THE MODS JUKE JOINT Complete Edition | おつまみ研究所(おつ研)

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先日、THE MODSのライブDVDが発売された。
 
タイトルは「Juke Joint -Complete Edition-」
1986年11月に武道館で開催されたライブをおさめたDVDだ。
 
1987年当時にVHSビデオとして発売されたが、その時はライブの一部の8曲とメドレーでの収録に留まっていた。
今回発売のライブDVDはその完全版という訳だ。
 
正確には今回はBlu-rayでの発売。以前と同様に山善作のジャケ
 

 

 何もかも、変わりはじめる

「激しい雨が」が出会いだった。
中学生のわたしは心奪われた。
ただただ衝撃だった。
 
立て続けに映画、ドラマ、ドラマ主題歌や歌番組出演などメディアでも取り上げられることが多くなった。
 
映画「夜のハイウェイ」で森ヤンがカレーを食べるときのスプーンの持ち方を真似した。
とんねるず主演の深夜ドラマ「トライアングルブルー」の主題歌に〝BABY BLUE〟が使われたのが嬉しかった。
 
そこから過去の作品や映像に触れる。
Let's go garage、ゴキゲンradio、不良少年の詩…
〝知らなかったことを悔やむ〟ほどカッコ良かった。
心を鷲掴みにされていた。
 
アルバム「HANDS UP」と「BLUE」

 

 初期衝動が動きだす、だがしかし…

高校生になって、ギターを始めた。
学校で好みが合う連中とバンドを組んだ。
 
スタジオで練習する曲は…
THE MODS、ARB、The Swanky's、The Pogo、sham69、ピストルズ、クラッシュ、ラモーンズ…
髪を染めたり、立てたりする普通のロック少年だった。
 
ただ、モッズの活動自体は以前とは少し異なってると感じていた。
アルバムの発売で言うと…
 
1986.9 CORNER
1987.4 JUKE JOINT(ライブアルバム)
1987.10 YUM-YUM GIMME SOME
1988.9 EASY COME EASY GO 
 
収録曲もアルバムのコンセプトも高校生のわたしにはちょっと物足りなかった。
イキってる高校生は見た目も音も激しいものを欲していた。
R&B調の音楽を理解するのはまだちょっと早かった。
 
高校時代にリリースされたアルバムは大人の音楽に思えた
 

 

 パンクロックとは、ロックンロールとは…

もう、モッズは大人向けのバンドになったんだな…
そんな思いもあり、1986年の武道館ライブには行かなかった。
ライブではホーンセクションが入るという記事も事前に読んでいた。
 
当時はピアノが入ってるだけでROCKじゃないと思っていたから行かない理由には十分だった。
その時期に発売されたアルバムを聴くには聴いていたが、毎日聴くほどではなかった。
 
次のライブはこの曲をやろうぜ。
メンバー同士でダビングしたテープを交換し合う。
 
KENZI&the TRIPS、THE STAR CLUB、THE BLUE HEARTS、バズコックス、コックニーリジェクツ…
次第にモッズから遠ざかっていく。
 
大晦日の某カウントダウンライブもアジアからの中継で少し見かける程度。
寂しい状況が続いていた。
 

 2回目の初期衝動

1989年(平成元年)高校を卒業。
オレは社会へと飛び出していった。
 
理不尽な社会に苛立ちや腹立たしさを覚えながら必死に闘う毎日。
バンド活動は卒業を境に一時停止していた。
 
バブル景気も相まってか世は空前のバンドブーム。
深夜のバンド発掘番組が人気だった。
 
世にロックバンドを名乗るヤツは数あれど、世の中に不満だらけのティーンエイジャーの心を救ってくれるロックバンドは数少なかった。
 
高校の頃好きだったKENZI&the TRIPSがその年の9月の野音のライブをもって解散。
スタークラブも好きだったメンバーが脱退。
段々と様相が変わってきてしまった。
 
そんなオレの心を知ってか知らずか、その年の12月にひとつのアルバムがこの世に投下される。
 
アルバムの名前は「NAPALM ROCK」。
 
森ヤンはリーゼントでライダースを着ていた。
音を聴いた。
歌詞を噛み締めた。
 
2回目の衝撃。
また、心を鷲巣かみにされた。
 
モッズがあの以前のスタイルで帰ってきた。
 
人生でアルバムを1枚だけ選べと尋ねられたら迷わずこれを選ぶ
 
そこから先はご存知の通り。

 

 そして2024年現在へ

2023年はその時代のミュージシャンとのお別れが続いた。

できる限り、ライブに通おうと思った。
 
2024.3 THE STREET SLIDERS 立川
2024.3 ザ クロマニヨンズ クラブチッタ川崎
2024.3 THE MODSを止めるな 代官山UNIT
2024.4 THE STAR CLUB 新宿ロフト
2024.5 KENZI&the TRIPS 新宿ロフト
 
あなた達が生きている間に駆けつけるぜ。
そう思って駆けつけたけど、この3月のモッズのステージに森山達也の姿はなかった。
森ヤンの代わりにモッズを好きなボーカリストが交代で歌うという形式だった。
 
現在、森ヤンは闘病中。
オレの中では、その森ヤンが遅れて登場したのがこのライブDVDだった。
 
35周年のときに再発された復刻版パンフレットとLPとともに
 
ホーンセクションに合わせてスゥイングして最高じゃん。
森ヤンがステージ後方で女性コーラスとダンスしているシーン。
なんて微笑ましいんでしょう。
すっかり大人になったわたしはグラス片手にゴキゲンに鑑賞。
 
アンコールで超高速で走り込んでピアノの前に立つ朝本さんの場面は永久保存版でしたね。
 
何度も観返して、新しい発見をしたいライブDVDでした。
ありがとう、SONY。
違うライブの再発も頼むよ。
 
高校生のころ、遠ざけていたあのアルバムたち。
年齢を重ねるごとにカッコよさに気づかされる。
今となってはヘビロテで聴いている。
やっぱり森ヤンは、そしてモッズは奥が深い。
 
近い将来、森ヤンの病が回復し、ライブを再開できるようになったらもちろん必ず駆けつける。
その時は、過去最大級のモッズコールでお出迎えだ。