平成31年3月末をもちまして、佐世保市交通局(佐世保市営バス)は公営バスとしての歴史に終止符を打っておりまして、それから5年が経過しております。
その結果、翌4月1日からは、地元企業であります西肥自動車(西肥バス)に経営が移りまして、それとともにその旧佐世保市営バス系は子会社でありましたさせぼバスが運行を委託する形となっておりまして、旧市営バス塗装に「西肥バス」と書かれた車も見られておりますし、それに加えまして西肥バスの社番が見られているのが現状でもあります。
これまでも、移籍車を中心に多くの路線車・貸切車が導入されておりましたが、路線車のほとんどが西肥バスに移譲しておりますし、さらに一部が佐世保市営バスが解散する前から見られておりましたさせぼバス所有としての路線車も見られておりますし、貸切車に関しましては全車がさせぼバス所有として現在に至っておりまして、路線車では引き続き旧市営バス塗装の車も上の画像・以下画像のように多く見られております。
(画像1、Z953(←市1041)・いすゞPDG-LR234J2)~元東京都交通局
(画像2、N850(←市1009)・日産デKL-JP252NAN)~元西東京バス
【以下は6月~7月訪問時撮影】
(N851(←市1003)・日産デKL-JP252NAN)~元西東京バス
(N856(←市1027)・日産デKL-JP252NAN)~元西東京バス
(N862(←市1014)・日産デKL-JP252NAN)~元東京都交通局
(N876(←市967)・日産デPDG-RM820GAN)
(Z951(←市1039)・いすゞPDG-LR234J2)~元東京都交通局
【以下はさせぼバス所有】~いずれも旧佐世保市営バス時代に自社発注車として導入
(R035(←市1008)・三菱TKG-MK27FH)
(R036(←市1025)・日野SKG-KR290J1)
そんな西肥バスのさせぼバス委託車でありますが、移管されましてから約1年半後の令和2年秋よりに新たな塗装の車が登場しまして、佐世保市内の路線で運行されるようになっておりまして、現在まで塗装変更の車を多く見られるようになっております。今回は、今回訪問時まで収めておりました、新塗装(「委託塗装」)のさせぼバス委託車に関しまして皆様にご紹介してまいります。
させぼバス委託向けの塗装(「委託塗装」)は、画像のように下部に本来の西肥バスで見られるシルバーブルー、上部に旧佐世保市営バス・させぼバスに見られますクリーム色、そして本来の西肥バスでは赤で「S」をあしらっておりますが、この場合は旧佐世保市営バス・させぼバスでも見られますマークの色であります水色で「S」をあしらっておりまして、これでさせぼバス委託向けの塗装を形成している事がお分かりいただけるのではないかと思います。
(アップ)
この「委託塗装」車は、以下画像の三菱エアロスターのF689・F690(いずれもPJ-MP35JM)から見られておりまして、いずれも神奈川中央交通からの移籍車でもありますが、西肥バス本体にも神奈川中央交通からの移籍車が存在しますので、させぼバス委託車にも導入された事が伺わせております。
(F689)~上の画像も
(F690)
(参考、「シルバーブルー塗装」)~F625・KL-MP35JM(神奈川中央交通からの移籍車)
その後、しばらくは「委託塗装」に塗装変更もありませんでしたし、移籍導入もありませんでしたが、令和4年の夏に、新たなさせぼバス委託塗装の車が導入するに至っております。これらは、いずれも西肥バス本体でも導入実績があります高槻市交通部(高槻市営バス)からの移籍車での導入となっておりまして、Z970~Z972(いずれもいすゞKL-LV280L1改)の3台が導入されるに至っております。
(Z970)
(Z972)
この年の夏からは、既存車両の「委託塗装」変更にも着手しております。画像のF678(三菱KK-MK25HJ)は、旧佐世保市営バスに平成15年に導入されておりまして、旧佐世保市営バス時代は市953を名乗っておりましたが、西肥バス移譲後は現社番を名乗っております。尚、相方のF677(元市952)も、同時期に塗装変更を行っておりまして、F678同様に見た目も変わっております。
(旧佐世保市営バス塗装時代)~西肥バス移譲後
また、西肥バス本体からの車も「委託塗装」に変更された車も見られております。画像のF523(KK-MK25HJ)もその1台でありますが、この同時期導入の全4台(F521~F524)が塗装変更を行っておりますし、かつさせぼバス委託車として運行されております。
尚、このF523に関しましては、画像のように伊万里営業所にも所属した事がありましたが、同タイプのさせぼバス委託車転用に伴いまして、令和5年夏に黒髪営業所に転属となっております。それにしても、この車が佐賀ナンバー歴もあった訳ですが、そう長くはない時に転属していますので、それだけ同タイプを集中配置させたい事が伺わせていたでしょうか・・・?
こちらは、小型車両の三菱エアロミディMEのK050(KK-ME17DF、旧佐世保市営時代市956)であります。こちらもK048とともに2台が所有しておりまして、駅前営業所に所属しながらいずれも「委託塗装」に変更を行っております。この車の場合は佐世保市内の路線で運行されておりましたが、こうした車でも委託塗装されている事がお分かりいただけるのではないでしょうか。
次は、西工96MCB-I型架装車(KK-RM252GAN改)でありますが、これらはいずれも新京成バスからの移籍導入車でありまして、画像の2台を含めまして、計5台(N867~N871)が旧佐世保市営バスに導入されておりました。この「委託塗装」変更も、昨年から今年にかけまして全5台の変更が行われたそうでありまして、いつの間にかこのタイプの変更が完了に至っております。
(N868(←市1033))
(N870(←市1044))
(N870、旧佐世保市営バス塗装時代)
それでも、移籍車も引き続き見られておりまして、画像のF404(三菱KK-MK27HL)は元はMK観光バスとの事で、大学のスクールバスとして使用されていたものでしたが、このようなタイプも九州では熊本都市バス(←旧熊本市営バス)や鹿児島市交通局(鹿児島市営バス)で見られる程度ですので、西肥バスのさせぼバス委託車でも見られるようになっている事が伺えるのではないかと思います。
そして、今年に入りまして阪急バスから移籍導入されました2台でありまして、ジェイバス架装の日野ブルーリボンII(いずれも形式・PJ-KV234N1)が「委託塗装」をまとい導入されております。
(H276)
(H277)
これら車は、昨年西肥バス本体から移籍導入されておりました3台(いずれも伊万里営業所所属、H273~H275)と同じ阪急バスからの移籍車でもありますが、三菱エアロスターと同様、「シルバーブルー塗装」とともに導入された車でもあります。やはり、カラーがは違っている事は否めませんが、続番で西肥バス本体とさせぼバス委託車が導入された訳でもありましたし、今回の導入で三菱エアロスターを離脱に追い込んでもいますので、世代交代に貢献している事には間違いないでしょうか(西肥バス本体のいすゞエルガ・日野ブルーリボンIIに関しましてはNO.3066参照)。
今回は、西肥バスのさせぼバス委託車で見られております「委託塗装」の車に関しましてご紹介しましたが、西肥バスに移譲しましてこの5年の間、当初一年半は見られなかった分、「委託塗装」の流れも緩やかではありましたが、最近は同タイプが完了しているように、急速に進んでいるようにも思います。それでも、上の画像にもありますように、依然として佐世保市営バス塗装も見られているのが現状ではありますが、それでも先述のように古参車両の置き換えにも貢献してもいる訳でもありますので、今後も古参が減るうちに「委託塗装」の割合も増えて行く事にもなるのも間違いないのではないかとも思ってなりません。