NO.2641 下り線は今年で開通80年になります、「単線並列」ならではの関門トンネル区間利用記 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 これまでも当ブログでもご紹介しておりますように、山陽線になります、運行区間のほとんどに関門トンネル区間を置きます門司~下関間と言いますと、旅客列車は大分車両センター・南福岡車両区に所属します415系電車のいわゆる独り舞台となっておりまして、上の画像にもありますように鋼製車両の100番台、そしてステンレスの1500番台の車両が毎日朝から晩までこの区間を行き来する姿が見られております。

 

 この区間に運行されております車両は、令和3年3月改正によりまして、基本的にロングシート車による運行となっておりまして、セミクロスシート車の姿は見られなくなっております。しかもこのセミクロスシート車のほとんどはこの改正で運用を離脱しておりまして、後述のように門司駅構内の関門トンネルの両端に留置されておりまして、今後関門トンネルをくぐる事はなく、小倉総合車両センターへ送られる事になるようであります。

 

 以下画像が関門トンネルの門司側であります。この関門トンネルでは415系電車の他には貨物列車としてEH500形電気機関車などが通過するのみとなっておりますので、普段関門トンネルを通過する形式は少ないのが特徴ではあります。しかし、それだけ形式が限られているのも交直流の車両に限られているからであると言ってもいいのではないかとも思います。

 

 

 そんな関門トンネルと言いますと、これまでもご紹介しておりますように、この区間は「単線並列」と呼ばれる区間でもあります。この単線並列である特徴は、関門トンネルのメンテナンスを日中でも行う事ができるようにと言う事でこのような形になっております。やはり、下り線が今年で80年、上り線でも78年になりますのでわからなくはない所ではあります。

 

 (415系1500番台電車が今年で80年の下り線を抜け門司駅へ)

 

 そのため、門司駅の出発信号では上り・下りの信号を見る事ができておりまして、以下画像を見ますとわかるのではないかと思います。それほど上り列車であれども上り線はおろか下り線も使用している事がわかるのではないかと思います。

 

 (「出発反応標識」にも「関下り(下り線)」の表示があります)

 

 

 さて、今回ここからご紹介しますのは、私自身1年3ヶ月ぶりに本州下関入りをこの3月に果たしておりました。その際にはご紹介しております関門トンネルを通ります下関行き列車に乗車しまして、下り線の区間を通っておりました。また、下関総合車両所運用検修センター周辺でも変化が見られた所を収めておりましたので、併せて皆様にご紹介してまいります。

 

 

 今回乗車しました下関行きは、上の画像にもありますように、大分車両センターのFo124編成でありましたが、この列車は九州~下関系統の中でも最も多い小倉駅発でありまして、門司駅に着きますと、交流から直流に変わる関係で一旦車内が予備灯(非常灯)を除きまして消灯します。

 

 再び車内全体が点灯しましてしばらくしますと、下関行き列車が発車します。その際に場内信号も山陽下りで出発信号(青信号)が点灯した事から、「出発反応標識」も「関下り」の部分が点灯しておりまして、この後下り線を通る事にもなります。

 

 

 そして、下関行きが発車しまして、この門司駅構内にあります「交直流デットセクション」を通過する事から、再び車内が予備灯(非常灯)を除きまして消灯します。それにしても、予備灯までもが切れますとより真っ暗になる訳でもありますので、予備灯の存在は大きいのかなという事が実感できる時でもありましょうか。

 

 そのデットセクションを通過しますと、直流区間に変わりまして、再び車内全体が点灯します。こう言った動きはこの415系電車だからこそ見られる姿でもありますので、交直流電車ならではかなという事がわかる姿でもありましょうか。

 

 

 その後、下り線に転線しまして、関門トンネルへと入ってまいります。冒頭でもご紹介しましたし、上の画像・以下画像の姿でもわかりますように、関門トンネルの両側には415系電車が3編成疎開留置されておりまして、上の画像からもわかりますように門司駅構内でも留置されている姿が見られますし、(門司港~)小森江~門司間の車内でも見る事ができておりまして、運用を離脱している事がわかる姿が見られております。

 

 (疎開留置の415系電車の姿が見られます)

 

