若かりし頃、彼の芝居の世界に惹かれ、赤テントに通い詰めた時期がありました。
上野の不忍の池のほとりでしたね。
私は新劇やミュージカルはよく観ていましたが、唐十郎率いる状況劇場は、それとは異質な世界でした。
怪しく猥雑で、聖と俗、現実と虚構が入り交じる、何とも不可思議な舞台でした。
誰の物まねでもない、彼の強烈な個性とエネルギーがほとばしっていた。
その熱量に惹かれ、何度も通いましたよ。
そんな鬼才が旅立たれたんですね。
心よりご冥福をお祈りいたします。