加藤綾菜さん | 手話通訳者のブログ

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参考サイト
https://www.crank-in.net/interview/102439/1

 

 


上記からの抜粋

 加藤茶との“45歳差婚”で注目され、一時は壮絶なバッシングも受けた加藤綾菜。今では病に倒れた夫を献身的に支える妻として「いい人すぎる」などとも言われているが、そうした世間の変化をどう見ているのか。結婚10周年を迎えた彼女が、初めてコミックエッセイに挑戦した『加トちゃんといっしょ』(双葉社)の中で描いた夫婦のこと、バッシングのこと、子どものことなど、気になることを本人に直撃した。


――初めての漫画とエッセイだそうですが、すごく読みやすくて一気読みしてしまいました。

加藤:もともと日記は毎日つけていたんですが、漫画は全く経験がないから1年半かかったんです。(頭頂部に髪1本という)加トちゃんのイラストも、はじめはもっと髪の毛があったんですが、それでは加トちゃんだと伝わらないし、45歳差が漫画では出ないこともあって、葛藤しながらもなんとか完成できて良かったです。

――いちばん葛藤したのはどんな点でしたか?

加藤:やはり子どものことです。これまでは子どものことを聞かれるたび、「考えていないです」「ほしかったけど、今は夫婦で楽しくやってます」ぐらいの軽い話しかしていませんでした。

でも、いざ本当の気持ちを書くとなったら、どこまで書いていいのか悩み、入稿3日前ぐらいにやっと終わったんです。加トちゃんにも見せて、「友達の言葉で葛藤して切なくなったり苦しかったりした部分とか、書かないほうがいいよな」と聞いたら、「全部正直に書きなさい」と言われて、120%で書くことに決めました。

子どものことを描いた部分の漫画は、あえてセリフを入れていないんです。描いた当初はつけていたんですけど、そんなちょっとのセリフじゃ葛藤が書けなかった。それで文章にしましたが、加トちゃんに背中を押してもらってようやく自分の中で整理できたというか。書きながら泣きました。

――それはこれまで向き合わないようにしてきたことですか?

加藤:そうですね。出産していく友人知人に言われた言葉など、その場では笑っていても、自分の中に思いは蓄積されていってたんだと思います。それで今回、加トちゃんにこうした葛藤を書く直前に話したら、「綾ちゃんが子どもほしいって言うなら、体がボロボロになってもいいから、不妊治療でもなんでもやるよ」と言ってくれて、そこで目が覚めたんです。「加トちゃんがいればいいんだ」と心から思えたのが入稿1週間前でした。

■「加トちゃんは私が守らんといけん」病気がきっかけで芽生えた“母性”



――結婚生活10年の中でお互いへの思いや関係性に変化はありましたか?

加藤:付き合っていたときより結婚してからのほうが、加トちゃんは優しいです。結婚してからは、誕生日にサプライズでバラ100本をくれたり、私の家族を大事にしてくれたりするんですよ。

加トちゃんは、私がこんなに良くしてくれると思わなかったと言ってくれました。「だいたい女性は2~3年で変わるけど、綾ちゃんはずーっと優しくて、ずっと僕を一番にしてくれるから、大事にしたいと思う」と言われました。私、めっちゃ大事にしていますから (笑)。

――介護の資格をとったのも、司法書士の勉強をしていることも、加トちゃんを守りたいからだそうですね。

加藤:加トちゃんが、私の生きる原動力になっていますから。子どもがいない分、自分にあっただろう母性の120%が加トちゃんに向かっています。今、犬を2匹飼っていて、犬たちに対しても母性はあるんですけど、その100倍ぐらい加トちゃんに注いでいると思います。それまで私はめっちゃクールで、男性に尽くしたことなどなかったので、加トちゃんに引き出された感じです。私が加トちゃんを産んだんじゃないかって思うくらい(笑)。実際、破水して出てきたら加トちゃんだったという夢を見るんです。

――ぜひ本の続編で書いてください(笑)。

加藤:いや、さすがに気持ち悪いなと思って、本には書かなかったんです(笑)。ただ、ここまで母性が強くなったのは、たぶん加トちゃんが病気になったのがきっかけです。それまでいつも力強く引っ張ってくれていた無敵の加トちゃんが、何もできない状態になったとき、「私が絶対守らんといけん!」みたいな気持ちが芽生えました。毎日リハビリなどに付き合っていく中で、また別の愛情が生まれた感じです。

――でも、母性が原動力になっているからこそ、45歳という年齢差がつらくなってくることもあるのではないですか?

