移籍しまして、日本製鉄九州製鉄所(八幡製鐵所)の職員輸送用として使用されておりましたが、現在は廃車となっているようであります。
ここからは、日田彦山線代行バスであります。画像は、運行されておりました代行バス時刻表でありますが、運行会社には日田~添田間全区間を運行されておりました藤山観光バス、大分県側が西鉄バス久留米→日田バスで日田~大行司・筑前岩屋間、福岡県側が田川構内自動車(田川構内タクシー)で添田~彦山間でそれぞれ運行されておりました。
(大行司バス停)~大行司駅と離れた所に停車しておりました
(竹本バス停)~「BRTひこぼしライン」では「駅」に昇格
【時刻表】~詳しく見たい方は画像をクリックしてご覧ください
(添田→彦山→筑前岩屋→日田)
(日田→筑前岩屋→彦山→添田)
尚、運行区間には後に小石原にも停車しておりまして、う回路途中の町の所にも停車する事で集客を行おうとする姿が見られておりましたし、同じく停車地が追加されておりました、上の画像の竹本バス停のように、後に「BRTひこぼしライン」の「駅」に昇格したバス停も見られておりました。
(小石原バス停)~小石原庁舎の所にバス停が設けられていました
まずは、西鉄バス久留米・日田バスが日田~大行司・筑前岩屋間で運行されておりました日田彦山線代行バスであります。
(2260・いすゞPA-LR234J1改)
この車は、平成19年に西鉄バス博多営業所に新製導入、博多営業所では「100円循環バス」の専用車として使用されておりました。その後、西鉄バス久留米吉井支社に転属しまして、日田彦山線代行バスとして使用されておりましたが、日田バスに移管される事に伴いまして車も日田バスに移籍、引き続き代行バスとして使用されておりましたが、運行終了後も日田バスに引き続き残りまして、一般路線などに使用されております。
次は、田川構内タクシーであります。先述のように添田~彦山間を運行しておりましたが、使用されていた車両は、画像の9人乗りでありますトヨタハイエースコミューターが主に使用されておりまして、まだ多くの方が利用する場合にはタクシーを使って運行されておりました。
(筑豊300あ・・41)
(車内)
(筑豊300あ・・55)
そして、日田市に本社があります藤山観光バスであります。先述のように、同社に関しましては添田~夜明~日田間全区間を担当しておりまして、今回の代行バスでは最も貢献していた事業者ではなかったかと思います。
これまで利用させていただいておりました、撮影しておりました代行バスであります。これら車には、「JR代行バス」の表記もありますので、これら車で添田~夜明~日田間で運行されていた事が伺えておりますし、需要もそう多くはない分、こうした小型車両が使用されていた事もわかるのではないかと思います。
(トヨタコースター、大分200あ22-62)
(同、車内)~その下の画像は運賃表です
(三菱ローザ、大分230か22-81)
(日野リエッセ、大分230い22-62、KK-RX4JFEA)
(同車内)
そして、同事業者で最も運行されておりました日野ポンチョ2台であります。これまでの貸切車両とは違いまして、路線車両を使用していた事で、より代行バスとしてふさわしい姿も見られていたと思いますし、需要もそう多くはなかった分、最も適していたのではないかと思っております。
(大分200あ22-65、BDG-HX6JHAE)
(大分230く22-87、BDG-HX6JHAE)~その下の画像は同車内
これら車の現況です。現在も貸切車として使用されている車あれば、廃車・売却となった車も見られておりますが、このうち日野ポンチョの大分230あ22-65に関しましては、秋田県の事業者であります秋北バスに売却されておりまして、第3の車生を送っておりますし、大分230く22-87も既に離れているそうでありまして、こちらも第3の車生を今後送る事にはなるようであります。
今回は、1年前に運行を終了しておりました日田彦山線代行バスに関しまして、久大線代行バスとともにご紹介しましたが、約6年もの長い間でもありましたので、この間に停車地追加など、後の「BRTひこぼしライン」につながる部分も見られていた事がわかるのではないでしょうか。それとともに、この日田彦山線代行バスを運行してきました事業者様も大変貢献されていたようですが、藤山観光バス・田川構内タクシーは終了へと至っております。現在はJR九州バス・委託で日田バスが運行されておりますが、これら事業者の貢献に関しましては約6年も運行していた分、忘れてはならない所ではあります。