昨年12月番外でもご紹介しておりましたように、熊本地区では815系電車とともに主力車両として位置付けております821系電車は、415系電車の後継電車として平成30年に登場しました近郊型電車でありまして、現在10編成30両が導入されております。
この821系電車は、昨年9月改正より全車熊本車両センターに転属しておりまして、編成記号も「UM」から「UT」に変わりまして、冒頭ご紹介しましたように熊本地区では主力車両として位置付けた形で運行されておりますし、福岡都市圏でも「福北ゆたか線」を中心とした運用が見られております。
また、813系電車・817系電車(3000番台)に次ぐ3両固定編成の電車でもありますし、長崎地区で運行されておりますYC1系気動車とともに、「やさしくて力持ちの鉄道車両」として最新技術を駆使した近郊型タイプ車両として導入されたものであります。
実際に、消費電力量を415系電車よりも約70%も低減させておりますし、主変換装置や、SIVこと補助電源装置の冗長性(信頼性)によります安全・安定輸送の確保、台車個別制御ブレーキシステムの採用や、車両・地上設備の状態を把握する状態監視システムの搭載、そして空調装置やブレーキ装置等の機器の共通化によるコストの低減をも図っているそうでありまして、新たな省エネ車両としての姿も見られる電車でもあります。
また、装備はフロントや車内などではYC1系気動車と似たような姿も見られておりまして、以前は縁の部分も先頭時白、最後部時赤に点灯する姿も見られておりましたが、現在は後述のように見られなくなっております。
(点灯時)~クハ821形、熊本方先頭車
(同)~クモハ821形、門司港方先頭車
また、JR九州の近郊型電車らしく、「CT」のステッカーを見る事ができております。この「CT」ステッカーの色は、811系電車のリニューアル車や、819系蓄電池電車と同じ薄い青色となっている事も特徴でもあります(光の関係で濃くなっていますが、実際はこれらよりも少々薄いです)。
そんな821系電車でありますが、昨年9月23日改正時点で9運用存在するようになっておりますし、このうち6運用で熊本地区の運用が、そして3運用で「福北ゆたか線」を中心としました福岡都市圏の運用に入るようになっております。
熊本地区6運用の内訳も、鹿児島線では八代駅まで乗り入れるようになりましたし、豊肥線熊本~肥後大津間にも乗り入れるようになってもいまして、1運用で豊肥線の熊本~光の森・肥後大津間を中心とした運用あれば、残り5運用で鹿児島線の鳥栖~銀水~大牟田~荒尾~熊本~八代間を中心とした運用も見られておりまして、主力でありました817系電車が鹿児島車両センターに7編成も転属した事に伴いまして、821系電車に置き換わっております。
、ここまで821系電車に関しましてご紹介しておりますが、今回ここからは今回訪問時に新たに収めました熊本地区運用の姿、そして「福北ゆたか線」での姿も収めておりましたので、皆様にご紹介してまいります。
先述のように、熊本地区では6運用が見られております821系電車でありますが、画像は銀水駅より八代駅間で運行されております5345Mでありまして、この時はUT004編成で運行されておりまして、「3両ワンマン」の形でも運行されておりました。それにしても、「熊クマ」の表示が改めて熊本車両センター所属である事を実感させているようにも思います。
(「熊クマ」とクハ821-4表示)
八代行きの行先表示です。フロントに関しましては白色LEDでの表示となっておりまして、下段にはアルファベットの表示も見られておりますので、他の813系・817系各電車のようにアルファベット表示なしとは違っている事がわかります。
一方、側面表示です。表示の仕方は日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語での表示となっておりますが、特に韓国語での「八代」でしたらそのように表示されるのかと思わせる姿が伺えるのではないかと思います。
(日本語)
(英語)
(中国語)
(韓国語)
そして、5345Mは9分停車の末、八代駅へ向けて発って行きました。この時には中間車のサハ821-4も収めておりましたが、改めて見ましても、側面の窓が細長い事もわかりますが、車外からはそう感じさせましても、車内からはそう感じさせられない所がいいのではないかとも思う所ではあります。
(サハ821ー4)
(八代駅へ向かって行きます)
この後収めましたのが、豊肥線中心運用として運行されておりましたUT006編成によります列車でありまして、この時は1468Mとして熊本駅3番ホームに入線して来た所でもありました。
