NO.2773 10月に開業しました、新しくなりました熊本電鉄御代志駅までの区間を求めて(前編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 熊本電気鉄道(熊本電鉄)の路線は、菊池線・藤崎線の2線として運行されておりまして、菊池線が上熊本~北熊本~御代志間が10.6キロで16駅、藤崎線が藤崎宮前~北熊本間2.3キロで2駅の路線で構成されておりまして、この区間を2両編成の電車で運行されている事はこれまでも当ブログでご紹介しておりました。

 

 しかし、実際の運行形態は藤崎宮前~北熊本~御代志間の系統、上熊本~北熊本間の系統に2分されておりまして、上熊本~北熊本間に関しましては前回まで2回にわたりましてご紹介しておりました元東急電鉄の「青ガエル」こと5000系電車(5101A5102A、各話題参照)が平成28年まで運行されておりましたが、現在は元東京メトロの01系電車もしくは上の画像の03系電車、また元静岡鉄道の1000形電車のいずれかで運行されております。

 

 このように系統が分離されている事で、熊本電鉄側も藤崎宮前~北熊本~御代志間の系統を「本線」、上熊本~北熊本間の系統「上熊本線」とそれぞれ称されておりますが、実際は先述の路線が正式名称ですので、ご覧の皆様も存じていただければと思います。

 

 

 そんなこの路線では、去る10月に以下画像の熊本県合志市にあります御代志駅から熊本高専前駅間が新線に乗り変わっておりまして、それに伴いまして、画像の旧駅までの区間が廃止されております。この旧駅から先は、以前はさらに「菊池線」の名称からもわかりますように菊池駅まで乗り入れておりまして、ホームも1面2線でありましたが、廃止後は片面ホームとなりまして、反対側のホームより自社の路線バス(「電鉄バス」)が運行されておりました。

 

 

 さて、そんな変化が見られておりました御代志駅までの区間を、このほど私は実際に電車に乗車しまして足を運んでおりました。今回と次回では、新旧の御代志駅の姿を中心に、乗車の模様も合わせまして皆様にご紹介してまいります。

 

 

 今回の訪問では、福岡から足を運んでおりましたが、途中の同じく合志市にあります西合志バス停までは高速路線バス「ひのくに号」を利用しておりまして、画像の西鉄バスの車(6102・日産デPKG-RA274RBN)で利用しておりました。しかも、今回利用しましたのは西日本車体(西工)E-III架装車ではありましたが、この活躍も正直いつまでなのかなと思ってならない所ではあります。

 

 所で熊本電鉄では、「高速バス電鉄電車セット券」として、「ひのくに号高速バス・電鉄電車乗り継ぎ乗車券」が販売されております。この乗車券を使いますと、通常往復で電鉄電車が780円(最高:上熊本駅~三ツ石駅)+「ひのくに号」往復5000円で計5780円ではありますが、それが4700円と1000円以上お得になっております。尚、この乗車券は熊本電鉄線内の主要駅・車内での販売となっておりまして、福岡側では販売されておりませんので注意が必要であります。

 

 ちなみに、画像は過去撮影画像でありますが、当時の「ひのくに号」は「2000円高速バス」の存在もありましたので格安ではありましたが、現在は値上げされておりますので、現在の価格は致し方ない所ではあります・・・。

 

 

 さて、西合志バス停で降りまして、三ツ石駅まではこれからご紹介します通りを歩いての移動となります。まず、画像の高速道路に沿った小道を通って行きます。

 

 さらに小道を通りまして、つきあたりから右折しますと、画像のように高速道路のガードを抜けて行きます。すると、その下の画像のように三ツ石駅へとたどり着く事ができます。

 

 (三ツ石駅駅舎・ホーム)

 

 それにしても、通りも国道との交わる部分以外はそんなに人通りは多くはなく、そう言った事もありまして、この通りの夜間についてはどうかはわかりかねますが、通りが暗いようならば明かりを増やした方がいいのではないかとも思ったほどではありました。

 

 

 この三ツ石駅の時刻表です。データイムは基本1時間に2本、ラッシュ時は1時間に4本での運行となっております。それにしても、毎時ほぼ同じ時間で運行されているのは、わかりやすくていいのではないかとも思う部分ではないでしょうか。

 

 

 しばらく待っておりますと、今回乗車します御代志行きの元東京都交通局の車両でもあります6000系電車がやってまいりました。この電車は、後述のように来年には50歳を迎える事にもなりますが、2両編成に縮小されていてもまだまだ現役である事が伺えております。

 

 

 この電車の車内です。電車自体はワンマン運行を行っておりますので、運転席の後ろには自動両替機・ICカード(「くまモンのICカード」)読み取り機付き運賃箱、そして運賃箱の上にはレシップ製の液晶運賃表示器が設けられておりまして、車両が古い中でも近代的な部分は見られております。

 

 こちらは車内全体です。画像はいずれも御代志駅に停車しました際に収めておりましたが、画像のようにロングシートの姿が見られているのもわかります。尚、途中駅では乗車時は1両目の後のドアから、降車時は1両目の前のドアから下車するようになっておりますので、この後乗客も1両目に集中する事にもなりました。

 

 (藤崎宮前方先頭車(6218A))

 

 (御代志方先頭車(6211A))

 

 (ロングシートと整理券発行機)

 

