NO.2695 旧公営事業者を引き継いだ路線です、今回撮影画像より、産交バス荒尾地区路線バスの姿 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 九州産交グループ(九州産交バス・産交バス)は、熊本県南北に一般路線バスを運行されておりますが、今回ご紹介します熊本県最北端の市でもあります荒尾市でも産交バスの路線バスが運行されておりまして、「市民の足」として活躍する姿も見られております。

 

 この荒尾市内で運行されております路線は、元々は公営事業者でありました荒尾市交通局(荒尾市営バス)が昭和24年に設立されておりまして、当時存在しておりました三池炭鉱に関わる方々の炭鉱住宅への足や、荒尾市内に存在しております遊園地でもあります三井グリーンランド(現・グリーンランド)の荒尾駅からの足など当時は多くの方々が利用していたそうであります。

 

 しかし、後の三池炭鉱の閉山や、マイカー需要の普及などもありまして利用者は大きく減りまして、あらおシテイモールやバスセンターの新設の効果も大きくは得られず、荒尾市は平成15年に交通局の解散を発表、翌平成16年に一部路線が産交バスの前身であります旧熊北(ゆうほく)産交に譲渡されますが、平成17年に全路線が産交バスに譲渡されまして、これによりまして荒尾市交通局は解散へと至っております。

 

 解散後は、後述のように車両が産交バスに譲渡されてもいるなど動きも見られておりますが、譲渡車もほとんどが廃車となっておりまして、現在わずかとなっております。その代わり、産交バス自社発注車や移籍車も導入されておりまして、この17年の間に大きく変化が見られるに至っております。

 

 

 さて、当ブログでは令和3年にも産交バスの荒尾地区の話題をご紹介しましたが、今回は旧交通局がありました荒尾車庫などにも足を運んでおりましたので、それらの模様を含めまして皆様にご紹介してまいります。

 

 上の画像・以下画像が、この荒尾地区の拠点、産交バス荒尾営業所であります。ここは元は旧荒尾市営バスの本局であった場所でもありましたが、産交バス移譲後も産交バスの営業所として継続しております。尚、産交バス荒尾営業所と述べておりますが、実際は産交バス玉名営業所荒尾車庫となっておりまして、玉名営業所の管轄として現在に至っております。

 

 この荒尾車庫に関しましては後程詳しくご紹介しますが、ここには旧荒尾市営バス時代のバス停がありますし、旧荒尾市営バス時代に運行されておりました「アジアパーク」行きのりばの看板も残されておりまして、荒尾市営バス時代の面影を見る事が出来ております。それにしてもバス停の「産交バス」と書かれている部分、「市営バス」であった名残が見られている事がわかるような姿でもあります。

 

 (アジアパーク行きのりばの看板)

 

 尚、ここからあらおシテイモール・バスセンターまでの本数は平日でわずか3本であります(ちなみに土日祝日は2本のみです~画像下に見えている時刻のみです)。この先にはグリーンランドまでありまして、マイカーは多く通る所ではありますが、ほとんどのバスは荒尾産交手前の交差点で曲がっておりまして(荒尾産交入口バス停に停車します)、グリーンランドをかすめて住宅地を通っているのが現状でもあります。

 

 

 ここで、産交バス荒尾地区の路線図、及び系統表をご紹介します。系統表からもわかりますように、ほとんどはこの後ご紹介しますバスセンター発着で運行されておりまして、運行区間の中には「荒尾玉名線」として玉名までも運行されている事がお分かりいただけます。尚、旧荒尾市営バス時代には唯一の越境路線として島原半島多比良港へ運航されております「有明フェリー」の発着港であります長洲港までも運行されておりましたが、産交バスとなりました現在は玉名まで運行されるに至っております。

 

 (産交バスHPより引用

 

 (バス停に書いてある路線図)

 

 

 ここからは、産交バス荒尾地区で最も多くの路線バスが運行されております、「バスセンター」の今回撮影画像であります。

 

 この荒尾の「バスセンター」は、「グリーンランド」の南側に存在しておりまして、平成9年に荒尾市がかつての炭鉱住宅街の旧炭鉱住宅街でもありました緑ヶ丘地区の再開発事業の一環としまして「あらおシティモール」がオープンしましたが、オープン後に「あらおシティモール」に隣接する所で旧荒尾市営バスが市営バスセンターを新設しておりました。この「あらおシティモール」では、画像にもあります「ゆめタウン荒尾」・「ホームセンターダイキ」などが入っておりまして、それとともに専門店街も「あらおシティモール」に入居しております。

 

 【以下画像は令和3年撮影】

 (「ゆめタウン荒尾」)

 

 (「ホームセンターダイキ」)

 

 そして、「あらおシティモール」に隣接する場所に「バスセンター」が設けられておりまして、広いバス駐車場や待合室付きの乗場も設けられておりまして、まさに「バスセンター」にふさわしい姿も見る事ができております。尚、この「バスセンター」が設けられた際に、上のような路線系統に改められておりまして、「バスセンター」を中心とした路線網に変わるに至っております。

 

 (産交バス、「バスセンター」バス停)

 

