国名:大英帝国
発行年:1911年(明治44年)
発行枚数:6,007枚
銀品位:0.925
重さ:2.83g
ジョージ5世の6ペンス銀貨は1911年から発行されました。初年号には通常貨MSとプルーフ貨PRの2種類が発行されています。
青白く輝くこちらのジョージ5世はプルーフ仕様の6ペンススターリングシルバー。通常貨と比較し、気持ち肖像の輪郭がはっきりしており文字とフィールド部の境界が明確なのが特徴だと思われます。鏡面力、霜降り力は弱いと感じますがコイン全体的にテカリ感があって通常貨とは違うプルーフな味わいが漂います。
いつ見てもシックスペンスのライオンちゃんは人面ライオン風で可愛いですね。青白い怪しさで輝く個体でとても綺麗です。
1913年銘の通常貨と比較
1914年銘の通常貨と比較
何となく並べてみましたが写真ではあまりプルーフ貨と通常貨の違いが分かりませんね(汗)
状態もトーンの付き方も様々なので比較してもよく分かりませんが普段からこうやって並べて鑑賞しております。
【6ペンス銀貨の歴史について少し・・・】
エドワード6世 在位1547-1553
イギリスの貨幣単位である6ペンス硬貨が始めて登場したのがエドワード6世治世下の1551年でした。10歳で即位したエドワード6世は16歳になる目前で亡くなるまでの6年間の治世中にイギリス史上初となる6ペンス硬貨を発行しました。経緯としては御父様の前国王ヘンリー8世が1シリング銀貨の銀含有量をシニョリまくって実質6ペンスの価値しか無い銀貨を発行していた事に由来し、そのまま6ペンス銀貨が登場したと云われています。
6ペンス硬貨はイギリスの庶民の間で広く親しまれていたそうで、マザーグースの唄から始まり、モームの小説「月と6ペンス」、ミュージカル映画「心を繋ぐ6ペンス」など色んな作品に6ペンスの名前が登場します。
ポール・ゴーギャン作
「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
と言いますのも17世紀頃のイギリスではバターが大体6ペンスの値段で売られていたそうですし、職人の給料も大体日当6ペンスぐらいでその日稼いだお金を家族の待つ家に持ち帰るまでに呑み屋で使い果たして帰って来る甲斐性無しの労働者も多くいたらしくて色んな意味で身近な額面だったそうです。
イギリスの日常を象徴する6ペンス。幸福のお守りとしての逸話がある一方で、都市伝説的には「6」が悪魔の数字である事など色々意味深な額面である6ペンスは調べれば調べる程多くの魅力が溢れてきます。種類も多く、安価なアンティーク銀貨として飽きの来ない私のコレクションジャンルの一つとして今後も収集に明け暮れる事になるでしょう。