 (門司港(小森江)→門司間の車内より撮影、左側がFo107編成、右側前がFo125編成・後がFo109編成)

 

 この留置車両は、いずれもセミクロスシートであった車でもありまして、末期には日豊線を中心に活躍しておりまして、運用上小倉・門司~下関間の運用にも就いてもいました。これら編成に私自身も収めておりましたし乗車もしておりましたが、ロングシートに改造されました他の編成が健在である中、セミクロスシートが仇となりまして先に離脱しないといけないのは正直残念かなと思う所ではあります。

 

 (Fo107編成)

 

 (Fo109編成)

 

 (Fo125編成)

 

 尚、他にセミクロスシート車はFo112・Fo117・Fo118の各編成のみとなっております。この3編成は、3月改正も動きはありませんでしたが、運用上日豊線大分地区の運用で見られるのみとなっております。しかし、ロングシート車の代走で稀に小倉方面へ入る事もありまして、今後も見られる機会はあるようでもあります。

 

 

 さて、関門トンネル下り線をFo124編成は通って行きますが、海底トンネルでもありますので、下って行きまして、最深部から今度はその下の画像にもありますように上ってまいります。本当に、トンネルの中ではわかりにくいですが、海の下を通っていると思いますと海底トンネルなんだなという事を実感する所でもありましょうか。

 

 (わかりにくいですが上っています)

 

 

 関門トンネルを抜けますと、山口県下関市に入ってまいりました。先述のように、私自身1年3ヶ月ぶりに山口県入りを今回果たしましたが、正直それだけ来ていなかったとは思いもしなかった所ではありました。尚、画像のようにこの時も下り線を通っている事がお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 下り線を走っているという事で、上り線の信号機も望みながら通過します。上り線・下り線とは言われていても、複線とは言わずに単線並列と言われておりますので、こう言った違いがあるのも関門トンネル区間ならではでしょうか。

 

 

 さらに進みますと、奥に下関総合車両所運用検修センターが見えてまいりますが、この先にあるポイントで上り線に転線しまして、単線並列区間は終わりとなります。

 

 そして、上の画像の先より上り線に転線しまして下関総合車両所運用検修センターの姿がより近くなりました。これからさらに下関駅へと進んで行く事にもなります。

 

 

 進行方向左側には、運用検修センターの構内の姿が見られまして、留置線内にはキハ40系気動車や115系電車・105系電車の姿を見る事ができますし、機関車としてEF65形電気機関車・DE10形ディーゼル機関車の姿が見られておりまして、車両の姿も大きく様変わりしている事が伺う事ができております。

 

 所で、この運用検修センターの奥にあります林兼産業では、以下画像のように以前からマルハニチロのブランドを扱っている事もありまして、長らく「ハム・ソーセージ」の看板を掲げる姿が見られておりました。しかし、最近この看板から上の画像のように「Hayashikane」と変わっておりまして、その姿が見られなくなっております。私自身もこの情報を知った時は驚きましたが、それだけ様変わりしている事も実感する所でもないかとも思います(詳しくは次回ご紹介します)。

 

 それでも、留置されている車両の姿は国鉄型の車両が引き続き見られておりまして、看板は変わりましても車両の変化は変わらない事が伺える所ではないかと思います。この山口・広島地区も、最新鋭の227系電車が進出して来ておりますが、下関方面へは当分の間工場入出場での幡生駅までが見られる所でもありましょうか。

 

 

 こうして、門司駅から約8分の乗車を終えまして、下関駅へやってまいりました。このあと、この列車は方向幕からもわかりますように、再び小倉駅へと関門トンネルを通りまして戻る事にもなります。

 

 

 今回は、門司駅から関門トンネルを下り線を通りまして下関駅までの乗車の模様をご紹介しましたが、旅客列車ではこの415系電車1形式しか存在しない事もありまして独り舞台でもありますのでこの存在は大きいのではないかと思います。やはり、貨物列車も多く運行されている事もありまして、九州~本州間の大動脈である事もありますが、やはりトンネル自体も80年になりますので単線並列として運行されている事も仕方がない所でもありましょうか。ご覧の皆様も、この単線並列の存在を存じている方はいらっしゃるようですが、実際にそう言った事で運行されている事も存じていただければと思います。