 ここからは、「バスセンター」内部をご紹介します。ここには、画像のようにベンチも設けられておりますし、トイレもこの「バスセンター」内に設けられております。ただ、かつては有人の待合所でもあったようでもありまして、カウンターがある事から乗車券などの販売もここで行われていたようでもありましたが、現在は無人化されております。

 

 (画像右端が乗務員休憩所です)

 

 (画像右にカウンターの姿もあります)

 

 それでも、乗務員休憩所もこのバスセンター内に設けられておりまして、この訪問時は3台の駐車が見られてはいましたので、3名の乗務員の姿はあっていたようではあります。そういった所もありますと、この場所が中心の場所としての印象さえも感じさせられる所でもありましょうか。

 

 この「バスセンター」内にあります荒尾市公共交通マップです。ここに産交バス・西鉄バス大牟田のバス停も記載されておりますが、やはり利用者が少ないとは言いましても、少なからず頼りにされている方はいらっしゃる訳ではありますので、今後も以下画像・上の画像の路線図のような姿を残して、そして利用していただきたいものでもあります。

 

 それにしても、「バスセンター」の存在からも旧荒尾市営バスの「置き土産」と言う印象ではありますが、それにしては寂しい所でしょうか。私自身も前回と今回訪問してはいましたが、誰もいらっしゃらないというのは残念ではありましたが、それでも隣にショッピングモールがある事はここからの利用者もある事を思えばまだましな所かなとも思う所ではあります・・・。

 

 

 ここからは、今回撮影の路線車両であります。荒尾車庫所属車両も旧荒尾市営バスから産交バスに移譲されている車もありましたが、現時点で産交バスに残っておりますのは三菱エアロスターの2台のみとの事でありまして、車両の変化も産交バス移譲後大きく様変わりしております。

 

 

 ここからは、車種別にご紹介してまいります。まずご紹介します車は三菱エアロミディ(KK-MK23HJ)でありますが、これら車はいずれも神奈川中央交通(神奈中)からの移籍車となっておりまして、公式側でしたら1番窓の部分が神奈中時代を偲ぶ事ができております。これら車では、いずれも窓がスモークガラスと手を加えておりまして、見た目からも印象が変わっている事が伺わせております。

 

 (熊本200か10-86)

 

 (熊本200か10-98)

 

 (熊本200か11-29)

 

 

 次は日野レインボーHR(KK-HR1JKEE)であります。九州産交グループでは、九州産交バスにおきましてロングタイプが自社発注に加えまして移籍車も導入されておりますが、産交バスにもショートタイプが移籍導入されておりまして、箱根登山バス・東急バスからの移籍車が所属しております。尚、箱根登山バスからの移籍車にはハイバックシートも装備されておりまして、長時間利用にはふさわしい所も見られております。

 

 (熊本200か12-27)~元東急バス

 

 (熊本200か13-40)~元箱根登山バス

 

 

 そして、小型車両の中心であります、日野リエッセ(KK-RX4JFEA)も荒尾地区では見る事ができておりまして、今回訪問時には4台の姿を収めておりました。これら車のうち、熊本200か・346~355までの3台は旧荒尾市営バス廃止前年の平成16年に旧熊北産交荒尾営業所所属車として先行導入されていた車でもありまして、荒尾市営バス解散に伴い産交バス所有となりましたが、それでも18年にわたりまして所属先を変えずに運行されております。

 

 (熊本200か・346)

 

 (熊本200か・354)

 

 (熊本200か・355)

 

 (熊本200か・360)

 

 

 次は、日野リエッセIIであります。トヨタコースターに似たスタイルでもあります同車ですが、現在、このタイプの車も県内各地に多く導入されておりまして、日野レインボーなど中型・小型車両を置き換えておりまして、熊本200あ・540に関しましては荒尾の他人吉など10台導入されたうちの1台との事であります。それにしても、それだけ各地で多く見られるようになっている車種ですので、今後もさらに増える事になるのか気になる所でもあります。

 

 (熊本200あ・470、SKG-XZB70M)

 

 (熊本200あ・540、2PG-XZB70M)

 

 

 最後に、日野レインボーであります。熊本県内では、数年前からともに見始めておりますこのタイプの車でありますが、その下の画像にもありますように今年に入りまして登録されましてた車もありますので、それほど古参車両も置き換えが進んでいる事も伺えるのではないかとも思います。

 

 (熊本200か14-17、SKG-KR290J2)

 

 (左・熊本200か17-91 右・熊本200か17-48 ともに2KG-KR290J4)~今年登録

 

 

 今回は、産交バス荒尾地区の姿として今回訪問時の路線車などをご紹介しましたが、移譲されましてから17年になる今でもありますので、車両から考えますと旧荒尾市営バスとしての印象もあまり感じられなくなっている事が伺わせております。けれども、路線に関しましては旧荒尾市営バスの路線を継承している部分も見られておりますし、バスセンターと言う荒尾市営バスの置き土産となっております所など名残があるだけでもいいのではないかとも思う所でもありましょうか。とにかく、正直大変ではないかとは思われますが、引き続き地域の足としての姿を見せていただきたいものであります。

 

 (注)産交バス荒尾車庫画像は、敷地外より撮影を行っております。