NO.2837 西戸崎~香椎~宇美の全区間行っています、香椎線「DENCHA」による自動運転の姿 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 平成31年3月16日のダイヤ改正で、これまで気動車で運行されておりました香椎線全線が新たな「電車」であります819系蓄電池電車で運行をはじめまして、今年で4年になりました。

 

 819系蓄電池電車と言いますと、平成29年より「若松線(折尾~若松間)」・「福北ゆたか線(折尾~直方・博多間)で運行されておりまして、筑豊線の「若松線」と呼ばれる区間では非電化で短距離・勾配も少ない区間である事から特に重宝される区間である事から、気動車の運行から置き換えるに至る事もできております。

 

 その「若松線」での導入から2年後に、こちらも勾配が少なく、短距離の非電化区間であります香椎線でも導入に至りましたが、こちらも香椎駅を境にしている事から、ほとんどの列車で香椎~西戸崎間・香椎~宇美間で運行されるにも至っております。そのため、折り返し時には後述のようにパンタグラフを上げまして充電を行う姿が見られております。

 

 

 この819系蓄電池電車と言いますと、通称「DENCHA」と呼ばれておりまして、白地に青の模様で表示されております。また、「CT」のロゴ表示も青で表示されておりまして、こちらも車体の模様に合わせている事がお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

 

 こちらが香椎駅で見られるシーンでありますが、香椎駅に到着しますと、数分ほど停車しますので、画像のようにパンタグラフを上げる事になります。

 

 (パンタグラフを上げます)

 

 パンタグラフが上がりますと、充電を行っておりますので、充電中は画像のように架線から電気を取り込んで充電を行っている事を記す表示がなされております。この香椎駅も香椎線の途中駅では唯一架線がある駅でもありますので、停車時に行う姿は非電化区間へ向かう事を思えば必需な事には間違いないのではないでしょうか。

 

 

 こちらの画像が、クハBEC819形にあります蓄電池の姿でありますが、青い部分が蓄電池スペースであります。この蓄電池があるからこそ、非電化区間の香椎線を走行できる訳ですから、この存在も大きいと言えるのかもしれません。ちなみに走行時の姿がその下の画像のモニターですが、その時にはこれら蓄電池が役に立つ事にもなります。

 

 (走行時のモニター)

 

 

 この819系蓄電池電車では300番台でありますこの車より見られるようになった所もあります。それが画像のカメラでありまして、乗り降りシーンを運転席の所にありますモニターで見る事ができております。これまでは、駅ホームの所にありますミラーが頼りとなっておりましたが、このカメラが設けられた事でミラーが頼りとなる時もなくなるのではないかと思います。

 

 

 さて、ここまで香椎線の「DENCHA」化からの現状をご紹介しましたが、実は全線におきまして自動運転化がなされております。今回ここからはその模様を収めておりましたので、皆様にご紹介してまいります。

 

 

 香椎線では、令和2年暮れより自動運転の実証実験を香椎~西戸崎間で実施しておりまして、その後本格運転へと進みまして、令和4年には自動運転区間を全線に拡大しております。

 

 この自動運転化は、少子高齢化や人口減少が進む中で鉄道ネットワークを長期的に維持していく事を目的としておりまして、既に導入されておりますATS-DK形をベースとしまして、当分の間は運転士が乗務した状態の営業列車で、自動列車運転装置を用いた自動運転を行っておりますが、将来的には運転士以外の係員が前頭に乗務する自動運転の実現を目指しているそうでもあります。尚、ATS区間・踏切有区間・JR線における自動運転は国内初導入でもあります。

 

 

 実際に、装備されている事を表します表記には「DK」・「SK」・「O」の表記が見られますが、「DK」は現在のJR九州の新たなATSでありますATS-DK形、「SK」はこれまでのJR九州のATSでありますATS-SK形、「O」は自動列車運転装置を表しますATOを表しておりまして、JR九州では福岡市交通局(福岡市地下鉄)空港線に乗り入れるために装備されております、唐津車両センター所属の303系・305系各電車に次いでのATO導入でもあります(尚、福岡市地下鉄ではATCが導入されています)

 

