6月19日、JR西日本では、広島地区に新型車両であります227系直流型電車が年度内に導入される事が発表されました。
JR西日本の広島・山口地区と言いますと、当ブログでもこれまでもご紹介しておりますように、115系・113系を中心としました「国鉄型車両の王国」とも言われている地域でありまして、電車だけで考えましても426両(保留車を除きます)もの車両が下関総合車両所(以下下関)・下関総合車両所広島支所(以下広島支所)に所属しているのが現状であります。
そんな国鉄型車両の王国を打ち破るべく導入されます227系は、3両編成64本(計192両)・2両編成42本(計84両)の計276両も導入される事になっておりまして、広島・山口地区の電車の約6割を置き換える事になるようであります。
運行区間は、山陽線・呉線の他、早くて来年度に一部廃止区間を復活させる事になっております可部線にも導入が予定されておりまして、特に広島地区で新型車両の姿が多く見られる事になりそうであります。
そんな227系のベースとされます車両は、画像の225系及び521系(3次車)がベースとされておりまして、イメージによりますと白地に前後の部分に広島地区らしさを象徴とします赤ラインが車両の前後に入っておりまして、こちらの方は関西・北陸地区とは違った形となっているようです。また、521系3次車より設けられております先頭車両の転落防止柵も設けられるそうでありまして、それによりましてどんなスタイルになるか気になる所でもあります。
(225系・全体)

(225系・フロント部分)~画像の濃い灰色の部分が広島地区では赤色になる模様



車内も、イメージによりますと画像の225系のような形になるようでありまして、つり革や手すりも黄色が採用される事になっているのだそうです。尚、225系の場合は画像のように案内モニターが設けられておりますが、設けられない場合はその下の画像にあります221系体質改善工事車のような形にもなるようであります。
(225系車内)


(225系ベースの221系体質改善工事車車内)


シートは、225系・221系体質改善工事車の場合が茶地でありますが、227系では赤地となるようであります。こういった部分も広島地区ならではな部分が見られるようであります。また、他には照明をLED照明になるようでありまして、これで長寿命・低消費が可能となるようであります。


このほかには、最高速度は110キロに抑えておりますが、従来の保安装置でありますATS-SW形の機能に加えまして、様々な運転支援機能を実現できる「新保安システム」、脱線等の異常を検知しました際に、自動的に緊急停止したり、近隣の列車を止める「車両異常挙動検知装置」を搭載するようになっておりまして、安全対策を強化するようになるのだそうです。また、速度計などの運転台計器類を液晶画面にて表示させる装置も採用される事になっておりまして、よりデジタル化が進むようでもあります。
さて、この227系電車は先述のように276両も導入が予定されておりまして、今年度から平成30年度の4年ほどをかけまして置き換えがなされるようであります。それによりまして、下関・広島に所属しております車両に大きな動きがある事には間違いないでしょうか。
実際にそれぞれの所属車を出して見ましたが、現在下関に233両・広島支所に193両がそれぞれ電車が所属しております。
【下関総合車両所】~計233両 115・113系 184両 105系 24両 117系 20両 123系 5両 【下関総合車両所広島支所】~計193両 115・113系 156両 105系 28両 103系 9両このうち、置き換え対象が以下画像にあります115系非リニューアル車、そして103系は確実に対象となる模様であります。加えまして、105系の103系1200番台からの改造車であります車両も対象となるようでありまして、この他リニューアルも施されております昭和40~50年代に製造されました115・113・103・105系あたりにも特に動きがある模様でもあります。
(115系非リニューアル車、下関総合車両所C-36編成)


(103系、広島支所D-03編成)


(105系、広島支所K-10編成)


当ブログでも、導入計画がある事を昨年の番外でもご紹介しておりましたが、ついに新車の概要も発表されるなど、ついに動き出したと言う印象です。加えまして、関西地区の車両が広島地区で試運転をこれまでも行っておりましたので、いつか何らかの動きがあるとは思ってはいましたがね。それにしても、つい先日も関西編でも再三述べておりましたが、ここまで概要が明らかになるとは、私自身もすごく驚いております。とにかく、これによって国鉄型の車両にも動きがある事になりますが、この「国鉄型車両の王国」にどんな風に変わっていくのか楽しみにしておきたいとも思います。