ボク、運命の人です。31 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。

しやがれの大野さんのコーナーが神すぎてどうにかなるかと思った。
可愛すぎて…真剣な顔も…リアクションも……
そしていちごの好きなところは松本さんの不憫感だ!
意外と気が合うと言われ「今更!?」な返しなのがドツボでした(/ω\)(笑)
















「ここだよ。入って。」


櫻井がパチリと電気をつけ、大野を中へと促す。


「あ…おじゃま…しまぁす…。」


警戒しながら、大野が靴を脱ぐ。


一人暮らしの男の家。


神のいる形跡は今のところない。


櫻井が内心安堵の息をつく。


「…うわ、なにこれ?」


大野が不思議そうにリビングのテーブルの上を見る。


そこには今朝寝坊したため放置された掘りかけの王将と、床には木屑が散らばっている。


櫻井が慌ててそれを片付けながら、「王将掘ってるんだ」と告げる。


「……おうしょう、ほってる…?」


心底意味の分からない顔に、櫻井がえーっと、と言い訳をフル回転させて考える。


「あの~…ほら、大野さんと暮らす一家の大黒柱になる決意として、まずは王将を…」


フル回転させた結果がこれだ。


情けなく頭を抱えるも、大野は「…そう」と何故か照れくさそうに首元を触る。


「…ていうか!こんなことさ、同棲相手がいて出来る?気ままな独り暮らしじゃないと、木屑だらけのまま放置して出勤なんて出来ないでしょ?」


「…まぁ、確かに。」


大野は首を傾げながらも納得する。


「でも…女物のバッグがあったって…」


「どこ探してもいいよ!怪しいものなんてないから!!あっ…その、そういう感じのDVDとかはあるけど…


あの、それは大野さんのこと好きになる前に買ったもので、今は完全に大野さんの妄想だけで処理してるっつーか…あっ、待って嘘、今俺何言った、ごめん忘れて引かないで!!」


櫻井がしどろもどろに言い訳するのを見て、大野がぶっと噴き出す。


「櫻井さんて…嘘苦手でしょ。」


「…ハイ…苦手です…」


しょんぼりする櫻井に大野がいよいよ笑いだす。


「ふふ…あはは、最初酷かったもんね!神様が~とか地球が~とか、運命の人です!とか言ってさぁ(笑)」


「で、でもそれは…」


「嘘じゃない。…っちゅーことでしょ?」


大野が柔らかく笑う。


その全てを包み込むような表情に、櫻井の心臓がドキッと跳ねる。


「信じて…くれるの?」


「それ自体が本当かはともかく、櫻井さんは嘘ついてないんでしょ?」


「…うん…ありがとう…」


信じてもらえるわけがないと思っていた櫻井は、少しだけ泣きそうになった。



「あ…これ…何?」


大野がふと気になったのは冷蔵庫横にかけられた白いトートバッグ。


「あ…えーと…とーふバッグ………?」


櫻井もこれが何なのかよく分かっていない。


何せ神がくれたものなのだから。


「とーふ…?」


何故か疑問に疑問形で返され、更に意味不明な言葉を受けて大野の頭上にクエスチョンマークが並ぶ。


「あーもしかしたら斗真、これのこと女物のバッグだって言ってたのかな…」


大野はなるほど、とじっくり観察する。


確かに白いバッグに、豆腐の絵だ。


女物っぽく見えないこともない。


しかし、トートバッグに豆腐の絵…。


「…んふふっ。何だこれ、変なの(笑)」


あ、と櫻井は神の言葉を思い出す。


「しかも…木綿と絹のリバーシブルなんだよ。」


大野がその言葉を受けて生地を裏返す。


「…あははは!本当だ!ウケる、何これ!」


櫻井もつられて笑う。


使い道のなかったバッグは、いたく気に入った大野にプレゼントすることにした。


 

「…あ!そういや、大野さんともう一つ出会ってたの見つけたんだ!」


櫻井がプレイヤーを操作してテレビに映し出したのは、生田や堂本と観た日本代表戦のインタビュー映像。


「ほら、これ大野さんでしょ?」


画面の後ろで顔を伏せる姿に、大野自身も驚く。


「うわ…本当だ…映ってるなんて知らなかった。」


「そうだ、この時着てたのがこのユニフォームだよ。」


生田が泊まった時に着ていたものを部屋干ししてあったため、すぐに持ってきて大野に見せる。


「これ……」


「ね?何か縁を感じるでしょ?覚えてないと思うけど…」


大野がユニフォームを手に取り、信じられないという風に見入る。


「……じゃぁ……あの日、おいらに無責任なこと言ったのは櫻井さんだったんだ…」

 

「…えっ?!ごめん、俺何かした?!全然覚えてないんだけど…。」


大野はその日に思いを馳せる。


「…あの日ね。おいら、付き合ってた歳上の彼女に話があるって呼び出されて。おいらの誕生日だったから、逆プロポーズだったりして…って思ってて。


ほしたら、『旦那にバレたから別れたましょ』って。さらって捨てられたの。


全然知らなかったんだよ。結婚してたことも。向こうに愛情なんてなかったことも…。遊ばれてたのに、馬鹿みたいでしょ?」


そんなことない、と櫻井は首を振る。


「…おいら女運悪くて。いつもそうなの。二股とか、寝てる間に財布のお金盗まれるとか、ストーカーとか、不倫とか。女の人って怖いよね。平気な顔で嘘つくんだもん。だから…怖くなっちゃって。」


大野が苦笑するのを、櫻井は分かる、と頷く。


「…俺も、テレビで彼女が映ってて…結婚詐欺で逮捕されてて。突然裏切られるのって辛いよね。


だって、どれが嘘だったのか…思い出全て否定されると、自分自身を否定されてるような気になる。」


大野がこくんと頷く。


「…あ…もしかして、それで男に…?」


「違うよ。男に、じゃなくて。…大野さんに。


あなたという個の人間に…惹かれたんだ。」


櫻井が大野を真正面から見据える。


どくん、どくん。


大野の心臓が大きく高鳴る。



──そんな人じゃないって思ってるから、惹かれてるんじゃないの?


──素直になっちゃえばいいのに!


会議室での相葉の言葉がリフレインする。



(おいら…やっぱり、櫻井さんのこと……。)



続いてばっかりでごめんなさーーい!