NO.2746 いずれも姿を消している路線、長崎発着の路線、長崎~姫路・神戸線&「ロマン長崎号」 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 現在、長崎~関西(神戸・大阪・京都)間の夜行高速路線バスは、近鉄バスが運行します、上の画像の「オランダ号(2956・日野2RG-RU1ESDA)」ともう1路線がありまして、最盛期からしますと後述のように廃止路線も存在している事もありまして縮小傾向となっておりますが、路線自体は引き続き存続している姿が見られております。

 

 近鉄バスの「オランダ号」に関しましては、平成30年11月末で共同運行会社でありました長崎自動車(長崎バス)が撤退しておりまして、そう言った事もありまして近鉄バスが単独運行となっておりまして、関西圏の主要都市であります神戸・大阪・京都に停車しております。

 

 実際に、こちらの画像は長崎バスの路線バスが停車します長崎駅南口バス停でありますが、近鉄バスが単独運行となっている事もありまして、長崎バスの中に混じりまして、「近鉄バス夜行高速バス時刻表」と書かれた時刻表を見る事ができておりまして、近鉄バスが単独運行となっている事が伺わせております。

 

 (現在は逆(向かい側)の乗場に変わっております)

 

 (時刻表)~「近鉄バス夜行高速バス時刻表」と表示されています(現在は20時15分発です)

 

 尚、今年2月改正より、この「オランダ号」は始発地が長崎新地ターミナル(→10月から新地中華街)からココウォーク茂里町に変更されておりまして、それに伴いまして長崎地区の停車地が・・・

 

 ココウォーク茂里町~長崎駅前南口~大波止~新地中華街(←長崎新地ターミナル)~諫早インター~大村インター~

 

と変更されておりまして、これまでの川平有料道路経由から長崎出島道路経由に変更されております。

 

 

 一方、長崎から神戸へはもう1路線も存在しております。

 

 そのもう1路線とは、現在長崎から神戸を経由しまして、大阪方面へ運行されております、ユタカ交通運行の「ユタカライナー(大阪200か41-11、三菱QTG-MS96VP)」であります。この路線は、安価で利用する事ができる高速路線バスでもありまして、長崎発着便は神戸(三宮)を経由しまして大阪へと運行されております。この事業者に関しましては、佐世保市に九州営業所を持ちまして、営業所から長崎へ回送しましてこの運行が行われております。

 

 尚、ご紹介しました路線に関しましては、「新型コロナウイルス」の影響もありまして運休している路線・系統もあります。詳しくはHPをご覧いただきたいと思います。

 

 

 さて、今回ここからご紹介しますのは、その長崎~神戸・大阪方面へ運行されておりました夜行高速バス2路線に関しまして、過去の画像より皆様にご紹介してまいります。

 

 

 まずは長崎~姫路・神戸間でありますが、この区間では、長崎自動車(長崎バス)名「エトランゼ号」、神姫バス名「プリンセスロード」と呼ばれる高速バスが存在しておりました。

 

 (長崎バス「エトランゼ号」、4601・日野PKG-RU1ESAA)~現在は他社に売却

 

 (神姫バス「プリンセスロード」、4948・KL-MS86MP)~現在は廃車

 

 この長崎~姫路・神戸線は、平成22年まで運行されておりました高速バスでありまして、先述のように長崎バス・神姫バスとの共同で運行されておりまして、神戸市の神姫バス「三ノ宮バスターミナル」を始終着に、姫路市を経由しまして、長崎県内の大村インター・諫早インター・道の尾・長崎駅南口を経由しまして長崎新地バスターミナルまで運行されていた高速バスでありました。

 

 (神姫バス三ノ宮バスターミナル)~平成28年撮影

 

 しかし、運行末期は利用者低迷もありまして、先述のように残念ながら平成22年に運行休止となりまして、それ以降がこれからご紹介します高速バスが神戸経由となりましてその役割を継承する事になりましたし、神姫バスにとりましては、現在夜行高速路線バスは東京線のみが運行されるに至っております。

 

 また、その回でもご紹介しましたように、「エトランゼ号(長崎バス)」・「プリンセスロード(神姫バス)」に使用されていた車が上の画像の車であります。しかし、これら車はいずれも両社の車籍には入っておらず、いずれも廃車・廃車売却となっております。

 


 そして、その「エトランゼ号」・「プリンセスロード」を継承するようになりましたのが、これからご紹介します「ロマン長崎号」でありますが、この路線も平成25年5月末に廃止されておりまして、この高速路線バスの姿も見られなくなってしまっております。

 

 

 この「ロマン長崎号」は、平成元年に運行を開始しました路線でありまして、当初は神戸を経由せずに長崎~大阪間を上の画像の長崎県営バス、そして阪急バスとの共同で運行されておりました。阪急バス時代には、関西キー局の番組でも長崎市内の某所に行く交通手段として取り上げられまして、リポーター(探偵)さんが実際利用されていたと言う事があったほどでした。

 

 その後、平成15年に大阪地区の運行会社が阪急バスの子会社であります以下画像の阪急観光バスに変わりまして、平成23年には休止となりました長崎~姫路・神戸線の補完的な役割として神戸経由に変わりまして運行されておりました。この際には、長崎~姫路・神戸線は画像の神姫バス「三ノ宮バスターミナル」でありましたが、「ロマン長崎号」は以下画像の「三宮バスターミナル(ミント神戸)」と発着地が違っております。

