NO.2938 祝・運行開始から50周年!西鉄バス「ひのくに号」専用車西工S型以降のラインナップ | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 掲載日であります11月17日に50周年を迎えました、福岡・福岡空港~熊本間を西鉄バス・九州産交バスの2社で運行されております高速路線バス「ひのくに号」は、多くの本数を運行する高速路線バスである事はご覧の皆様もご存知の事と思います。
 
 この「ひのくに号」も、最も運行本数が多いスーパーノンストップ便や、福岡~高速基山・植木インター・松の本を経由する便、そして高速道路内のバス停に停車します福岡空港発着の各停便もあるなど、多い本数の中でも複数の系統が存在しているのがこの「ひのくに号」の特徴でもあります。
 
 また、平成29年には天神・博多バスターミナル発着系統のほとんどがこれまでの博多バスターミナル発着から天神高速バスターミナル発着に改まっておりまして、博多バスターミナルからの所要時間が短くなった反面、天神高速バスターミナル発着の所要時間が長くなっておりまして、それぞれの所要時間に変化が見られております。
 
 そして、熊本側の発着地もこれまでの熊本交通センターから以下画像の熊本桜町バスターミナルに変更されておりまして、行先表示にもその下の画像にもありますように「桜町バスターミナル」の行先も入るようになっております。それほどこれまでの熊本交通センターが重要なバスターミナルであったように、この桜町バスターミナルも重要なバスターミナルである事が伺わせております。
 
 (「ひのくに号(スーパーノンストップ便)」の桜町バスターミナル行先)
 
 
 そんな「ひのくに号」ではありますが、かつてピーク時は100往復以上の本数を誇っておりましたが、現在は全体で平日78往復・土日祝日87往復まで減便されておりまして、特に福岡空港各停系統が12往復まで減便されておりまして、航空需要の影響がかなり出るに至っております。
 
 また、西鉄・九州産交両社とも車両の変化も近年見られておりまして、後述の画像にもあります「青十字塗装」と呼ばれました「ひのくに号」専用塗装はこの「ひのくに号」からは両社とも姿を消しておりまして、九州産交バスは全車、西鉄バスはほとんどの車で純正車両が運行されております。
 
 
 さて今回は、このうちの西鉄バスの車に関しましての「ひのくに号」使用車両に関しまして、私が撮影していた車から皆様にご紹介してまいります。尚、最も古い画像で平成18年撮影であります。したがって、それ以前に導入されました車に関しましてはご紹介できない事をご容赦ください。
 
 
 現在、主に使用されておりますのが、ご紹介しておりますように上の画像1・2及び以下画像のいわゆる純正車両でありまして、「ひのくに号」として使用されております車はいずれも福岡高速営業所に所属しております。使用車両には、日野セレガ・いすゞガーラのいわゆる「セレガーラ」、そして三菱エアロエースが主に使用されておりまして、その割合も全体の半分以上に及んでおります。
 
 (画像1、三菱エアロエース、3347・2TG-MS06GP 画像2、いすゞガーラ1082・QTG-RU1ASCJ)
 
 (日野セレガ、8047・QTG-RU1ASCA)
 
 (いすゞガーラ、2768・QRG-RU1ASCJ)
 
 
 (同、2974・QRG-RU1ASCJ)
 
 この「セレガーラ」のうち、上の画像の2974に関しましては、一旦「ひのくに号」から、新設路線でありました久留米~山鹿温泉・平山温泉線「山鹿探訪エクスプレス」に転用するため西鉄バス久留米御井町支社に転属していました。しかし、この路線は長く続かずその後廃止されたため福岡高速営業所に戻りまして、「ひのくに号」運用に復帰しております。
 
 
  以下画像は三菱エアロエースであります。この三菱エアロエースでは、新規制の2TG-規制車(2TG-MS06GP)におきまして、これまでのスタイルに加えまして令和元年登場の新モデルの車も見られております。
 
 (3151・QTG-MS96VP)
 
 実際に、画像1・以下画像の車が2TG-規制車でありますが、「火の鳥塗装」がこれまでのモデル、その下の画像の「ハーモニー塗装」が新モデルの2TG-規制車でもあります。
 
 (平成30年導入、3283)~現在は博多営業所に転属、「させぼ号」専用車(後述)
 
