腹膜偽粘液腫 その1 | 末期がんの先

末期がんの先

妻の闘病記です
2013年8月貧血の精密検査の結果大腸がんに侵されていることが発覚。
手術で大腸ガンは切除したが、腹膜播種が判明、末期がんの宣告を受ける。
生き残るため悪戦苦闘する闘病記です。

去年の10月、妻は検査兼温熱化学治療で、K総合病院に入院しました。

同じ病室に、腹膜偽粘液腫で、60歳代の女性が入院していました。

この女性が話してくれた、腹膜偽粘液腫の闘病記です。

ちょっと長いので、2回に分けます。


発症は、約七年前。

卵巣肥大から、始まった。

まるで妊婦のように、お腹が大きくなった。

危険であると判断され。卵巣の摘出手術が行われた。

摘出された、卵巣は、重さ8kgあった。

卵巣の中には、ゼリー状の粘液が、ぎっしり詰まっていた。


卵巣の検査が行われたが。

粘液がなぜ発生したのか、原因は分からなかった。


卵巣摘出では、この病気は終わらなかった。


しばらくすると、またお腹が膨らんできた。

今度は、腹水のようなものが、溜まっていた。

腹水を抜くと、またも、ゼリー状の粘液が出てきた。

内臓の検査が行われたが、粘液の発生源は、分からなかった。

粘液は出続けて、止まらないため。

内蔵が、押しつぶされないように、定期的に、粘液を抜く、治療を受け続けた。


ある時、この病気を知っているという、医者が現れた。

この医者のお陰で、病気の正体に気づくのが、遅れてしまったと、女性は嘆いていた。

何回か、手術を行い、粘液を出していると思われる、部位の治療を行った。

治療はすべて失敗して、粘液は出続けた。


数回の治療の後、この医師は移動でいなくなった。


少し時間がたち。


体に異変が起こった。

お腹に小さな穴が、複数開いた。

その穴から、ゼリー状の粘液が出てきた。

穴が開いた原因は分からない、腹膜偽粘液腫の症状では、ないようである。

体の防御機能が働いたのかも。


これで、いちいち、粘液を出す治療は、必要なくなり。

内蔵が押しつぶされる、危険はなくなった。


粘液は、1日中、タラタラ出ていて、お腹にサラシを撒いて、対処したそうだ。

粘液の匂いも臭くて、結構苦労されていたそうである。


異変は続く。

今度は、胸に穴が開いた。その穴は肺に達していた。

気胸を発症した。

続いて、嚥下障害も起こって、誤嚥をするようになった。

誤嚥した食べ物は、胸の穴から出てきた。

不幸中の、幸いと言うべきなのか。

誤嚥性肺炎は起こさなかった。


穴は閉じず、肺の機能が落ちていった。