番外 西日本車体工業架装車「B高車」の原点、そして試作1号車でもあります、西鉄バス3501紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)


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 西鉄グループでは、平成12年より平成22年までの11年間、西日本車体(西工)B型架装の高速車が導入されておりまして、西鉄グループの主に近距離路線の中心として運行してまいりました。

 

 メーカーも、当初の三菱ふそうから、日産ディーゼルがボディ架装を西日本車体一本化にした事もありまして、日産ディーゼル(→UDトラックス)車も導入されるようになっておりまして、その結果多くの台数の車が導入されまして、その分ハイデッカーのS型架装の高速車をも置き換えるに至っておりまして、この中には北九州~福岡空港線専用車として運転席後方2列のシート部分を荷物置場化した空連仕様の車、(のちに「筑豊特急」転用時に荷物置場は撤去)、そして画像1のUDトラックス製の6154(PKG-RA274TAN)まで計184台にまで上る導入に至っておりました。

 

 

 しかし、高速車として使用されておりましたB高車も、転用によりまして高速路線バスの任を離れまして特急・急行バスなどに転用されるようになった車あれば、さらには特別支援学校や学校スクールバスに転用される車、そして運用離脱・廃車に至ってくる車も出ておりまして、特に廃車に関しましてはKL-規制車を中心に出ているのも現状でもありますし、その後のADG-・PKG-規制車までも廃車が発生しておりまして、急速に台数を減らしております。
 
 【いずれも廃車となっております】
 (3621・三菱KL-MP35JP改)

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 (9382・日産デADG-RA273TAN)

 

 (9704・日産デPKG-RA274TAN)~「でんえもん号」

 

 

 そして、この廃車となっております車の中にはB高車の試作車でもありました、これからご紹介します3501(三菱KC-MP717P)も姿を消しておりまして、画像でしか拝見する事ができなくなっております。今回はその試作車でもありました、3501に関しまして皆様にご紹介してまいります。
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 3501は、平成12年に西鉄の廉価版高速車両として北九州高速営業所に新製配置されまして、福岡~北九州線「福北ライン」で運行を始めました。

 

 当時の西鉄グループでは、ご紹介しておりますハイデッカーのS型がこれまでは近距離高速バスの中心として運行されてきておりましたが、1000円高速バス」が運行される事になった事に伴う経費削減によりまして、床を標準床(スタンダードデッカー)によります高速車の開発を当時のボディ製造メーカーでグループ会社でありました西日本車体工業と行いまして、その結果誕生しましたのが3501でもありました。

 

 

 この車は、路線バスでもおなじみ三菱エアロスターのシャーシを使用しておりますが、従来の純正車でも最長約11メートルほどしかありませんでしたので、初めて西工架装車で約12メートルの長さで導入される事にもなりました。尚、この車では形式の中には入っておりませんが、のちに導入されましたKL-規制であります三菱エアロスターの量産車ではMP35形式内と言う事もありまして、今後が入る事にも至っておりました。
 
 (量産車(トランク非拡大車)、3502・三菱KL-MP35JP改)~平成23年撮影
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 (3502の西鉄バス佐賀に移ってスクールバス転用時)
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 また、3501の車内は当初は12列シートで導入されておりまして、定員重視と言う仕様となっておりました。しかし、量産車以降は11列で導入されておりましたので、この車ものちに11列に改装されるに至っておりますが、それでも車内は量産車と異なる点も見られていたようでもあります。
 
 そして、床下トランクは当初のタイプは容量が低いタイプでもありましたので、画像のような姿になっておりました。このパターンは翌平成13年の前期導入車まで見られておりましたが、やはりトランクに積むにも積みにくかったのではないかとも思います。
 
 (荷物部分編集しています)
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 この3501は先述のように、導入後は「福北ライン」で使用されまして、「1000円高速バス」の中心車両として運行されておりました。しかし、量産車導入以降は画像の福岡~直方線で使用されておりまして、ご紹介しておりますようにリアの部分など量産車と異なる部分は見られておりましたが、上の画像の3502など他の車とともに使用されておりまして、この間には「西鉄バス」から「西鉄バス筑豊」に所有先が変更されてもいました。 
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 その後、この車は平成21年に飯塚第二営業所に転属しまして、その際に西鉄本体に再び戻りまして福岡~飯塚・田川間の「筑豊特急」に転用されまして運行されておりました。既にこの頃には他のB高車にも福岡~筑豊間の路線に転用されていた車が見られておりましたが、やはり試作車の転用はより目立っていたようではありまして、実際に、「筑豊特急」や、以下画像のヤフオクドームなどの臨時バスにも使用されたりしておりました。
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 しかし、この3501は、平成29年初頭に他路線からの転属車両B高車や他の車とともに運用離脱・廃車となっておりまして、このB高試作車でもありました3501は残念ながら姿を消したのでありました。
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 今回は、B高試作1号車でありました3501をご紹介しましたが、この車の存在も、本当に貴重な存在でもあったのではないかと思います。やはり、何と言いましてもこの車がB高車の原点でもありましたので、そんな車が廃車となった時は他のB高車以上に残念だと言う印象でもあった事を覚えております。しかも、近距離路線でも純正のハイデッカー車の導入が進んでおりますし、その結果他のB高車も姿を徐々に消している昨今でもありますので、今後も古い車ほど気が気ではない所ではありますが、それでもこの車の存在は特に覚えていただきたい1台でもある事には間違いないのではないかとも思ってならない所でもあります。
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