 (令和元年導入、3344)
 
 (3346)
 
 (最後の画像、3345)
 
 尚、先述の「火の鳥塗装」の2TG-規制エアロエースは全車博多営業所に転属しておりまして、「させぼ号」に転用となった事もありまして「ひのくに号」の任から離れております。それに伴いまして、上の画像にあります「させぼ号」に就いておりました「セレガーラ」が「ひのくに号」の運用に就くに至っております。
 
 
 また、これら純正車も一部が転用された車も出ております。平成23年に導入されました三菱エアロエース2台(LKG-MS96VP)は、別府~福岡線「とよのくに号」に転用のために亀の井バス委託運用となりまして、大分ナンバーを取得しておりましたが、そのまま亀の井バスに譲渡されております。
 
 (大分200か・726)~西鉄バス亀の井バス委託運用(4504)時代
 
 (同)~亀の井バス移籍→「とよのくに塗装」復刻
 
 その一方、平成24年に導入されました日野セレガ3台(LKG-RU1ESBA)は、西鉄バス北九州小倉営業所に転属しまして、北九州~大分線「ゆのくに号」に転用されておりましたが、休止→廃止に伴いまして3台とも福岡高速営業所に再転属、「ひのくに号」に復帰するに至っております。
 

 (7610)~西鉄バス北九州小倉営業所時代

 

 (7611)~同

 

 (7612)~同
 
 (7610)~福岡高速営業所再転属後
 

 (7611)~同

 

 (7612)~同

 

 

 そして、それとともに運行されております(した)のが、西日本車体(西工)架装のE-IIIボディ車でありまして、平成18年より29台導入されておりまして、いずれも日産ディーゼルスペースアロー(PKG-RA274RBN)のシャーシをはいた上に、29台全車が「ひのくに号」に使用されてきておりました。
 
 (6024)
 
 (6025)
 
 (6026)
 
 (6101)
 
 しかし、近年では相次いで上の画像の「セレガーラ」や三菱エアロエースが導入された事もありまして、相次いで「ひのくに号」の運用からは撤退、中でも上の画像とは異なります以下画像のいわゆる日産シビリアンテールでありました前期タイプの車は1号車の9495以外が全車日田バス・亀の井バスに移籍しておりましたが、その後移籍先で全廃となっております。
 
 (画像は9712)~現在は日田バス475号→廃車
 
 また、こちらはE-III架装車1号車の9495であります。この車も、元々「ひのくに号」からの導入でありましたが、その後旧西鉄高速バスに移籍しまして「させぼ号」に転用されておりました。そして「させぼ号」の運行が再び西鉄バスに移管されましたため西鉄本体に所有して運行されておりましたが、令和元年にこの車は「ひのくに号」に再び転用されまして、原点となります福岡~熊本間で活躍を続けておりましたが、令和2年に廃車となっておりまして、現在「ひのくに号」に使用されておりますE-III架装車は、全車後期仕様のテールの車両のみとなっております。
 
 (平成22年撮影)
 
 そんな後期仕様のテールの車でも、動きを見せていた車もありましたが、平成21年式の以下画像5982は、上の画像の日野セレガ761*3台とともに西鉄バス北九州小倉営業所に転属しまして北九州~大分線「ゆのくに号」に転用されておりました。画像は福岡時代の「ひのくに号」でありますが、転用前はこのような姿が実際に見られておりました。
 

 西鉄バス北九州小倉営業所転属後です。実際日野セレガとともに画像のように運行する姿が見られておりました。しかし、「ゆのくに号」の休止→廃止に伴いまして西鉄バス久留米御井町支社に「ザ・レールキッチンチクゴ」のラッピングを施し移籍しておりました。

 

 そして、運行終了後に再び福岡高速営業所に転属、「ひのくに号」に再転用しております。それにしても、福岡→北九州→久留米とナンバーが変わっておりましたが、再び福岡ナンバーを再取得しまして運行されております。

 
 
 ここまで、現在も「ひのくに号」として使用されているタイプをご紹介しましたが、ここからは残念ながら現在は「ひのくに号」として使用されていないタイプをご紹介してまいります。
 
 
 まず画像は、韓国製のヒョンデ(ヒュンダイ)ユニバース(LDG-RD00)であります。このユニバースは、西鉄バスに2台導入されておりまして、当初はいずれも画像のように「ひのくに号」に導入されておりました。
 
