「遅いよ。」16 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


Rさんに頂いた若嵐DVD見て心臓がぎゅーってなってます。
頑張ってる…異国の地でほんと頑張ってる…(T_T)
それ見て何故かめっちゃ泣いてる………。←
何でかなぁ…山見てると苦しい…。
若い時の葛藤を考えちゃうからかな…。(何も知らんくせに)








-B-


自分が、嫌いだ。



自信のない自分も


流されてばかりの自分も


本音をいつも飲み込む自分も



大切な、大好きな友達なのに、


隣にいることを居心地悪く思う自分も。










「ぎゃぁーーーーーーーー!!!!!!」


「ど、どうした智!!!!!」


おいらの声に慌てて洗面所に駆け寄るじーちゃん。


「じ、じーちゃん…おいら…おいら…」


涙目で振り返る。


手は頭だ。



「髪の毛ないっ!!!!!!」



はぁ?とじーちゃん。


「わしに喧嘩売ってるのかお前は。」


ツルツルの頭をこれみよがしに見せてくるけど、おいらはそれどころじゃない。


「何でこんな短いの?!何これ?!」


「お前が昨日ハサミどこかってわしに聞いてきて目の前で切ってたくせに何を…」


ため息混じりにそんなことを言われてぎょっとする。


ニノーーーーーーー?!?


じーちゃんを洗面所に放置して慌てて部屋に戻り携帯を見る。


メモを開くと、ニノからの手紙があった。



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7/x


入れ替わった日の日記をつけてくことにする。


朝からお前のことだーいすきな先輩?に絡まれたからちょっと喝を入れといてやったぞ。

風間は夢の国へ行ってて休み。(生意気だからしめとけ)


あと数学教師のヒョロメガネ。

親のことどうとか言い始めたから釘刺しといた

お前、マジで勉強しろ。

とりあえず数日分の授業範囲のとこ、わかりやすく解説つけといた。

もうすぐ期末テストだろ。

バカにされてヘラヘラ笑って流すようなことだけはすんなよ。


卑下すんな。自分を。

…お前のこと守ろうとしてくれる奴のためにも、な。


分かったな、これは歳上のお兄さんからの命令だ。


それと昨日、部活終わりに相葉ちゃんに待つよう言われたけど腹痛で先帰ったことにした。

返事しとけよ。


で…。

喜べ。


俺がお前を生まれ変わらせてやる!


髪、結構いい出来じゃね?

昔から金なくてずっと自分で切ってたからさ、案外器用なのよ。俺。

写真フォルダに昨日ざっくりワックスつけてみた写真残ってっから、それを真似してつけて学校行くこと!


生まれ変わるなんて、とか思ってんだろ。

案外な、簡単なことなんだよ。


『心が変われば態度が変わる


態度が変われば行動が変わる


行動が変われば習慣が変わる


習慣が変われば人格が変わる


人格が変われば運命が変わる


運命が変われば人生が変わる』


俺の大好きな松井秀喜の座右の銘だ。

お前が諦めてるなら、俺が変えてやる。

俺の人生よりよっぽど修正効くだろ?(笑)


以上!!!

お節介なイケメンお兄さんより。


PS

米硬いよ。少し水多めにしてくれ。

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はぁ~?!


何こいつ!


勝手に人の髪切るとかマジで有り得ないんだけど…!!!


お節介とかそんな可愛いレベルじゃなーー一いっ!!!


ほんで、相葉ちゃん?


慌ててLINEを確認すると、確かに未読のメッセージ。


『大丈夫?!』


『送ってけば良かったね、ごめんね。』


『…本当に大丈夫?悩みとかあったらいつでも聞くからね!何もアドバイスとかは出来ないけど!(笑)』


『…って、調子乗ったね、ごめんね!(笑)また明日迎えに行きます!お大事にね、おやすみ♪』



「…あーーもーーー!!!」


これを無視してるとか最悪なんだけどーーーーーっ!!!!


「智?お前最近…」


じーちゃんが心配そうに部屋を覗く。


「~~~なんでもないっ!トイレっ!!」


…もぉー!!!


勝手すぎるこの人っ!最悪っ!!!!


トイレで相葉ちゃんに簡単に謝罪の返信をし、弁当作りや支度に取り掛かった。




「おは…」


「……嘘でしょ……。」


相葉ちゃんと風間がおいらを見るなり絶句する。


そりゃそーだ。


おいらはずっと前髪を伸ばして顔をなるべく見えないようにしてたのに。


よくもまぁきれいさっぱり!!


勝手に眉毛も整えてあるし!!!


急にこんなの、恥ずかしすぎる!!!!!


「……おーちゃん……」


「き、気持ち悪いよね?ごめん、いやおいらも何が何だか…」



「めっっっっちゃかっこいいんだけど!!」



「……へ?」


拍子抜けして相葉ちゃんを見る。


「うん、かなり似合ってるよ。何その急なイメチェン(笑)」


風間がいつもの口調で珍しく褒めるもんだから、どうにもこうにもこそばゆい。


「…いや…これは…」


他人が勝手に俺の中に入り込んでる時に切ってしまって…


なんて言えるわけもなく口篭ると、相葉ちゃんがにっこり笑う。


「おーちゃん、ホントに似合ってるよ。皆に見せたくない位!…なんちゃって!」


へへ、と悪戯っぽく笑う相葉ちゃんを見て、ドキッとする。


「…ほんと?」


「うんっ!いつものおーちゃんは綺麗で儚い妖精みたいな感じだったけど、今のおーちゃんはかっこよくて男っぽいのに可愛い顔が良く見えて…ドキドキしちゃう!」


「相葉くん、何か色々語弊すごいよ?」


「ごへー?何が??」


「…天然はこれだから。」


相葉ちゃんが首を傾げ、風間がやれやれと小さく息をつく。


「ごへいって何だっけ?」


「……お前も天然だったね。」


風間は呆れてるけど…


嬉しい。


ねぇ翔くん、相葉ちゃんにこんなこと言われちゃったよ!


……ニノに勝手に切られたのは不本意だけど。



「さ、行こ!」


ぱっといつものように取られる手が恥ずかしくっていつものように俯いたけど、


前髪が長くないから赤く染まった顔は隠せなかった。