NO.2325 やはり廃止は残念!JR九州バス「桜島号(夜行便)」、最後となる平成30年乗車記録 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

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 当ブログでは、NO.2308におきまして、夜行便のみの運行でありました福岡~延岡・宮崎線、そして福岡~鹿児島線「桜島号」の夜行便が廃止される事を皆様にご紹介しました。
 
 これら夜行便は、福岡から南九州を結ぶ路線として運行されておりまして、かつ夜通しでの唯一の交通機関として運行されておりまして、週末や多客期には多くの利用者まで得られていたほどでもありました。
 
 しかし、最近は利用者も減少へと至っておりまして、かつ乗務員不足と言った大きな課題もありましたが、この運行廃止に関しましては「新型コロナウイルス」によりまして「緊急事態宣言」が発令されておりましたので、県外への不要不急の外出禁止が言われていた事から既に運休となっていた最中での廃止発表となっておりましたし、5月31日まで運休と当初は発表されておりました。しかし、その5月31日が路線廃止日となっておりまして、結局は運行再開される事もなくそのまま廃止へと至る事になりました。
 
 
 さて、この回では、平成28年に当時の旧西鉄高速バスが運行されておりました「桜島号」夜行便(画像1がその時の模様、4012・三菱KL-MS86MP)に乗車した模様に関しましてご紹介しておりましたが、今回は夜行便としましては最後となりました平成30年に乗車しました「桜島号」夜行便に乗車しました模様に関しまして、改めましてこれまでの軌跡とともにご紹介してまいります。
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 「桜島号」夜行便は、平成2年の運行当初より運行されていた高速路線バスでありまして、西鉄バス・鹿児島交通(旧称)・南国交通・林田産業交通(林田バス)の4社が日替わりで運行されておりまして、当時の福岡~鹿児島間の夜通しの交通機関は、JRでも急行「かいもん」、廃止後は「ドリームつばめ」も存在しておりまして、複数夜通しで利用する事ができていた頃でもありました。
 
 しかし、平成16年の九州新幹線(新八代~鹿児島中央間)開業後にはこの「桜島号」夜行便のみとなりまして、以来福岡~鹿児島間の重要な交通機関として存在しておりました。そのため、時期によりましては昼行便よりも予約が取れずに真っ先に満席にもなるなどそれだけ人気が高い事が伺わせておりました。
 
 
 その後、いわさきグループ・西鉄グループで動きがありまして、運行事業者にも変化が見られておりましたが、それでも以下の4社の運行には変わらず運行し続けておりまして、いずれの事業者とも夜行用の車両が使用されてもいました。
 
 (西鉄高速バス(当時)、3241・三菱KC-MS822P)~平成22年撮影

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 (西鉄高速バス(当時)、3270・三菱KC-MS822P)~平成22年撮影
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 (南国交通、鹿児島22か・969、日野KC-RU4FSCB)~平成22年撮影
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 (鹿児島交通観光バス、鹿児島22か・850、日野KC-RU4FSCB)~平成24年撮影
 
 (鹿児島交通観光バス、鹿児島200か・421、三菱KL-MS86MP)~平成27年撮影
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 (いわさきバスネットワーク(当時、現・鹿児島交通)、鹿児島200か・437、日産デKL-RA552RBN)~平成25年撮影
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 けれども、平成28年に鹿児島側の運行事業者3社が撤退しまして、その代わりにJR九州バスが参入してまいりまして、西鉄高速バス(→平成31年より西鉄バス)との2社運行に変わる事になりました。当初JR九州バスは、上の画像3にもありますように昼行便に使用されますハイデッカー車で運行されておりましたが、その後スーパーハイデッカー車が導入されるに至っておりました。
 
 (西鉄高速バス(当時)、4403・三菱BKG-MS96JP)
 
 
 さて、ここからご紹介しますのは、平成30年に「桜島号」夜行便に乗車しました時の模様であります。これまで私は数度夜行便を利用させていただいておりましたが、今回初めてJR九州バス便に乗車するに至っておりました。
 
 
 JR九州バスの「桜島号(夜行便)」は、参入後は上の画像にもありましたハイデッカー車で運行されておりましたが、平成27年にその後休止となりました季節運行の鹿児島~広島線「鹿児島ドリーム広島号」に導入されました、上の画像の三菱エアロクィーン(744-15555、QTG-MS96VP)が「鹿児島ドリーム広島号」に運行されていない時に「桜島号(夜行便)」にも入るようにもなっておりました。
 
