番外 廃止されまして駅ビルはなくなっても、レンガの高架橋は残ります、西鉄旧北九州線旧折尾電停跡地 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 西日本鉄道(西鉄)北九州線の(黒崎駅前)~熊西~折尾間は、平成12年に廃止されておりまして、その名残はグループ会社でもあります筑豊電気鉄道(筑豊電鉄)の路線となりまして、黒崎駅前~熊西間の区間がかつての西鉄北九州線として残るのみとなっております。

 この間には、画像の黒崎駅前駅(筑豊電鉄は鉄道線として扱われておりますので、「駅」として記させていただきます)からもわずか200メートルしか離れておりません画像2の西黒崎駅も存在しておりまして、西黒崎駅~熊西駅間もわずか400メートルしか離れておりませんので、600メートルがかつての西鉄北九州線の名残が残る区間であると言ってもいいかと思います。
 
 尚、画像の西黒崎駅は現在は黒崎バイパス整備のため駅機能は休止されておりまして(画像は休止前撮影)、再開は令和7年頃の予定であります。本当に駅として存在しながらも旅客扱いができない事に関しましては残念ではありますが、今後の再開を期待したい所ではあります。
 
 
 一方、現在は廃止されております西鉄北九州線の熊西~折尾間には、かつて皇后崎(こうがさき)・陣の原・折尾東口の各電停(西鉄北九州線は路面電車として運行されておりましたので「電停」と記させていただきます)も当然ながら廃止されておりまして、現在に至っております。
 
 (奥、熊西駅)
 
 
 そして、旧折尾電停に関しましても、その名残は見られますが、建物自体は見られなくなっております。今回は、西鉄北九州線の発着地でありました、以下画像のJR折尾駅(東口)前に存在しておりました旧折尾電停の廃止後しばらく残されておりました駅ビルの姿、そして現在の姿に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 (JR折尾駅東口)
 
 
 この旧折尾電停は、大正3年の全線開通時に開業しまして、駅も高い所に存在しておりました。したがって、その後駅ビルも建て替えられながらそのビルの2階に駅が存在するようになるなど、まさに高い所にある印象を得るような感じにも見えるようになっておりました。

 その駅ビルは、昭和60年に設けられておりました駅ビルでもありましたが、当時駅以外にも英会話教室や書店などがこの駅ビルの中に入っておりまして、大変賑わいも見られておりましたが、廃止以降はビルの利用者も減りまして、その後解体へと至っておりまして、現在は後述のように公衆トイレ・駅利用者等向けの駐車場となっております。
 
 以下画像は平成21年に訪問した際に収めておりましたこの旧駅の中であります。よく見ますと、正面はシャッターが閉じられまして、これだけではわかりにくいと思います。しかし、そのシャッターの裏側には、黒く塗りつぶされましたかつての案内板が残されておりまして、こう言う所が一番旧駅の跡を残すものであったと言ってもいいかとも思います。
 
 (塗りつぶされたかつての案内板)

 さらに、面影が残っているだろうと思いまして、駅の反対側にも行っておりました。すると、かつては路面電車が通っていた事を示しますレンガの高架橋(旧西鉄折尾高架橋)が残されておりました。まさにこれが北九州線の遺構と言ってもいいかと思います。
 

 また、その反対側には駅のホームのあった所が見えました。実際は先ほどの画像の橋からつながっていたのですが、残念ながら現在は廃止されておりますJR筑豊線と鹿児島線との短絡線にまたがる部分は撤去されておりました。それでも、ここからこうして路面電車が発着していたのが実感できております。現在はボードで隠されているためわかりませんが、見た所2本のホームが存在していたのは間違いないようであります。

 その存在していました築堤を上がりますと、現在は木に埋もれてわかりませんが、かつては黒崎方面まで伸びていた跡を見る事もできておりました。やはりこうして空き地として残されておりますと、かつての姿がわかりやすいと言ってもいいのではないでしょうか。
 
 
 一方、反対側の折尾駅側には、現在は駐輪場が存在しております。さらにその奥には、旧折尾電停までの路盤も見る事ができておりまして、レンガの橋の上には雑草が見られてもいました。残念ながら、駐輪場より先には立ち入る事ができませんでしたが、その下の画像にありますように、奥に見える旧折尾電停が見えていればまだよかったのになと思う所でもあります。
 
 (奥が旧折尾電停・駅ビル)
 
 
 そして、こちらは現在の駅ビル跡でありますが、先述のように現在は解体されておりまして、その跡は駐車場・公衆トイレとなっておりまして、面影を見る事ができなくなっております。

 (反対側の公衆トイレ、その奥が駐車場)
 
 
 また、レンガの高架橋(旧西鉄折尾高架橋)は現在も残されておりまして、廃止からは今年で23年、完成しましてからは今年で109年になりながらも健在の姿を見せております。ここには、その下の画像にもありますように、説明書きのパネルまで設けられておりまして、このレンガの高架橋自体がそれだけの歴史がある事が伺えるのではないかとも思います。
 
 (旧西鉄折尾高架橋の説明書き)
 

 さらに、再開発によりまして姿を消しました「折尾隧道」のモニュメントもトイレの裏手(駐車場との間の部分)において見る事ができておりまして、それほど味があるのではないかとも思う所ではあります。やはり、トンネル自体が姿を消している訳ですのでかつての証が伺える部分でもありましょうか。
 
 
 かつては、門司までつながっておりました西鉄北九州線も、冒頭にもありますように黒崎駅前~熊西間で筑豊電鉄の路線として残るのみとなっておりますが、かつての始終着地でありましたこの折尾電停に関しましても、廃止から23年経過しました今も貴重な遺構として現在も残されております。やはり、駅ビル自体がなくなってしまった事に関しましては残念な所ではありますが、それでもこういったものが残っているだけでも名残があっていいのではないでしょうか。ご覧の皆様も、かつて西鉄北九州線が存在していた事を存じている方もどのくらいいらっしゃるのかはわかりませんが、覚えておきたい方は覚えていただければと思います。