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デフ・ヴォイス
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どうしてこの本を知ったのか忘れてしまいましたが、いつものように図書館に予約して手元に届きました。
松本清張賞最終候補作ということで、ミステリー?と思いながら読み進みました。
手話通訳士の試験場面から始まってとても興味深く、ぐいぐい引き込まれました。
主人公は、両親、兄が聴覚障害者の家庭で育ち、唯一の聞こえる人としての役割を幼い頃から果たさなくてはいけなかった。
両親がろうの聞こえる子どもの事をコーダというとこの本で、知りました。
読み進んでいく内に結末が想像できましたが、それは別に構わないと思える位、おもしろかったです。
私が表現しているのは、日本語対応手話なんですが、コーダの主人公はもちろん日本手話を使うことができて、ろう者の世界ではそれが当然のことだということ。
まだまだ勉強中ですが、日本手話もわかるようになりたいです。
手話を文章で表現しているのを初めて読みました。
両手の甲を上にして軽く下ろし(今日)右手の人差し指と親指で輪を作って額にあてる(警察を)そして右手の人差し指で下を指し(ここに)
身体の前の方から自分の方へと斜め下に引き付けた(呼んであります)
お~そうなるか…
作者は身内にろう者がいるわけでも手話を学んだことがあるわけでもないとあとがきに書いておられます。
きっとすごく調べられ、情報収集されたのでしょう。
…本作が、多くの人たちにとって「聴こえない人」や「手話」を理解する「入口」になってもらえれば幸いである…
とありました。
入口から少し中に入った私にとっても、とても興味深い本でした。