加藤:加トちゃんの76歳の誕生日のとき、私の父が一緒にお酒を飲んでいて、突然号泣したんですよ。「歳を取れば取るほど一緒にいる時間が短くなる」とか言って。父もいろいろ考えてくれていたみたいですが、私自身は、だからこそ健康でいてもらうために頑張れるところがあります。それに、生まれ変わっても絶対また一緒になろうという夫婦の約束があるんです。

――本の中ではバッシングについても書かれていますが、どのように乗り越えられたのでしょうか?

加藤:当時は本当に逃げ場がなかったです。例えば、クラスや会社の中の1人に悪口を言われているだけでもめっちゃ気になるのに、私の場合、×100ぐらいのレベルで日本中から嫌われていたから。

当時は何より加トちゃんと両親の存在が大きかった。加トちゃんには「10年忍耐だ」と言われていました。バッシングを受ける私のことを加トちゃんが嫌いになるんじゃないか、と不安になったこともあります。私が叩かれていることについて、何も考えていないように見えていたんです。でも本当はいろいろ考え、悩んでいて、そこに大きな愛があったことを後で知りました。

両親からはいつも「堂々としていなさい」と言われています。ネットや雑誌での「嫌いな夫婦ランキング」で1位になったときも、「あんた1位獲ったことないけん、1位になってすごいじゃない」と言われたんですよ(笑)。

――パワフルなご両親ですね。バッシングが終わったと感じた瞬間やきっかけはありましたか?

加藤:叩かれているときは、散歩やスーパーに行くだけで、「あれ、加藤の嫁じゃね?」みたいな声が聞こえてきました。でも結婚7年目ぐらい、私が30歳になった頃から、犬の散歩をしていても「加藤綾菜ちゃんですか?」「応援してます」みたいに言われることが多くなって、知らないうちに世間の目が変わっていることに気づきました。

今の事務所に入ったのも大きかったかもしれません。加トちゃんが77歳になったとき、友人の鈴木奈々ちゃんに「俺に何かあったとき、守ってくれる人がいないと綾が心配なんだよ」と話していたら、奈々ちゃんが「うちの事務所に入れば? 社長紹介するよ」と言ってくれて、社長と会って2分後くらいには所属することになりました。

■ 世間の“手のひら返し”にも動じない「叩かれても褒められても揺るがないことに決めました」



――今はネットでも「いい人すぎる」などのコメントばかりです。世間のこうした手のひら返しについては、どう思いますか?

加藤:うれしいですけど、いろんなことを10年間経験してきた中で、褒められてもまた、すぐ叩かれることが分かっているから、叩かれても褒められても揺るがない自分になろうと決めました。加トちゃんにも、「これからもし綾菜ちゃんが“いい人だ”みたいに持ち上げられても、すぐに叩かれるから、そういうものに振り回されちゃいけないよ」と言われています(笑)。

――では、世間の目はあまり気にならなくなりましたか?

加藤:そうしようとは思っていますが、Yahoo!ニュースの応援コメントには、こっそり全部「そう思う」を押しています (笑) 。エゴサはあまりしないんですが、自分のニュースが出ていると知ったらすぐに記事に飛んで、コメントをチェックして、好意的なコメントには「そう思う」を押して、「加藤綾菜ブスだよな」とかいう書き込みには「そう思わない」を。時間差でもう1回押そうとしたらそれはできず、「1人1回までしか押せないんだ…」なんて思ったり。そんなことを日々やっています(笑)。(取材・文:田幸和歌子 写真:松林満美)

 加藤茶・綾菜の夫婦日記『加トちゃんといっしょ』は双葉社より3月30日発売。価格は1320円(税込み)。