「2階に移動しよっか。」
智くんが戻ってきたから、客に声を掛ける。
イベントデーだから客は多くて、ここは狭すぎる。
2階の小さなスペースなら、注文した客以外に見られることは無いし、集中出来るから結構好きなんだよな。
テーブルを挟んで奥のソファに俺と智くんが座る。
「シチュエーションは?決まった?」
「あ…えっと、、」
客が提示した内容は、
・攻め=俺
・受け=智くん(つまり2年×3年)
・両片想い、お互い知らない
・俺が「俺の事どう思ってる?」って聞いて、智くんが「別に…」って答える
・どうとも思ってないならポッキーゲーム位出来んでしょって無理矢理させる
・キスの直前、智くんが折って、「…やっぱ無理っできないっ!!」て顔を背ける
・だけど俺が両頬を持ってこちらを向かせ、「…もう遅いよ」ってキスする
…という流れだ。(この客こまけぇな)←マジごめん。ほんと伝えるの恥ずかしかった。
「おっけ。部活後…でいいかな?俺がバレー部終わって茶道部に来て…」
「!いいね、茶室だ?!畳だ!!」
何を想像したのか、客のテンションが上がる。
「畳だね(笑)もういつでも出来るよ。」
俺が言うと、客が心配そうに智くんを覗き込む。
「あの、智くん…大丈夫?理解した?ごめん、ややこしいよね?」
智くんの名簿のところに『覚えるのが苦手。あんまり難しい指示とかしないでね。』って書いてあったからだろう。
確かに智くんは細かい指示が苦手だ。
「ん?んー、多分大丈夫。翔くんいるし。」
どう大丈夫なんだ?!
とは思ったけど、その信頼感だけで白飯5杯いけそう。
…にやける。
「じゃ…よーい、スタート!」
客の乾いた手拍子の音に、カチリとスイッチを入れ替えた。
*
「せんぱーい!一緒に帰りましょーっ!」
「おー。…え、何?何でユニフォームのまま来たの?(笑)」
「え、いーじゃん!何なら一緒に着替えます?」
「ば、バカ。早く行けって。」
智くんは少し恥ずかしそうにそっぽを向く。
「えー、やだ。一緒に来てくれるなら行ってもいいよ。」
「アホか。待っててやるから行ってこいって。」
「やだ。一緒がいい。」
「だーめ。部室行ってこい。」
「…………。」
突然の沈黙。
あまりに静まり返るから、智くんが不安げに俺を見る。
その顔すら…俺を煽ってんの、分かんねぇのかな。この人は。
「あのさぁ…。」
ぎし。
ソファが音を立てる。
「大野さん…俺の事、好き?」
「……はっ?!」
「ねぇ…好き?」
智くんが少しずつ後ろに下がる。
俺はその距離をキープすべく、前ににじり寄る。
「す、き…って……別に、そんなん、普通に…」
「普通って何?好きか、嫌いか。どっちかを聞いてるんですよ。」
「……好き、だけど……」
あれ、認めちゃった(笑)
まぁいいよ。
どんな答えだって俺がリードするから。
「じゃぁ…これ。ポッキーゲームくらい、出来ますよね?」
「はっ?!」
「好きなら出来るでしょ?」
ずいっと咥 えて 近寄ると、智くんが肩を押し返す。
「いや、待て、好きってそういうんじゃ…っ、」
「なら余計簡単でしょう。ほら、早く。」
「……っ」
ようやく智くんが先端を 咥 える。
ぎゅっと目を瞑る智くん。
あーーーーーマジで怯えてる感じ。
可愛いな。
ぽき…ぽき…ゆっくりと進んでいく。
じわじわと縮まる距離。
だんだん覆い被さる ような体勢にシフトする。
さて…そろそろ…か?
えーとこの後は智くんが拒否って、俺が遅いよって頬を持って……。
あと数センチとなったところで止まろうとすると、智くんが目を瞑ったまま、震える手で首に腕を回す。
…あれ、忘れてる?
どうすっかなー…と思ったけど、求められたら応えないわけにはいかない。
男の沽券に関わる問題だ。
右手で智くんの後頭部を支える。
そのままゆっくりとポッキーを縮め、そして…
はむっ、と智くんの唇に触れる。
びくっと智くんが跳ねる。
そのまま、ないポッキーを食べるかのように唇を動かし続け…
左手を智くんの 胸に 持っていく。
胸の 突起 を擦るように撫でる。
「んっ……」
智くんから小さな 吐息 が漏れる。
れろ、と舌を出してみる。
またびくっと智くんの華奢な体が反応する。
おずおずと返される 舌。
く ちゅ…と水音が 漏れる。
「…ぁ……」
きもち、いい。
やべ…勃 ちそ……。
*
智くんがぐいっと俺を離す。
「…おわり。」
智くんが小さく囁く。
…っぶね!
客の目があること忘れてた!!
「ありがとうございましたぁ」
「…はっ!あ、ありがとうございました…!」
客は茹でダコみたいに真っ赤だ。
うん、いい仕事した。
智くんと目を合わせて笑う。
「えーと…大丈夫だった?」
…色んな意味で。
「バッチリ……。」
客はよろよろと立ち上がる。
「2人…推します……。」
っしゃ!!!!!!!
心の中で思いっきりガッツポーズをした。
閉店後。
「智くん…今日の2階のポッキー、間違ってたよ(笑)」
着替えながら報告する。
智くんの着替えはいつも早いけど、今日は着物だから俺の方が早く終わりそうだ。
「え、マジ?なんか色々ややこしいんだもん…そっか~ごめんね?迷惑かけて…」
「迷惑なんて全然だよ。でも…復習しとく?」
「復習…?」
「ほら、次来た時『前と同じので!』とか言われた時に困るじゃん?」
んなこと言う客ぜってぇいねぇけど。
だけど智くんは、「そっか…」と神妙に納得してくれている。
非常にありがたい。
「翔くん…家、行っていい?教えてくれる?」
い え ?
カラオケの個室とかのイメージだったから驚いて智くんを見る。
座って足袋を脱いでいた智くんが、たれ眉全開+上目遣いで尋ねている。
何その殺傷能力高いオネダリ。
鼻血出るわ。
ていうか終電の時間も近いし、帰れないのわかってて言ってる?
幸子もびっくりだわ。
(※仕事が終電ギリギリになるのわかっててヒール履いてきてて、案の定ヒールのせいで終電逃して、「何でそんな靴で来るのかな」って呆れられた時に「…わざとだよ?(きゅるるん)」と言ってのけた恐ろしい女のこと。南さんにしか恐らく通じてない某有名漫画の脇役同士のワンシーンを再度使って説明してみた。笑)
「いいよ。明日稽古夕方からだし。」
手取り足取り…腰取り?
色んな準備、いざと言う時のために整えてありますけど?
「んふふ、ありがとぉ。」
へにゃん、と智くんが笑う。
あーーーーマジで可愛い。
それを他のメンバーに見せんのやめてくれ。
頼むから。
さて、群衆の視線のない家で…
俺の理性はどこまで持つのだろうか。
「じゃぁ、帰ろっか。」
「うん!」
いざ、ゆかん。
何だこの適当な終わりは…_| ̄|○
ごめんなさい眠くて…
ここ数日の疲れがどっと出てます(。ρω-。)
話じゃなくてレポだから許して…!(笑)
ね?ヤバくないです?
もう次行きたくてうずうずしてる。
月一で通いたいほんとやばい夢の国。(笑)
でも絶対1人では行けない。(笑)(笑)
明日は親とお泊まりなのでアップ無理かも…(T-T)