 

 (「三宮バスターミナル」と阪急観光バス(画像はこちらも既に廃止となっています「ムーンライト号」))~平成28年撮影

 

 

 しかし、その頃から動きがあっておりました利用者の低迷の動きはこの神戸経由となりましても治まる事はできず、結局25年5月末の運行をもって、「ロマン長崎号」は24年の歴史に終止符を打つ事となったものであります。

 

 

 「ロマン長崎号」が運行しておりました、長崎~神戸・大阪間に追い討ちをかけましたのが航空便の存在でありました。この区間には、以下画像のように長崎~神戸間に「スカイマーク」が運航しておりますし、大阪までも関西空港まで画像のLCC(格安)の航空会社であります「Peach Aviation(ピーチ・アビエーション、以下「ピーチ」と記載します)」が運航しておりまして、これらがこの「ロマン長崎号」の廃止に至ったとも言われておりまして、格安航空会社の存在が廃止に追いやる事になってしまった事は残念と言ってもいいのではないでしょうか。

 

 (長崎空港にて、スカイマーク)~ボーイング737-800型機

 

 (ピーチ・アビエーション)~エアバスA320型機

 


 さて、ここからは過去に撮影しておりました両社運行の車両を掲載してまいります(特記以外は「ロマン長崎号」時です)。まずは長崎県営バスであります。

 

 (6E54・三菱KL-MS86MP)

 

 (1E54・三菱KC-MS822P)~「ブルーロマン号」時

 

 (E051・三菱BKG-MS96JP)

 

 これら車のうち、一番「ロマン長崎号」に稼動しておりました車が6E54でありました。この車が「ロマン長崎号」の第4世代の車でありまして、先々代には平成6年式西日本車体(西工)SD-Iタイプが使用されておりましたが(6E29・6E30)、先代の1E54が平成14年に廃止されました長崎~広島線から転用されてからはその1E54が主に使用されておりまして、それが平成16年の6E54導入時まで続いておりました。

 

 また、E051については平成22年に導入されました第5世代でありますが、残念ながらトランク容量の関係等で当初からはしばらく稼動しなかったほどでありましたが、運行末期時には6E54とE051との交互で使用されておりまして、特に閑散期にはそのE051が優先的に使用されていたようであります。

 

 現在は、1E54・6E54は廃車となりましたし、E051も3列シート路線で運行されておりましたが、現在は「新型コロナウイルス」の影響で運休・減便となった流れもありまして、あまり稼働していないようであります。この車が現在夜行高速路線バス時代の名残を残す唯一の車となっておりますが、再び活躍する姿が多く見られる事を願いたい所でもあります。

 

 

 次は阪急観光バスであります。

 

 (なにわ200か・383・三菱KC-MS822P)
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 (なにわ200か・384・三菱KL-MS86MP)

 

 (なにわ200か・501・日野PKG-RU1ESAA)~以下画像参照

 

 

 廃止まで「ロマン長崎号」に使用されておりました阪急観光バスの車が、主に上の画像の3台であります。特に、画像13・14の・383・384に関しましては西工92MCSD-2タイプの車でありまして、日野セレガの導入までは交互に使用されていた車でもありました。尚、これら西工SD-2架装車はその後廃車売却となりまして、・501に関しましては現在は上の画像6の・503とともに同じ九州路線でありました福岡線「ムーンライト号」で活躍しておりましたが、「ムーンライト号」廃止後は東京(渋谷・池袋)線で活躍していたようであります。

 

 

 一方、こちらは長崎県大村市の大村インターで撮影しておりました、長崎県営バス便の「ロマン長崎号」の姿です。6E54を撮影しておりました平成22年と、E051を撮影していた平成24年と比べましても、利用者も減少へ転じていたようでしたが、それでもこれら撮影時にはいずれも数名ほどの利用者はあっておりました。

 

 (6E54)~平成22年撮影

 

 (E051)~平成24年撮影

 

 

 そして、こちらは廃止1ヶ月前に長崎県営ターミナルで撮影しておりました、阪急観光バス便(・501)の姿であります。この時の使用車両は日野セレガハイデッカー、利用者に関しましては約10名ほどの下車はあっておりまして、この後1ヶ月後に廃止となると言う印象が全く見られておりませんでした。尚、その下の画像では、既にこちらも廃止されておりました大阪~鹿児島線「さつま号」の表示が消されていたのが印象的でもありました。

 

 

 今回は、長崎~神戸・大阪方面で姿を消しております、神姫バス・長崎バスの長崎~姫路・神戸線、そして「ロマン長崎号」をご紹介させていただきましたが、本当にこれら路線もこれまでも私も見て来ていた訳でもありましたので、廃止されてしまった事は残念でならなかったのではないかと思います。しかし、いろいろな事を思いますとこれが現実でもあった訳でしょうから、そう思うと仕方がない所でもあります。現在は、冒頭にご紹介しました路線が長崎から関西方面へ運行されておりますが、数少ない夜通しで利用できる交通機関ではありますので、利用する機会がある方は利用していただきたいと思います。