 また、自動列車運転装置導入に伴いまして、車番も+5000が付番されております。現在この5300番台化が11編成中8編成で導入されておりまして、ほとんどの車両で対応している事が伺わせております。

 

 

 819系蓄電池電車の自動列車運転装置が導入された運転席です。よく見ますと中央部にあります白い2つのボタンが見られておりますが、後述のように、運転士は白い2つのボタンを押しましてスタートさせまして、ここから次の停車駅へ自動運転を行うようにもなります。その際には、もちろん左側にありますマスコンは一切使用しない形で運行される事にもなります。

 

 (アップ)

 

 

 さて、ここからは実際に使用されている姿をご紹介してまいります。乗車列車は西戸崎行きの列車でありまして、自動列車運転装置を装備しますZG5308編成でここから隣の和白駅まで乗車します。

 

 

 画像が運転士がボタンを押す姿であります。このボタンを押しますとスタートするようになりまして、先述のようにここからは次の駅までマスコンを使わずに運行される事にもなります。

 

 

 こうして、5分で隣駅の和白駅に着きましたが、停車の際にも自動で止まる事ができておりましたし、普段運転士が使いますマスコンを使う事がありませんでしたので、「ガチャガチャ」と言った音もする事もなく、静かな姿が見られました。ちなみに、この福岡市内では既に40年近く前からATC(自動列車制御装置)が保安装置となっております福岡市地下鉄で自動運転が採用されておりますので、そう言った事から福岡市では古くから自動運転が行われている経緯があります。

 

 (西戸崎駅へ向けて発ちます)

 

 

 さて、この後香椎駅へ戻りますが、これから乗車します編成はRG108編成と言う事で、本来は直方車両センターで「若松線」を中心とした運用に就いている電車でありますが、この時は香椎線に入りまして運行されておりました。尚、この編成は元々はZG008編成でもありましたが、カメラ取付改造を行ったため現番号に変わっております。

 

 この編成では、自動列車運転装置は装備されておりませんでした。その証としまして運転席上部の白いボタンがない事がお分かりいただけます。また、こちらはそう言った事からマスコンを使用して運行されておりましたので、「ガチャガチャ」と言った音も時より聞こえておりました。

 

 

 場所は変わりまして、画像は香椎線南端の駅であります、宇美町の宇美駅であります。

 

 この駅は、以前は有人駅でもありましたが、現在は無人化されております。それでも自動券売機や自動改札機なども装備されておりまして、有人駅か!?と思わせる姿が見られております。

 

 (自動券売機)

 

 

 今回この駅へは、途中駅から乗車しましてやってまいりましたが、やはりマスコンの音もなく静かにホームの停車位置に止まる姿が見られておりまして、自動運転である事を伺わせておりました。この後宇美駅を出まして、折り返しのシーンを宇美駅手前の踏切から収める事にしましたが、この時乗車→折り返し香椎行きの編成はZG5306編成でありました。

 

 

 宇美駅手前の石見堂踏切より駅構内を収めたものです。以前は側線も存在していた駅でもあったようですが、現在はその側線もなく、線路1本に1線のホームが存在するだけの駅構内となっている事がわかります。

 

 

 こうして、折り返しの香椎行きが石見堂踏切を通過して行きます。駅を発つ際も最初じわっと進みまして、それから加速しておりましたが、これが自動運転で運行されているというのも正直信じられないような印象であったのには驚かされる部分でもありましょうか。やはり、ATSでは国内初導入である事がよりそう思わせる部分ではありましたが・・・。

 

 

 今回は、全区間が自動運転を行うようになりました香椎線の姿に関しまして、実際に乗車しまして体感した姿も含めましてご紹介しましたが、先述のようにこれまでもこの福岡では福岡市地下鉄で自動運転はみられてはいたものの、これはATC区間であったためでありましたが、今回はATS区間ではありますので、そういった違いが見られている事には進化した事をも伺わせているようにも思います。今回このように香椎線におきまして自動運転の姿が見られておりますが、さらに他の運行区間へ拡大も今後の事を思いますと考えられますので、今後どうなって行くのか気になる域である事には間違いないでしょうか。

 

 ※全体公開がタイマー設定ミスで2時間遅れました、申し訳ございません。