1468Mは、熊本駅3番ホームに入線しました。ちなみに3番ホームと言いますと、先述のUT004編成でも見られましたように、基本的に鹿児島線八代方面・豊肥線肥後大津方面のホームではありますが、このように折り返す列車の姿を見る事ができております。私自身も向かいの4番ホームよりこのように収めておりましたが、やはり1番・2番ホームよりもこのホームの方が収めやすくていいのではないかとも思います。
この後は、1469Mに変わりまして、肥後大津駅へと再び向かいます。ちなみにこの運用が1運用存在します豊肥線中心の運用でありまして、お昼の1463Mより5往復する運用であります。尚、他の5運用でも2運用で各1往復肥後大津駅へ運行する列車が存在しておりまして、実質3運用で肥後大津駅への乗り入れ列車が存在しております(他にその2運用中1運用ではさらに光の森駅への運用も1往復存在します)。
肥後大津駅への4か国語行先であります。このうち中国語・韓国語の場合は「水前寺・武蔵塚方面」の表示が出ない時に収めておりましたので、上段の表示はありません。それにしても、中国語・韓国語それぞれの表示の仕方がある事も伺えるのではないでしょうか・・・。
(日本語)
(英語)
(中国語)
(韓国語)
そして、1469Mは豊肥線を肥後大津駅へ向けて発って行きました。その際は、最後の画像にもありますように豊肥線に入って行く姿も収めてもいました。こうして見ましても、3両編成でもありますので、815系電車・817系電車としますと堂々としている事も伺えるのではないかと思います。
尚、今回の訪問では1497Mとして運行している姿も収めておりました。この1497Mは肥後大津運用5往復目にもあたる列車でありまして、肥後大津駅より1524Mで戻りまして、この日の運用を終える事にもなります。
こちらは、別の日「福北ゆたか線(筑豊線)」直方駅で収めておりました821系電車UT002編成であります。この時は638Hとして門司港駅へと向かう事になっておりましたが、この「福北ゆたか線」を中心とした福岡都市圏の運用も、先述のように3運用が存在しますが、この運用は3運用中の最終日の運用にもなりまして、この638Hのあとは鹿児島線の運用に入るようにもなります。
それにしても、415系電車で見られました「分オイ(大分車両センター)」や、「本ミフ(南福岡車両区)」の車両が見られなくなった一方、「福北ゆたか線」で「熊クマ」の定期列車が見られている訳でもありますので、福岡都市間でも活躍の場が引き続き見られている事がわかるのではないでしょうか。
638H門司港行きの行先です。日本語版と韓国語版をここではご紹介しますが、これまでも述べておりますように韓国語ではそのような表示の仕方をするのかと改めて実感させるような姿でもありましょうか。
(日本語)
(韓国語)
直方駅を発つ前に収めておりました車内です。まだ乗客もガランとしていた時でもありましたので、このように収める事ができましたが、この後進むにつれて座席も埋まる事にもなりますので、ロングシートでもある分、多くの乗客を裁く事にもなる事がわかる姿でもあります。
この時には、638Hに乗車しまして黒崎駅まで乗車しておりましたが(その模様は後日改めてご紹介します)、その際に折尾駅を発ちます637Hを収めておりました。この時はUT006編成でありましたが、この637Hを運行する運用は最も「福北ゆたか線」を運行する運用でありまして、直方駅へ向かいますと今度は博多駅へ2667Hで運行、ここから4往復篠栗駅への運用に就きまして、深夜直方駅へ戻る運用(2686H)となっております。
こうして、この時は638Hで黒崎駅まで乗車しました。先述のように詳しい模様に関しましては後日ご紹介しますが、この姿からも北九州地区でも見る事ができる電車である事がわかるのではないでしょうか。本当に、9月22日までは熊本地区を中心に暇を持て余す運用も見られておりましたこの821系電車が活躍の場を与えまして今や広範囲で見られる訳ですので、必要な存在になったんだなと言う事をも実感させるような姿でもあるように思います。
今回は、821系電車の活躍する姿を熊本地区・「福北ゆたか線」を中心とした福岡地区での姿をご紹介しましたが、先述のように暇を持て余した運用も見られていた電車の活躍する姿は、見ていていいのではないかとも思う所ではあります。その一方で、他の活躍していた電車たちを転属・離脱させましてこのような形で見られている訳でもありますので、ワンマン運行も可能でもある分合理化にも貢献できている事を伺わせる所ではあります。とにかくこれまでもご紹介しておりますように両地区合わせまして9運用も見られておりますが、各地で元気な姿を引き続き見せていただきたい所ではあります。