 この電車の車内にある銘板です。よく見ますと「日立 昭和47年と書いてあります。これでもわかりますように、この電車も来年で50歳になろうとしている事がわかりますが、まだまだ現役である事が伺えます。尚、日立製作所の銘板の下に京王重機の銘板がありますが、これは更新を行った時のもので、譲渡時には、他の4編成とともに西日本鉄道(西鉄)筑紫工場で譲渡工事を行っております(この編成は平成11年に譲渡工事施行)。

 

 6000系電車(6211A)の運転台です。この6000系はワンマン改造を譲渡時に行っておりますので、運転室横の貫通扉の部分にはワンマン機器も設置されております。尚、ATSも設置されていますので、これらの編成にはATS設置を意味する「A」が付与されているのも特徴であります。

 

 そして、行先指令器であります。よく見ますと行先は10コマ揃えておりますが、このうち使用するのが、北熊本・御代志・藤崎宮前ですので、それ以外の姿が見られるのはいいのではないかとも思うほどではあります。また、車両の設計上乗り入れはありませんが、上熊本の行先も用意してあるのもわかるのではないでしょうか。

 

 

 さて、三ツ石駅を出まして数分で熊本高専前駅にやってまいります。詳しくは次回後編にご紹介しますが、ここまでの沿線の電柱も木製の電柱が見られておりまして、区間的にも時代を感じさせられる部分が見られております。

 

 

 そんな熊本高専前駅より新線に入りまして、それから御代志駅までの700メートルまでの区間が今回ご紹介します新線区間となります。そんな新線区間には、途中の既存駅でもあります再春医療センター前駅も移設しておりまして、この駅までの間もわずか300メートルしかありません。

 

 (再春医療センター前運賃表示)

 

 

 そう言った事もありまして、わずか1分ほどで隣の駅でもあります再春医療センター前駅にやってまいります。この駅自体も、画像からもわかりますように1面1線のホーム配置となっておりまして、屋根付きの待合スペースがあるだけのシンプルな駅となっている事がお分かりいただけます。

 

 この再春医療センター前駅も、新線が開通した事で駅から再春医療センターへも近くなっております。やはり通院する方も多くいらっしゃるのではないかとは思いますので、そういった方々にとりましてはより重宝する所ではないかとは思います。

 

 

 その再春医療センター前駅からわずか400メートルで終点でもあります御代志駅に到着します。この間には再春医療センターへつながる踏切を渡りまして駅へと向かう事にはなりますが、もう奥には見えている事もありまして、そう遠くはない事が伺えるのではないかとは思います。

 

 電車はゆっくりとホームへと入ります。尚、この駅は画像のように駅自体は1面1線と言う形で取られておりますが、将来は1面2線のホームとなるようではありまして、以下画像のように将来の2番ホームとしてのスペース自体も取られている事がお分かりいただけるのではないかとは思います。

 

 (駅ホームへ)

 

 

 こうして、新しくなりました御代志駅にやってまいりました。本当に、古いつくりが見られております熊本電鉄の路線にありまして、こういった新しい駅が設けられた姿は、従来(既存駅)とは違った印象が見られていていいのではないかとも思う所ではありましょうか。

 

 (駅名標)

 

 

 御代志駅の正面です。正面には「熊本電気鉄道 御代志駅」とも書かれておりまして、上の画像にあります旧駅とは違った姿が見られている事がお分かりいただけます。尚、日中は駅員が配置されておりませんので、その下の画像にありますように整理券発行機・ICカード読み取り機も設けられておりますが、朝には定期券の発売等を前提として駅員が配置される姿も見る事ができておりまして、そういった窓口も設けられております。

 

 (整理券発行機とICカード読み取り機)

 

 

 駅の南側から収めました6000系電車(6218A)であります。ホームからもわかりますように、駅のホーム自体は2両編成分しかスペースがなく、そう言った事から以下画像では先端部が見られている事がお分かりいただけます。それにしても、新しくなった駅に50年になろうとする電車とは、車両自体もステンレス車体である事もありまして、意外とマッチしているようにも思う所ではありましょうか・・・。

 

 (別の位置より)

 

 

 こちらは御代志駅の駅前広場であります。この御代志駅は、合志市の御代志地区土地区画整理事業の一環として今回この御代志駅、及び再春医療センター前駅が移設しておりまして、この移設に際しまして、バス・タクシーの乗降場も整備されております。そう言った事もありまして、画像のような広いスペースが取られるに至っておりまして、旧駅としましてもゆったりしている事も伺えるのではないかとも思います。

 

 尚、旧駅と新駅間は200メートルほど離れておりますし、路線自体も再春医療センター前駅からは同じく200メートル短くなっております。したがって、旧駅自体も以下画像の緑の部分の裏手に存在しておりました。

 

 

 この駅前広場には「MIYOSHI」のモニュメントが見られております。この反転しました画像がその下の画像になりますが、画像のような姿が見られている事がお分かりいただけます。それほどこの駅及び広場自体が御代志地区の中心としての姿を歩んで行く事を表すような姿にも思う所でもあります。

 

 (画像は反転しています)

 

 

 今回は、前編として新しくなりました御代志駅の姿、そして乗車しました6000系電車や新線区間に関しましてもご紹介しましたが、先述のように電柱など古い姿さえも見られておりますこの路線にこういった新しい姿が見られている事は土地区画整理事業の一環とは言えいい姿ではないかとも思います。確かに場合によりましては道路沿いに面しておりました旧駅よりも遠くなったという印象は否めませんが、それでも新しくなるだけでも印象は違うのではないかとは思いますので。次回後編では、残念ながら営業を終了しました旧駅の姿や北熊本方面への乗車模様もご紹介しますので、次回もご覧になっていただきたいと思います。