 さらに、平成30年には、以下画像の新たなMS06形式のエアロクィーン(744-17560、2TG-MS06GP)が導入されておりまして、夜行用専用車は2台体制で運行されるに至っておりまして、うち1台は昼行にも運行されるに至っておりました。尚、この2台体制に関しましては、「鹿児島ドリーム広島号」の運行が再開されますと1台が「鹿児島ドリーム広島号」に回るようになっておりました。
 
 (スーパーひのくにさん画像提供) 
 
 
 さて、ここからは乗車の模様であります。画像は平成30年6月某日(平日)の天神高速バスターミナルであります。既に、時間は23時30分を回った頃でありましたが、その下の画像にもありますように乗車券窓口のカウンターはその23時30分をもちまして終了しておりまして、入口の所には終了した事を表す柵が見られていたのが分かります。
 
 
 「桜島号」夜行便は、西鉄天神高速バスターミナルからは6番ホームから発車します。尚、他の「桜島号」・宮崎(「フェニックス号」)・延岡(「ごかせ号」)方面のいわゆる南九州方面の昼行・夜行便、さらには本州・四国方面の夜行便もこのホームから発車しますが、画像からもわかりますように、この便がこの日最後の6番ホーム発の便と言う事にもなりました。
 
 
 発車5分前の23時35分、JR九州バス便の上の画像にありますQTG-規制の三菱エアロクィーンが入線してまいりました。現在、JR九州バスには鹿児島支店に2台、そして出雲・松江線「出雲ドリーム福岡号」用に博多支店に1台の計3台の三菱エアロクィーンを所有しておりますが、いつの間にか3台のスーパーハイデッカーを所有している訳ですので、それほど夜行路線にも力を入れている事が伺えている所ではないかとも思う所でしょうか。
 
 
 さて、私も乗車しました。今回は、後ろを気にする事がない最後部の10A席に座りましたが、この時天神高速バスターミナルからは4名ほどしか乗車せず、空席が多く見られておりました。そんなこの車の車内は以下の通りでありましたが、画像のように座席はご紹介しておりますようにコンセント付きの独立3列シートとなっております。尚、MS06形式のタイプとなりますと、プライベートカーテンを装備しているとの事でありまして、プライバシーが保てるようにもなっております。
 
 (コンセント)~ちょっと傷んでいるのは残念です(それでも通電はしていました)・・・
 
 
 車は、天神高速バスターミナルを23時40分定刻に発ちまして、23時50分過ぎに博多バスターミナルにやってきました。ここで画像に写っている方々など10名の乗車がありまして、この時点では14名となりました。ちなみに、乗車数日前の予約の時点では8席しか予約がなかったですので、直近でそれだけの予約があっていた事が伺えますが、夜通し唯一の交通機関ではありましても、この頃からも利用者が少なくなっていた事も伺わせていたようにも思います。
 
 
 23時55分(今回の当ブログ記事の更新時間でもあります)、定刻に博多バスターミナルを発ちまして、出口からは一度来た道を通りまして博多バスターミナルを発って行きます。それにしても、もうほとんどの路線バスが終わっておりますので、1階の一般路線バスのホームにはまばらな姿が見られておりました。
 
 
 車は、国道3号線を通りまして太宰府インターへと向かいます。昼行便では福岡都市高速を通りますが、夜行便は福岡都市高速は通っておりませんでした。これに発着地が違っている事を含めまして、昼行便と違った所でもありましたでしょうか。
 
 
 その後、九州自動車道に入りまして、高速筑紫野・高速基山と各バス停に停車します。ただ、乗車する方はいらっしゃらず、さらに南下して行きまして、深夜0時45分頃に久留米インターバス停に到着、ここで1名の乗車がありまして、平日であったと言う事もありましたが、これでこの日の乗車は全体の半分程度の15名で確定しておりました。
 
 
 そして、深夜0時46分に久留米インターバス停を発ちまして、発車後消灯します。私は、この乗車前には飲酒しておりましたので、久留米インターまでは眠くなりながらも無理して目を開けておりましたが、消灯しますと私も眠りについておりました・・・。
 
