番外 部分開業までもう待ったなし!九州新幹線西九州ルート、新鳥栖~武雄温泉間は!?について考える | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 現在工事が行われております、九州新幹線西九州ルート(「長崎ルート」とも言いますが、今回はこの呼称です)の武雄温泉~長崎間でありますが、予定では2年後の令和4年度に開業する事が決まっておりまして工事が進行しております。

 

 この区間では、このほど明らかになりましたのが、新幹線電車に、東海道・山陽新幹線の次世代車両でもありますN700S系新幹線電車が導入される事が検討されておりまして、ついに導入車両が決まりつつある所まで来ているのが現状でもあります。

 

 このN700S系新幹線電車では、実際に試験も行われておりましたが、短編成でも運行しやすいような形になるとの事でもありまして、実際にこの区間では4両か6両のいずれかになるのではないかとも言われております。また、営業速度は300キロも可能ではありますが、この区間では260キロで走行するようになるようであります。

 

 今回は、地元の新聞記事におきまして明らかになっておりましたが、その記事を見まして、ついに使用車両の検討段階まで来た訳でもありますので、まさに部分開業が近くなってきているんだなと言う事を伺わせております。

 

 

 ただ、今回ご紹介します(博多~)新鳥栖~武雄温泉間に関しましては、令和4年に開業後は九州新幹線博多~新八代~鹿児島中央間でありましたように、「リレー方式」として開業する事が決まっております。しかも、当初2025年(令和7年)にフリーゲージトレインでの運行を行うとも言われておりましたが、そのフリーゲージトレインの開発が遅れてしまいまして、結局フリーゲージトレインでの運行は断念となりまして、2025年以降もしばらくは「リレー方式での継続が決まっております。

 

 しかも、後述のように現時点ではフル規格で行くのか、ミニ新幹線で行くのか、はたまた他の形で行くのかと言った段階でストップとなっておりまして、先の方に関しましても正直不透明となっております。今回当ブログでは、今後このうちフル規格かミニ新幹線かの2つに選択される事になると思われますこのルートに関しまして、どちらがメリットになるのか当記事内で考えてみようと思います。

 

  

 画像は、佐賀県鳥栖市の九州新幹線新鳥栖駅であります。この駅は、「さくら」・「つばめ」全列車が停車する駅でありまして、2面2線の駅でもありますし、接続します長崎線のホームも存在しますので、新幹線から乗り換えられまして、長崎・佐世保方面へ行かれる方も多い駅でもあります。
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 以下画像が、新鳥栖駅のホームでありますが、先述のように2面2線のホームとなっております。開発されておりましたフリーゲージトレインでは、この駅の先に分岐線・軌間変換ポイントを設けまして、それから大きく回りまして長崎線へと入る予定となっておりました。
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 一方、タイトルでは「待ったなし!」と称しておりますが、既に武雄温泉~長崎間ではフル規格で工事が進行しております。やはり、使用する車両が当初はフリーゲージトレインの車両と言われておりましたが、N700S系新幹線電車がもしも運行される事になりますと、どんな姿になるのかとさえも伺える所ではあります。

 

 (佐賀県武雄市内)~平成28年撮影
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 (長崎駅西側) 

 

 

 こちらは「リレー方式」となりまして乗換駅ともなります武雄市の武雄温泉駅でありますが、南口では既に新幹線ホームの工事が行われております。また、接続します佐世保線の肥前山口~武雄温泉間が一部を除き複線化される事も決まっておりまして(一時は全線複線化とも言われておりましたが後に変更されております)、それによります動きも見られるようにもなるようであります。
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 さて、ここまで現況をご紹介しましたが、今後の新鳥栖~武雄温泉間に関しまして考えてみようと思います。

 


 先述のように、フリーゲージトレインによります運行は絶望的となりましたが、ではそれに代わるのはどんな形になるのかと言う所であります。現在選択肢に挙げられておりますのは後述のように5択との事ではありますが、この中のフル規格かミニ新幹線のいずれかの可能性が高いのではないかと思われます・・・。



 まず、フル規格となりますと、メリットとしてはフリーゲージトレインでは実現が不可能と言われておりました山陽新幹線直通の可能性が高くなる事や、フリーゲージトレイン時に言われていた所要時間よりも早く博多~長崎間を移動できる事などが挙げられております。

 しかし、フル規格で工事となりますと、工事区間であります佐賀県に約450~660億円に上る新たな財政負担が生じるとも言われておりまして、その分の負担を抱えきれないと言われているそうであります。確かに、フリーゲージトレイン時以上に払うとなりますと非常に大きい事にもなります。また、それとともに駅設置や建て替えなどの問題も言われているだけに、佐賀県にとりましてはこの場合は頭が痛い所であるのには間違いないようではあります。

 

 

 一方、ミニ新幹線となりますと、現在日本では以下画像のJR東日本が運営します山形新幹線や秋田新幹線でこの形で運行されておりますが、この形となりますとメリットとして工事費はフル規格よりは安価ではあるものの、デメリットとしては今度は線路の工事を行わないといけないため列車を運休させないといけないと言う事で、今度はJR九州が頭の痛い所であると言えるのかもしれませんし、山陽新幹線との直通も正直実現可能かどうか?と言う段階になるようではあるようであります。

  

 実際に、以下画像の山形新幹線や秋田新幹線では広軌化工事を行った際に列車の運休を余儀なくされていましたが、こちらでも長崎線や佐世保線が運休の対象になる事にもなります。これら区間では多くの特急列車・普通列車が運行されておりますので、その期間運休となりますと大きな痛手となる事には間違いないとは思います。

 (山形新幹線「つばさ」)
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 (秋田新幹線「こまち」)
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 尚、現時点では佐賀県側がフル規格に反対しているそうでありまして、財政負担もしないとも言われておりますし、再び5択(フル規格・ミニ新幹線・スーパー特急・フリーゲージトレイン・リレー方式)で検討も?とも言われているそうであります。けれども、武雄温泉~長崎間が工事がかなり進行しておりまして、開業時期も明らかになる、さらには使用車両の検討段階にも入っておりますので、これではまさにいつまで飛地やるんだろうか?とさえも思う所ではあります。
 
 
 ちなみに、私自身としましては、確かに最もいいのはフル規格ではないかと思います。やはり現時点で工事が進行している訳でもありますので、将来的には?とも思う所ではありますし、山陽新幹線に乗り入れも見えてくると思いますので。確かに、ミニ新幹線も?とも思っておりましたが、やはり貨物列車や接続する唐津線・長崎線(肥前山口~諫早間)・佐世保線(武雄温泉~佐世保間)の存在もありまして、新鳥栖~武雄温泉間を3線化する方法が最もかな?とも思っておりましたが、運休を余儀なくされるとなりますと、ミニ新幹線では難しいのかな?と思ってならない所ではあります。

 


 とにかく、最終的に判断するのは国・県・JR九州でありますので、私個人の考えは先述までと言う事にはなりますが、そもそもフリーゲージトレインにこだわっていたからこそ、結果現況の形となってしまった訳でもありますので、早いうちにどこかで区切りを付けていた方が良かったのではないかと思っております。本当に、ご紹介しておりますように武雄温泉~長崎間ではフル規格の工事が進行しております。ですから佐賀県側もいつまでも突っ張ってばかりはいけないのではないかとは思いますので、一日も早い何らかの決断を望みたい所ではあります。