番外 平成30年まで活躍する姿が見られていました、長崎県営バスに存在した西工58MCC-I架装車 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 長崎県営バスには、西日本車体(西工)C-Iボディと呼ばれます、いわゆるハイデッカーの観光バスタイプが、02MCで存在しておりまして、事業者によりましては姿を消す事業者も見られておりますが、長崎県営バスでは現在も全車が健在でもあります。
 
 この02MC架装車は、いずれも日産ディーゼルスペースアローのシャーシをはいておりまして、平成15年・17年に各3台ずつ導入されておりまして、これらはいずれもKL-規制車でありますので、形式はKL-RA552RBNを名乗っております。
 
 これら6台は、導入当初は長崎地区の営業所、その後全車福岡営業所に転属しまして貸切用として使用されておりましたが、うち2台の5K51(画像1)・5K53(画像2)が長崎に帰って路線用に転用されておりまして、5K51が長崎~雲仙間の特急、長崎~佐世保線など、5K53が長崎空港「空港リムジン」、長崎~諫早・大村間の「高速シャトルバス」などに使用されております。
 
 また、それ以外の車に関しましては、引き続き貸切用としての姿を見せておりまして、画像の行灯部分がそれを物語っております。先述のように、台数的にはそう多くはないタイプではありますし、廃車も事業者によりましては見られ始めておりますが、これからも元気な姿を見せていただきたいものであります。
 
 (7K51)

 

 

 また、他には高速用に92MCC-Iも三菱エアロバスのシャーシで3列シート車として存在しておりまして、画像の0E22(KC-MS829P)や、U-規制車でも存在しておりましたが、これらは全て廃車売却されておりまして、残念ながら長崎県営バスでは見る事ができなくなっております。
 
 (現在この車はミャンマーで見る事ができております

 

 

 そんな西工C-I架装車でありますが、58MCに関しましては前期タイプの角目2灯型・後期タイプの角目1灯型がこれまで在籍しておりまして、このうち後期タイプは平成30年までその姿を見る事ができておりました。今回は、これらタイプに関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 
 まずは、角目2灯の前期タイプからご紹介してまいります。
 
 (3882・三菱P-MS725S)

 

 このタイプは、昭和63年に8台が導入されまして、4台が日野ブルーリボン、残り4台が三菱エアロバスのシャーシをはきまして運行されておりまして、これらは元々は貸切車でありました。その後、全8台とも路線改造されまして、長崎地区の路線(長崎~雲仙間・長崎~長崎空港間など)や特定運用に使用されておりましたが、20年経過しまして徐々に廃車となる車が出始めまして、最終的には上の画像・最後の画像の3882が残るのみとなっておりました。
 
 この3882は、末期時には長崎~諫早~大村ボートレース場間の無料会員バスとして使用されておりまして、団体挿しには、「大村事業部」と書かれてありまして、こう言った所からも大村ボートレース場間の会員バスとして運行されていた事を伺わせておりました。この時には、乗車されていた方は年配が多かったようですが、無料で利用できる分、利用者は見た所諫早で下車していた方を含め、6割ほどの乗車はあっていたようでした。
 
 尚、撮影しました平成25年の時点では、僚車の3884(三菱P-MS725S)が廃車となった姿が見られておりましたが、3882は引き続き健在の姿が見られておりました。しかし、その後廃車となりまして、この58MCC-I架装車の前期タイプは全廃となりました。
 
 (3884)
イメージ 2

 

 

 そして、角目1灯の後期タイプをご紹介してまいります。
 
 (4E11・三菱U-MS726S)
 
 このタイプは、平成4年に導入されました3台(4E11~13)にのみ存在していたタイプでありまして、当初はこの年オープンしました佐世保市のハウステンボスへのアクセス輸送として、長崎~ハウステンボス線に導入されておりました。
 
 しかし、利用者低迷もありまして、長崎~ハウステンボス線が廃止(現在は再び運休中です)されますと、同じ佐世保市間の路線でもあります長崎~佐世保線などでも使用されておりましたが、それからは長崎~諫早間など長崎近郊の一般路線や、大村ボートレース場やスクールバスといった特定貸切でも使用されておりました。

 

 所でこの画像は、平成25年に長崎駅~旭大橋~立神間の路線に使用されていた頃の姿を収めたものであります。この区間の路線と言いますと、立神バス停の最寄りバス停でもあります三菱重工長崎造船所がある訳ですが、いわゆる「三菱専用」の路線バスの中にこの車も入りながら運行されておりました。
 
 その後、このタイプも20年以上経過しながらも元気な姿が見られておりましたが、平成30年に最後に残されました上の画像の4E11が廃車となりまして、この結果58MCC-I架装車は全廃となりまして、このタイプも26年と長きの活躍の末姿を消しております。

 

 

 今回は、長崎県営バスにかつて存在しておりました西工58MCC-I架装車に関しましてご紹介しましたが、これら車も20年以上もの長きにわたりまして活躍する姿が見られていた訳でもありますし、特定貸切やスクールバスと言った運用も存在していた事がここまで長く持つ事ができた要因でもあったようにも思います。その間には、後輩の92MC架装車が廃車売却もありまして先に姿を消すと言った流れもありましたが、その分長く活躍するだけでも良かったのではないでしょうか。現在は、ご紹介しておりますようにこれら車の姿はありませんが、かつて存在していた事を存じていただければとも思います。