君を描いてく5 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


へい、しり!短編とは?
──何を仰っているのか分かりません。














「ここだね…。」


メールでもらった住所を地図アプリに打ち込み、何とかたどり着いたマンション。


一応朝から翔くんが挨拶の電話をしようとしたけど、電源を切ってるのか、繋がらなくて。


どんな人なのか全然わからないまま、到着してしまった。


エントランスを通り、モニターで自己紹介して部屋へと向かう。


部屋の前のインターフォンを押すと、少しして扉が開いた。


「…あの、今日は弟子入り、よろしくお願い致します!櫻井翔です!」


「よ、よろしくお願いします、大野智です。」


翔くんに続いて、おいらも頭を下げる。


「私のアシスタントがインフルで皆倒れてて…助かります。折角の休みの日に大丈夫でした?すみませんね。」


先生がぺこりと頭を下げて、慌ててこっちも頭を下げる。


「い、いえ!ご迷惑にならないよう精一杯頑張ります…!勉強させて下さい!」


漫画家なんて変わり者が多いと偏見で思ってたから、優しそうな人でほっとした。



「2人は私の漫画、読んだことあるんですか?」


先生の質問に、正直に首を横に振る。


翔くんも同様に申し訳なさそうに否定する。


『和…先生』


担当の人にそう呼ばれていたからそれっぽいペンネームがないか調べたけど、わかんなくて。


あの人に名前を聞いたけど、『別にそんな事前予習とか要らないから(笑)』とあしらわれてしまった。


もしかしたら呼び名は本名で、ペンネームは違うのかもしれない。


そうなればもう本人の絵を見て判断するしかないと翔くんと話してて…。


読んだことがないと告白するのは怒られるかと思ったけど、だろうね、と笑われて安堵する。


「じゃ、まずはポーズいいですか?模写したいんで。私の言う通りやってくれます?」


「「はい!」」


原稿見れないのは残念だけど、そういうのも立派な仕事だ。


何となく曲がった背筋を正す。


「じゃまずは大野さん、ここに寝転がって~…」


先生の指示通り、手や足をしっかりと固定する。


顔の向きまで、正確に。


「で、櫻井さんが~」


同じようにポーズをとっていく翔くん。


が………




超至近距離に。




しかも、なんて言うか………




体勢、エロい………。





寝転んだおいらの上に翔くんがいて、えーと、ほら、床ドン?


おいらの腿の合間に翔くんの膝があって、顔とかも、結構近い感じで……。


何故かおいらの股 の上に翔くんの手があって、なんかその、エアーでアレを 握ってるみたいな…手の形をしてるんだけど……。


「…あの、先生…これ…?」


たえられなくなって、眉をひそめて聞く。


「ん?今度の話に使いたくて。」


「いや、あの…どういうシーンなんですか…?」


すると先生はあっけらかんとして言う。



「何って、男同士のxxxxのシーンですけど。」



げぇほっ


翔くんとおいら揃って、先生の方を向いて咳き込む。


「まっ…何で、そんな???」


ふふふふ…と先生が楽しそうに笑う。



「私、BL 漫画家なんで。」



び、び、




びいえるう~~~~~~~?!??!!?!




って、ぼーいずらぶ?!ホモ?!


何それ、そんなん知らないっっ!!


確かに山風社は女性誌とかもあるけど、嘘でしょ?!


…って、待って…


「え、おいら達の仕事ってまさか…」


「んふふ…あれ、聞いてません?ポーズの提供ですね。私の漫画家としての技を盗むんならご自由にどうぞ。」


先生がニッと笑って、「はい動かなーい。」と続ける。


な、な、何それ~っ!!


聞いてないよ~っ!!


あの担当の男に騙された~~~~~~っ!!!!




「…はい、お疲れ様~。」


「あーーーー疲れたーーーー!」


翔くんがドサリと座り込む。


あの後立て続けにエロいの、3ポーズもとらされて。。


なんていうか、おいら的には、肉体ではなく精神的に疲れた。。。


「大丈夫?」


「あ、うん、智くんこそ大丈夫?」


「おいらは平気。ありがと。」


にこって笑ったら、翔くんが困った顔でこめかみを人差し指でかく。


…変なこと言ったかな?



「はい、どうぞ!」


「あ、ありがとうございます!!すみません!!」


先生はココアを入れてくれて。


2人で頂いた。


…何か、翔くんが変な…ナイスナイス体操?ってのしてて、ココア飲む時にはこれをする家訓なんだって言ってて、ほんと変な人だなって思った。



「じゃ、次はキスしてもらいましょっか。」


「キス?!?」


ココアを飲み終わった時、先生が恐ろしいことを言ってのける。


あの体制もかなりキツかったのに、嘘でしょ?!


それにおいら、ファーストキスまだなんだけど…!!!


「何?同性でもふざけてキスくらいあるでしょ?(笑)」


「「ないですよ!!!!」」


翔くんとハモる。


あ、良かった、翔くんもないんだ…。


…ん?良かったって何だ??


「だ、だ、だって智くん…!その…恋人、とか…は…?」


「いや…いない、けど…その、翔くんこそ…おいらなんかと…嫌でしょ、こんな暗い…」


「い、嫌なわけない…!…はっ、いや、これはその…別に、キスならそんな…っていうだけで…」


そ、そうだよね…


翔くんは慣れてる…よね。


痛っ


あれ、何で心臓が痛いんだろう…?


「あの~…盛り上がってるとこ悪いんですけど」


先生がおいら達の真ん中ですっと片手を挙げる。



「寸止め…ですよ?」



……………へっ????


「…あっ、あー!ですよね!模写したいだけですもんね?!俺らのキスじゃなくて、キスの構図ですよね!!失礼しました!!」


「ご、ごめんなさい!」


うわー!うわー!!


恥ずかしい!!!


そ、そうだよね、本当にキスするわけないよね。


「いや…ううん、こっちこそすみませんね。」


うぅぅ…先生ぷるぷる笑ってるし…。