 (6501)
 
 (6502)
 
 この車の特徴と言いますと、このユニバースには前面・側面に関しましては行先表示器が装備できない事もありまして、前面・側面はサボによる行先表示となっておりました。そのため、以下画像のような表示の仕方となっている事がお分かりいただけるのではないかとも思います。
 
 (前面行先)

 
 尚、リアに関しましては幕式となっておりまして、自動での巻取りとなっております。これは、非常時に対応しているためでもありますが、すべてサボ式であるよりは正直ましなのではないかとも思います。
 
 しかし、その後2台全てが福岡~大分線「とよのくに号」に転用されますが、時々「ひのくに号」にも引き続き使用されておりました。けれども、福岡~湯布院線「ゆふいん号」の増発に伴いまして旧西鉄高速バスに移籍しておりまして、引き続き「ゆふいん号」で活躍を続けておりましたが、減便に伴いまして休車が続いておりましたが現在は運用を離脱しております。そんなこの車自体はパワーがありますので、大分自動車道のように高低差がある区間では特に重宝されるような区間ではないかとも思っておりましたが、使い勝手面からはじかれるに至っているようであります。
 
 
 次は、西工02MC架装の日産ディーゼルスペースアロー(9494・PKG-RA274RBN)であります。「ひのくに号」には、4列シートでありますこの車がかつて使用されておりまして、実際に行先を見ましてもお分かりいただけるのではないかとも思います。
 
 この車は、平成18年に導入された車でありまして、当初は福岡~鹿児島線「桜島号」に一度設定されておりました4列便に使用されておりました。
 
 しかし、「桜島号」4列便が設定されなくなった事からその「桜島号」からの運用からは外れますが、その後運用を開始しました福岡~宮崎線「フェニックス号」の廉価便でありました「学割(→皆割)フェニックス号」として使用されておりました。しかし、平成23年にその「皆割フェニックス号」も廃止された事から、「桜島号」・「フェニックス号」の高速続行用として使用されるとともにオフシーズンには「ひのくに号」にも使用されておりました。
 
 この車には、「ひのくに号」にも使用される場合にはICカード「nimoca」の読み取り機も設けられておりましたので、使用する事も可能でありました。尚、現在この車は旧西鉄高速バス福岡支社を経まして福岡高速営業所に所属しておりまして、福岡〜下関線「ふくふく天神号」や「ゆふいん号」でその姿を見る事ができておりましたが、現在は廃車となっております。
 
 
 そして、近年まで多く使用されておりましたのが西工S型ボディでありまして、E-IIIボディが導入される前はこのボディは主力のタイプでありました。しかし、「ひのくに号」に使用されていた車も経年・転用によりまして「ひのくに号」からは姿を消しております。
 
 「ひのくに号」で使用されておりました西工S型は、三菱ふそう・日野自動車・日産ディーゼルの3メーカーで見られておりました。このうちの日野自動車に関しましては後述のように貴重な車も使用されておりました。
 
 
 そのS型も、最も新しいタイプでした90MCから、58MC・53MCと「ひのくに号」の専用車が導入されていた訳でもありましたが、90MCまでは冒頭にもご紹介しました画像の「青十字塗装」として存在しておりまして、平成22年までその姿が見られておりまして、末期は画像の日野セレガシャーシの車が使用されておりました。
 
 (7031・U-RU2FTAB)
 
 (7139・KC-RU3FSCB)
 
 
 ここからは、三菱ふそうの車をご紹介しますが、画像の車はエアロバスシャーシの3328(KC-MS829P)であります。この車は新製導入が北九州高速営業所で「ぎんなん号」用として導入、「ぎんなん号」の西鉄バス撤退後に北九州~大分線(初代)の予備車として西鉄バス北九州小倉営業所に転属、そして福岡高速営業所に再転属しまして「ひのくに号」にも使用されておりました。
 
 この車は、転属当時西鉄便のほとんどが後部トイレ付きとなっていた中で中央階下トイレ付となっておりまして、転属当時実に上の画像の「青十字塗装」以来の中央階下トイレ付きの車復活となっておりました。その後、この車は日田バスに移籍しまして、410号として活躍しておりましたが、平成28年に廃車となっております。
 
