「遅いよ。」66 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


昨日は1日海にいて大変だったので
コメ返もせず話も直さず爆睡…
ごめんなさい(TT)
そして今日もお買い物ー!

さぁ!総武線コンビ行きます。
わけわからん始まり方ですが
初っ端から分割します(笑)
よくよく見たらすごく長かった(笑)
ここはコメント閉じますね!
2話アップします~。










「おはよー。年始の新しいショーのダンス、上手く行きそう?」


「はよ。メインダンサーが上手く行きません、じゃ通んないでしょうが。」


「でもさ、あるじゃん?曲の…向き不向きっつーかさ。次の曲かなりアップテンポだし。バックの子達ヒーヒー言いながらレッスン室篭ってたよ。」


「お前ね。私を誰だと思ってんですか。椿さんに引き抜かれた、あの二宮和也様だよ?」


「自分で言わなきゃかっこいーのに。」


苦笑してやれやれとため息をつかれる。


誰も言ってくんねーから言ってんじゃねーか。


いや、照れ隠しだけど。


「にしても…今日はスタッフだもんな。ダンサーの華やかな衣装よりお前はそっちのが似合うよね。」


「うるせぇ。お互い地味顔だろ。ツナギ着てる裏方担当に言われたかねーよ。」


「ふふ…やっぱつくづく、お前とは初めてあった気しねぇわ。…前世で会ってんのかもね?」


「んふふふ…、しつけーよ、この会社で初めて会ったっつってんだろ。」


「でもニノだって、最初に会った時目ひん剥いて俺の事見てたじゃん。まるで生き別れの兄弟見つけたみたいな(笑)」


「…あんまり地味な奴がいたから驚いたんだよ。でも、まぁ…俺ら『似てる』らしいからね。」


「え?似てるかぁ?誰がそんなこと言ってた?誕生日一緒だから?」


「さぁね。あ、シャチョー来たよ。」


「え、あ、ほんとだ。おはようございます松本さん!」



「おはよ、風間、ニノ。」




ダンサーとして入社した松本さんの会社で、


風間と廊下ですれ違った時の衝撃は一生忘れることがないだろう。


半年程前の話だ。


この会社にいて約2年間 全然顔を見合わせることがなかったのは、


風間がアメリカに研修に行ったり、松本さんについて企画や今後の展開など経営の方に力を入れていたから。


俺は基本ダンスをレッスンしてショーに出てたから、同じ会社の社員だったけど全く出くわさなかった。


だからたまたま衣装についての打ち合わせに本社に来た俺と、普段企画室に篭っている風間が廊下ですれ違ったのは、なかなか奇跡的な確率だったと思う。



風間は卒業後、すぐにこの会社へ入ったそうだ。


スタッフとして働くことも可能だし、イベントを考えプレゼンしたり、裏方に回り取り仕切ったり出来る、夢の国好きな人間にはたまらない仕事なのだと嬉しそうに語ってくれた。


俺からしたらかつて『諦めた親友』。


だけど入れ替わりが終わって、2年後に『二宮』としてこんな形で再会するなんて。


あの日の俺は、風間の言う通り目ん玉落とすんじゃねぇかって位丸くしたまま持っていた書類をバサバサと落とし、しばらく1ミリも動けなかった。


風間は俺の事を「初めて会った気がしない」としょっちゅう声をかけてくれるようになって。


誕生日が同じだということも判明し、俺らの距離は当然のようにぐっと縮まった。


今では正真正銘、『二宮和也』を、『親友』だと認識してくれてる。



そして…



「風間、ここ…タグついてるよ。」


「…あっ、すみません!ありがとうございます。」


「ったく…小学生かよ(笑)」


松本さんが柔らかい顔で微笑む。



松本さんの好きな奴というのは、風間のことだった。


月一でディ〇ニーに来ていた風間と、そこでの仕事をしている松本さん。


2人がたまに顔を合わせていたというのは、夢の国でのことだったらしい。


風間が俺と一緒に行った時にたまたまぶつかって会話したのがきっかけで、気になっていた、と。


なるほど、俺からしたら最近だけど、松本さんからしたら数年前なわけで。


巡り合わせというのは、本当に奇っ怪で恐ろしく、予想が立たないから面白い。



二人の距離は、少しずつ近付いてる気がする。


風間がノンケなのは分かってるけど…


少し赤らんだ頬を見て、可能性がないわけじゃないと思うんだけど。


彼女も好きな子もいないみたいだし、松本さんももーちょい攻めてみればいいのに。


何度こっそり助言しても、松本さんはなかなか踏み出せないでいる。


「松本さん、今度風間にいい服見立ててやってくださいよ。地味顔にも似合う服。あと小洒落たBARとかも知らない侘しい奴なんで社会見学だと思って連れってやってください。」


「ば、バカニノ!お忙しい松本さんになんつーことを…!」


「あ…別に、風間が良ければ休みの日… 別に明日仕事終わりにでも…いや、勿論暇なら、だけど…。」


「え…いいんですか?明日夜は暇です!めっちゃ嬉しいです!!」



風間は嬉しそうに華やいだ顔を見せる。


クス、と笑うと、松本さんに軽く睨まれる。


だけど、その後苦笑して、サンキュ、と口が動く。


ほんと、二人とも素直になればいいんだよ。


俺が言うのもなんだけどさ。




「…ったく、地味顔にも似合う服ってなんだよ。」


松本さんが退出し、風間がどこかニヤけた顔を必死に隠しつつぶつぶつ文句を言われる。


「まぁいーじゃん。あの人の服…派手だけど(笑)」


「ん。憧れてるし、出かけんのは楽しみだけど…そこだけはちょっと不安。」


苦笑する風間を見て、小さく笑う。


んーと、イケると思うんだけどなぁ。


あとはきっかけだけ、って感じ。


だって明日はクリスマスだよ?


それこそ俺にやってたみたいに無理矢理犯せば…って、ダメか。


心が伴わないそれは、精神的にかなりキツイ。


松本さんとの最後のセッ クスで学んだこと。


「是非飯でも一緒に食って仲良くなってきて。意外にいい人だから。」


「お前だけだよ、昔の知り合いだからってあんなフランクに全社員憧れの松本さんに話しかけんの(笑)


…あ、そうだ、今日は…改めてごめんな。こんな寒い日だけど、園内回るのよろしく!」


「あいよ。」


風間は俺の返事にふっと笑う。



「聖なる夜…ってやつに風邪引かないよう、ちゃんとあったかくしてけよ。」