咲き誇る花のように1 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


『蠢くカオスの中で』の途中のお話です。
タイトル違うw
でも歌詞的には続いてるからわかりやす…くはない?w

そしてアップしたくせに続きあんま書く気ないという…
書く気出すために無理矢理1話置いてみたという…

nekoさんに聞いたオメガバースという設定が気になりまくってます。
皆さん知ってます?
脳内でもう嵐で展開しまくってるんで困ってます(笑)
間違いなく切ない。そしてエロい。(▼ω▼)
美味しい設定だな~そんなの知らなかった~。








【Side 雅紀】


「じゅ…っん…潤っ……!」


滴る汗を手の甲で拭う。


ボタンを全て外してあるシャツが汗でひっつくことも厭わない。


誰か来た時にすぐ身なりを整えられるよう、上は毎回そうしている。


「はぁっ…雅紀、も…イくっ…」


「待って、もーちょい…っ」


「う、あっ……」


後ろから抱きつく形で前を握って、ストップをかける。


そのキツさに震える潤に思い切り腰 を打ち付けた。



社会科資料室は、俺らの関係が変わったことによってヌキ合いの場からラブホへと変化した。


ソファとかもないから、基本立ちながらでヤ リづらいんだけど。


それでも高校生の俺らにとっては、こんないい場所無いってくらいのスポットだ。


俺、3年。潤、2年。


青春真っ只中。


ようやく真っ当なオツキアイを始めた俺らは、猿みたいにお互いを求め合った。


尽きることのない欲が毎日毎日腰の奥を疼かせる。




だけど、潤は本当にこれでいいのだろうか。


潤は本当に俺のことが好きなのだろうか。


本音がわからないまま、付き合ってしまった。


『俺も…雅紀のこと、結構…好き…みたい。』


顔を真っ赤にしてそう告げてくれた潤を、愛おしいと思った。


大事にしたいと思った。


本当に?の一言が聞けないまま腕に閉じ込めた。


俺はいつまで経っても臆病者だ。




「…ふぅ……」


「はぁ…止めんなよ…」


「ごめんごめん」


ったく、と言いながら潤が窓を小さく開けて涼しい空気を入れる。


気持ちいい風と昼休み特有の色んな笑い声が耳をくすぐる。


その風だけじゃ足りなくて、近くにあった資料でパタパタと扇ぐ。



「…雅紀は…進路どーすんの。」


「進路?」


突然の質問に驚いて潤を見る。


潤の視線は校庭に注がれている。


「就職しようと思ってる。もう面接受けてるよ。ちょっとやりたいことあって、お金貯めたいんだよね。」


「やりたいこと?」


「うん、ふふ…自分のお店持ちたいの。」


何のかはまだ内緒!と笑う。


驚かせたいしね。


「…雅紀らしい。」


ふんわりと目を細めて柔らかく微笑む潤は、智のそれとよく似てる。


そんなこと言ったらきっと照れて否定するだろうから、言わないけど。


「潤は?どーすんの?」


スクールバッグから水筒を出し、喉を潤す。


まだ一年後輩の潤にそんなこと聞いても答えは返ってこないだろうと思いつつ軽く聞いた。


すると潤はすくっと立ち上がり、本棚へと移動する。


「…これ。」


そっと出てきたファイルには、国際ボランティア資料と書かれている。


「…俺、これに興味あって。…悩んでる。」


「そう…なの?」


予想外な答えに、俺は言葉を失った。


賛成も反対もない。


ただただ無知な世界だ。


「意外かも。潤ってそういうの興味あったんだね。」


「…まぁ。」


ふっと伏せる目にどんな意味があるのかなんて、俺は何も考えずに「そっか」と返す。


「これって就職になるの?」


「いや、年齢もあるからまずは就職するんだよ。基本はJICAの活動を支援してるような会社に入って……」


悩んでる、と言った潤は、驚く程細かく調べていた。


本気なんだと、その時悟った。



国際ボランティアが日本で出来ないこと、それが何年もの期間に渡ることを俺は何となく気付いていた。


それなのに気付かないフリをした。


馬鹿なフリをした。



だって、日本から出るってことは


多分、フラれるから。



俺はめいっぱい「頑張れ」と応援した。


そこに俺のワガママが混ざっちゃいけない。



ねぇ、潤。


卒業したらさ、


潤のしたいことをしてよ。


潤の行きたいところに行ってよ。


俺は全力で応援するし


どんな決断でも受け入れるよ。



だから


潤が卒業するまでは


潤の確信してない気持ちに目を瞑って


隣にいてもいいかなぁ?


好きになってもらえる努力をするんじゃなくて


俺に対して情が移らない努力をするから


タイムリミットがあることを理解した上で、隣にいたいよ。


「潤…」


「何?」


「もっかい、シよ…」


「バカ、もうすぐ予鈴…んっ…」



まやかしだって何だっていい。


少しの間だけ、夢見させて。