 また、3328以前のエアロバスシャーシの中央階下トイレタイプのS型であります「ひのくに号」専用車では、以前も「青十字塗装」で存在しておりましたが(最新は平成3年式で存在していおりました)、それらも現在は廃車となっておりまして見る事ができません。ちなみに、平成8年式~10年式までも中央階下トイレタイプのS型の導入はあっておりましたが、これらは「とよのくに号」などで使用されていたのに加えまして、一部が「ひのくに号」にも使用されておりましたが、これらはいずれも廃車となっております。
 
 
 そして近年まで「ひのくに号」で多く見られておりましたのが、以下画像の後部トイレ付きタイプのエアロバスシャーシの車(KL-MS86MP)であります。
 
 (4015)~現在「とよのくに号」専用車
 
 (4016)
 
 この後部トイレ付きエアロバスシャーシタイプは、平成14年・16年・17年に計15台導入されておりまして、当初は「ひのくに号」にいずれも使用されておりました。しかし、これら車も新車導入などによりまして「とよのくに号」に転用された車あれば、一部が日田バスや亀の井バスに移籍した車もありまして、現在画像のように「ひのくに号」としては見る事はできなくなっておりました。
 
 しかし、令和元年に「ASOエクスプレス(現廃止)に転用された三菱エアロエースの車両補填としまして、以下画像の3713・3909が再び「ひのくに号」に転用されておりました。これらは、一度運用を離脱した後の定期運用復帰でもありまして、特に注目を浴びる車でもありましたが、3713に関しましてはコンセントが設置されておらず、そんな中でも「ひのくに号」として運行されておりました。
 
 (3713)
 
 (3909)
 
 
 この他にも、西工S型架装の「ひのくに号」専用車には、日産ディーゼル、そして「青十字塗装」以来の日野自動車製の車も見られておりました。これは、当時発生しました三菱ふそうのリコール問題もありまして買い控えを行ったためでもありまして、日野車に関しましては日野セレガRシャーシでもありましたので、全体的にも珍しい車が導入された事さえもありました。
 
 
 画像は、日産ディーゼル車(9358・KL-RA552RBN)でありますが、平成14年・15年に計7台が導入されておりました。この姿を見ましても、上の画像の三菱ふそう車と同じようなスタイルではありますが、ルーパーやリア部など、細かな違いでメーカーの識別を取る事ができております。尚、これら車は現在は全車運用を離脱、廃車となっている車も存在しております。
 
 
 一方、こちらの画像は日野車でありまして、先述のように日野セレガR(7902・KL-RU4FSEA)でありまして、計3台が導入されておりました。画像は、熊本交通センターでの姿でありましたが、「ひのくに」と書かれている紙サボが「ひのくに号」に使われていた事がわかるのではないかとも思います。
 
 これら車は、平成14年に導入されていたものでありましたが、その後「させぼ号」・「とよのくに号」に転用の上、平成26年にいずれも日田バスへ移籍しておりました。西鉄バス時代の「ひのくに号」としての画像が、残念ながら上の画像しかありませんので、日田バス移籍後の画像(423号(旧7903))をご紹介しますが、やはり見分けはルーパーやリア画像で見分けをつけるようになっている事がお分かりいただけるのではないかと思います。
 
 以来、3台とも日田バスの路線で活躍を続けておりましたが、平成30年に定期運用を離脱しまして、のちに廃車となっております。この車は西鉄最後の西工S型架装車の特異車でもあっただけに、正直早期の廃車は痛い所ではなかったかと思ってならない所でもあります。
 
 
 今回は、運行開始から50周年になります「ひのくに号」の西工S型架装車以降のラインナップをご紹介しましたが、様々な車がこの「ひのくに号」に使用されている(た)事がお分かりいただけるのではないかと思います。やはりこれまでの「ひのくに号」の定番でありました西工S型・E-III型各架装車以外にも西工架装車だけ考えましても様々な車が使用されていた訳ですし、この中には貴重な車・珍しい車も中にはあった事もわかるのではないでしょうか。現在は、西工自体が解散している訳ですので冒頭にも述べましたように純正が主になった「ひのくに号」専用車でありますが、かつてはこう言った車もあった事をわかっていただければとも思います。