NO.2553 令和3年8月には783系も水没する被害も見られていました、佐世保線北方駅構内観察 | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しています。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 去る8月14日、それ以前から降り続いていた大雨によりまして、上の画像の783系電車CM15編成「みどり」が、佐賀県武雄市の北方駅で水没する被害がありました事はご覧の皆様もご存知ではないかと思います。

 

 この大雨は、8月11日より、停滞しておりました前線から延びる活発な雨雲が佐賀県内にかかるようになりまして、8月14日は午前中より佐賀県内は大雨に見舞われておりました。しかもその大雨も、令和元年に発生しました「佐賀豪雨」に匹敵する雨量の大雨が降った事で、2年前に被害がありました所も再び被害に見舞われた所もあったなど、地元の方々にとりましてもまた同じ所で被害が起こる結果に至っておりました。

 

 その783系電車CM15編成も、「みどり」として佐世保駅へ向かっておりましたが、北方駅で運行を打ち切った事で、乗員・乗客は無事ではありましたが、783系電車CM15編成は床下まで水が来た事によりまして運行不能となりまして、8月22日までそのまま北方駅2番ホームに留置されるに至っておりました。

 

 そして、8月22日にこの編成は一旦武雄温泉駅を経由しまして、南福岡駅及び所属先の南福岡車両区へと戻りました。その際はDE10形ディーゼル機関車(1195号機)を先頭にしまして、画像の783系電車CM13編成と挟む形で南福岡車両区へと戻りましたし、去る9月12日にはCM2編成を挟む形で今度は小倉総合車両センターへと回送されておりますが、日豊線系統撤退によりまして廃車が発生している783系電車でもありますので、このCM15編成に関しましても今後修復もしくは廃車の2択の選択を余儀なくされる事になるのではないかと思われます。

 

 

 さて、今回ご紹介しますのは、その水没が発生しておりました北方駅に、8月の水没後に足を運んでおりました。今回は大雨対策も行っている部分も見られながらも被害が見られておりました駅構内の姿を収めておりましたので皆様にご紹介してまいります。

 

 

 現在、佐世保線の大町~高橋間は、「西九州新幹線」のリレー列車が運行される関係で複線化工事が進行されておりまして、その複線化が完了しますと「リレーかもめ」などと言った特急列車が運行される事になっております。そのため、この北方駅も令和4年の「西九州新幹線」開業以降は複線の駅として存在する事になっております。

 

 (高橋~北方間)~武雄北方インター付近

 

 (高橋~北方間)~北方町志久付近

 

 (高橋~北方間)~北方駅手前(一旦単線に戻ります)

 

 (北方~大町間)

 

 

 今回の大雨被害では、北方~高橋間で踏切の冠水、この北方駅を含めまして、高橋駅・大町駅の機器室の床上浸水が見られておりまして、北方駅に関しましては画像の所が浸水に見舞われていたようであります。やはり、この駅では車両も含めまして大きな被害が見られていた訳でもありますので、正直大変ではなかったかと思います。

 

 (北方駅機器室)

 

 ちなみに、こちらの機器室はおそらくは無事ではなかったかと思われますが、この機器室が設けられましてそんなに経過していなかった事から2年前の豪雨災害後にかさ上げる形で設けられたようであります。ご紹介しておりますように、「西九州新幹線」のリレー区間として大きな存在を見せる事にもなりますこの区間でもありますので、このようなかさ上げを行うなど対策は急務ではないかと思う所ではあります。

 

 

 さて、駅内へと入っていきます。北方駅自体は既に無人化されました駅でもありましたので、駅員の姿というのは見られなくなっております。したがって、画像の待合室が特にみられる部分ではありますが、訪問時にはその跡は見られなくなっていたものの、この待合室も今回の大雨では浸水をしていたのではないかと思われるようであります。

 

 

 待合室を抜けますとホームであります。このホームは2面2線のホーム配置となっておりまして、1番ホームが肥前山口・佐賀方面、2番ホームが武雄温泉・有田・佐世保方面の乗場となっておりまして、特徴としましていずれもPC枕木に交換されている事がわかります。現在は、駅自体も高速で通過不可能の線路配置となっておりますが、複線化後は高速で通過する事が可能になるようであります。

 

 