 
 気が付いたときには、えびのパーキングエリアでありまして、もう宮崎県に入っておりました。ここでは、運転士が仮眠を取ってらっしゃったようでありましたが、私自身座っている座席がエンジン上部にあたる事もありまして車内は暑かったです。ただ、それもそのはず、リア窓の上部にありますエアコン吹き出し口のカバーはふさがっておりまして、「そりゃ暑いはずだ!」と思ったほどでした(それからはまた眠りました・・・)。
 
 
 早朝5時頃に再び覚ました時には、溝部鹿児島空港インターに近い、溝部パーキングエリアにやってきておりました。ここで約10分ほどの最終の時間調整と言う事にもなりまして、しばらく停車しましてから南下する事になりました。
 
 
 溝部パーキングエリアを発ちますと、明るい空が見られておりまして、夜明けが近い事が伺えておりました。尚、この日の天気は雨と言われておりましたが、この時点ではそう言った姿は見られておりませんでした。
 
 
 こうして、5時15分頃に鹿児島空港南バス停に到着しました。この到着前には、音声による車内放送も流れておりまして、これで目を覚まされた方もいらっしゃっておりました。尚、ここからは数名の方が下車されておりました。
 
 
 鹿児島空港南バス停を発ちますと、車内も再び点灯しておりまして、これまで寝ていた方も起きられた方が見られておりました。ここで、座席にありますしおりがありましたのでご紹介しますが、車内設備の案内や非常時の対処法や避難経路など、細かくしおりには記載されておりました。
 
 (車内設備の案内など)
 
 (非常時の対処法など)
 
 
 車は、高速帖佐・高速伊敷と各バス停に停車しますが、降車客はいらっしゃらず、約15分早着の5時50分頃に鹿児島中央駅前に到着しました。尚、鹿児島中央駅前の降車場所は、これまでは南国交通バスターミナルでありましたが、平成28年6月の改正より鹿児島インターを経由するようになりましてからは道路沿いの東19番ホームにて降車するようになっておりました。
 
 ここで、前面・側面の行先表示をご紹介しますが、画像のようにシンプルな表示の仕方であります。それでも、「桜島号」と側面に書いてある所がわかりやすくていいのではないかと思います。
 
 
 こうして、車は終点の高速船ターミナルへ向けて、最後の画像にありますように発車して行きました。この時点では、数名の乗車していた方が見られておりまして、この後天文館・高速船ターミナルと停車していく事にもなりました。
 
 
 私は、この後画像の西田温泉でひと風呂浴びて、そして次の場所へ向けて発つ事になりました。この温泉は、鹿児島中央駅からも徒歩10分足らずで、朝5時半から開いておりますし、料金も格安ですので、熱いですが疲れを取るにはもってこいの場所ではないかとは思います。私自身も、夜行便利用の際にはこの温泉、またはやはり近くにありますみょうばんの湯にもお世話になっておりましたが、夜行便利用前後でのこう言った形の利用ができなくなったのが残念に思います・・・。
 
 
 ここまでが、平成30年乗車時の記録であります。この「桜島号(夜行便)」も、上の画像の平成22年利用時の南国交通便、平成25年利用時の旧いわさきバスネットワーク便、平成29年利用時の旧西鉄高速バス便では仕事の休日もありまして平日利用でもありましたが、予約も平日でも取りにくかった10年前からしますとだいぶ利用者も減りつつあったのかなとも思っております。それでも週末に関しましてはコンサートやイベントがあるごとに多くの利用者が得ていたそうでしたので、正直毎日ではできなくても週末運行でも良かったのではないかとも思ったほどではありました。
 
 
 それでも、今回の「新型コロナウイルス」最中での運行廃止の発表は、ご覧の皆様も同意見だとは思いますが正直残念に思われた方もいらっしゃるのではないかと思います。やはり、ラストランを見ずに終わる事になった訳ですので。正直、「新型コロナウイルス」がなければまだ良かったとも思いますし、もしもそれでも廃止発表がなされていたのならばラスト利用も考えられる所でもあっただけに、そう言った事ができなかったと言うのは正直悔やまれる所ではないかとも思います。とにかく、最盛期は多くの利用者が出ていたこの路線がひっそりと終わるのは残念ですが、ご覧の皆様もそう言った路線があった事を記憶にとがめていただければとも思います。
 
 (注)乗車記の部分は一部NO.2023の内容を再編集しております。