イギリス 1902 エドワード7世 6ペンス銀貨 NGC PF64MATTE | コイン収集 ~趣味のコレクションブログ~

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アンティークコインを中心に日本の近代貨幣や記念コイン、金貨銀貨など、
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国名:大英帝国

発行年:1902年(明治35年)

発行枚数:15,000枚

銀品位:0.925

重さ:3.01g

 

こちらの6ペンスコレクションは先日第16回オークションワールドで落札したものです。何回か前のAWで同一個体が出品されてましたがこの度また再度お目見えとなりました。コレクターの数だけそれぞれ深い事情があってコレクションしたり手放したりを繰り返します。その狭間で色んな人の手から手へと行き来するコイン達の運命は現行貨であった時代もアンティークコインとしてコレクションされるようになった今もそう変わりません。コインの旅路は永遠に続いていくのでしょう。そんなコインの巡る運命にロマンを感じたり致します。その長い旅路のほんのひと時の間、この度ちょっと私のところに寄ってくれたといった感じでしょうか。まあまあしばらくはこちらでゆっくりしていって下さい。

1902年銘の6ペンスコインはイギリス王エドワード7世です。こちらはマットプルーフ仕様の特別貨となりますので流通貨とは若干雰囲気が違います。マットプルーフとは一般的なプルーフ貨のような鏡面状の加工とは逆で敢えて鏡面反射を抑えたような作りとなっています。全面霜降り部分とでも言いましょうか、何となく質感的にザラザラ感があるのが特徴でエドワード7世時代にはこのようなマットプルーフ貨が多く発行されました。

それにしてもこの個体はただのマットプルーフ貨とはまた一線を画く特徴的な雰囲気を出しています。ぱっと見では裏も表も斜めにいっぱい傷が入っているように見えますが実はこれが傷じゃない。トーンの一種に含まれる変色を起こしており面白い模様がいっぱい付いています。マットプルーフ貨は平均的に状態の良い物が少なくPF62ぐらいが標準グレードという感覚なのですがこちらはPF64グレードでこの模様ですからオークションで発見した時相当惹かれました。近くで眺めるとこれがまた実に面白いコインです。

エドワード7世 在位1901-1910年

御母様のヴィクトリア女王が長期の在位年数だった為、エドワード7世は結構なお歳になっての即位となりました。王太子時代の期間もそれまでのイギリス王子の中で最長だったそうです。現在はチャールズ王子が最長となってますね。即位時の年齢は59歳、一昨日御即位された新天皇陛下と同じ年齢となります。

日本はエドワード王の時代にイギリスと日英同盟を結びました。この同盟は歴史的に非常に重要です。日本にとって日露戦争を勝利する為の必須条件だったと言えましょう。エドワード王は日本の歴史に深く関わる重要人物です。

角度を変えて撮影。こちらのマットプルーフの銀貨は他の銀貨と違ってレインボートーンは出ていません。というかマットプルーフで作る目的がトーンなどの変色を抑える為の加工のようにも思えます。コインとして普通に使用しても劣化が目立ちにくく長年使えるよう工夫した結果生まれた?のがマットプルーフ貨なのでしょうか。この辺資料など漁ってその内調べて見たいと思います。それにしてもこんな形で変色するとはなかなか興味深いです。

なんか絵の具で描かれたような絵画調の雰囲気してませんか?金属なのに。いや個性的なコインもあるもんだなぁとこのコインからは不思議な感覚を覚えます。