 1番ホームから2番ホームへこ線橋を使って移動します。先述のように、ホームではPC枕木の交換が進行しておりまして、白地の鮮やかな姿が見られております。尚、肥前山口・早岐方はご紹介しておりますように「Y字分岐」となっておりますが、そう言った事もありまして高速で通過する事ができないのも佐世保線特急の平均速度が遅い要因でもあります。

 

 (肥前山口方)

 

 (早岐方)

 

 尚、かつてこの北方駅は3番ホームも設けられている駅でもありまして、2面3線の駅でもありましたので、こ線橋から見ますと右側に線路が設けられていた跡も見られております。しかし、本数削減もありまして3番ホームが撤去されまして2面2線となっております。冒頭ご紹介しましたように、今回の大雨被害時も、783系電車CM15編成がCM13編成及びDE10形ディーゼル機関車によりまして入換がなされておりましたが、もしも3番ホームが設けられておりましたら機回しや入換も行いやすかったのではないかと思われます。

 

 それにしても、「西九州新幹線」開業後は待避線として復活もあるのか?と思わせる所ではありますが、このような姿を見ますと待避線としての復活もないようであります。その分、普通列車・特急列車とも本数もそう多くはならない事も伺える所ではあります。

 

 

 2番ホームへと降りてまいりました。この時は人の姿もなく寂しい姿も見られておりましたが、これが普段の姿でもあります。この姿を見ましても、3番ホームも存在しているのでは?とも思う姿ではありますが、実際は使用されていないのがより寂しい所でもありましょうか。

 

 ところで、2番ホーム待合室の所に線が見られておりましたが、恐らくこの線が8月の大雨時に水が来た部分ではないかと思われます。確かに、今回被害に遭いました783系電車CM15編成も線路から1.6メートル上まで水が来ていたとも言いますので、となりますとこの線まで水が来ていてもおかしくはなかったのではないでしょうか。

 

 

 さて、佐世保線は8月23日より全線で運行を再開しておりまして、通常の運行に戻っております。したがって、特急「みどり」・「ハウステンボス」、そして普通列車も通常の運行に戻っておりまして、画像の817系電車2両編成の普段の姿が見られておりました。

 

 この時は、817系電車で運行しております、早岐駅発肥前山口行き938M(佐世保車両センターVG31編成)が運行されておりまして、この駅から数名の乗客の乗車を確認しておりました。現在この佐世保線普通列車も、1時間に1本の割合で運行されておりますが、この早岐~肥前山口系統の他、長崎線に直通する系統も存在しますので、その場合乗り換えなしで利用できるのもいいのではないかと思います。

 

 こうして、938Mは肥前山口駅へ発っていきましたが、先述のように待避線も復活がない事もありまして、「西九州新幹線」開業後も現在に近い形で見られるようであります。ただ、大町~高橋間が複線化されますので、今後時間短縮へと進む事ができるようになるのか気になる所ではあります・・・。

 

 

 この後、4019M「みどり19号」が北方駅2番ホームへと入ってまいりまして、ここで約1分ほど運転停車を行います。と言いますのも、1番ホームに4024M(6024H)「みどり24号」・「ハウステンボス24号」が入ってくるためでありましたが、乗客もそう多くは見られていないようでありました。ちなみに、この日の運行列車は783系電車CM13編成でありまして、冒頭ご紹介しましたCM15編成の救援の際にこの駅から武雄温泉駅を経由しまして南福岡駅(南福岡車両区)まで回送されましたのは記憶に新しい所ではあります。

 

 「みどり19号」が北方駅2番ホームへと入ってまいりますと、今度は1番ホームに4024M(6024H)「みどり24号」・「ハウステンボス24号」が入ってまいりました。この後この列車も一旦停車しまして、出発信号機が青になりまして発車して行きましたが、こういった所が単線ならではな部分ではないかとも思う所ではないでしょうか。

 

 

 今回は、去る8月14日の大雨被害にも見舞われておりました北方駅での姿に関しましてご紹介しましたが、この大雨被害も令和元年に続いての被害でもありましたので、地元にお住いの方にとりましては正直大変ではなかったかと思います。実際私自身にも、この被害があった地域に同僚がおりますが、1年越しに被害に見舞われたそうですのでその気持ちがよくわかる所ではあります。けれども、このような地域にも「西九州新幹線」のリレー列車も来年には通る事があります。そのため、このような事がまた起きかねませんので、今後新鳥栖~武雄温泉間の結論を早くしていただきたいと切に願う所ではあります(もちろんフル規格を望みます)。