※妄想のお話です。
今日は早くから出かけてて
冬嵐を読むので寝不足な私に鬼のような1日でした…
まだ外出先です…眠い…
【Side 松本】
さいっっっっっっあく。
何が悲しくて
翔くんとシングルベッドで並んで寝なきゃなんねぇんだよ…!!!!
「寝ぼけて抱きつくとかやめろよ!?」
「当たり前だろーが、バカか!!」
ああもう最悪……。
とは言え、大野のベッドってことで…
大野の匂い……。
あとさっきから若干若さ特有の青臭い匂いがしてることも気になってる。
翔くんがどうこうとかは流石にないと思うから…片方が風呂の間にどっちかがここで出したってことだったり?
(※翔くんがどうこうしました。)
………………。←ちらっとゴミ箱を見る
あー!!
邪な考えがよぎる…!
智がもし…
ついさっきここで1人でヌ いてたとしたら………。
「松本せんせ?」
「うわああああああ!!!!」
突然智が覗き込み、そのどアップに思わず叫ぶ。
「び、びっくりしたあ!大丈夫?」
「だっ…いじょうぶ、ごめん、考え事してて」
心臓がドッドッドッと煩く主張する。
「ニノがお風呂出たから、入ってね?」
「あ…さんきゅ。ごめんな。」
「こっちだよー! 」
先導してくれる智に続き部屋を出る。
翔くんのクククク…という笑い声が聞こえたけど、無視!
クソムカつく!!
1階に降りると、リビングでくつろぐ二宮がいた。
「お風呂はあそこだよー。」
「わかった、ありがと。」
「Jお先。…あ。」
片手をあげる二宮が風呂場に行こうとする俺を引き止める。
「ねぇ、ロイヤルミルクティー作ってよ。」
「はぁ?」
「俺も家でやってみたんだけどさぁ。Jのが一番美味いんだもん。」
褒められて悪い気はしないけど…
「ここは大野ン家だろ?俺の一存でどうこう出来る話じゃねぇから。」
すると大野は棚を開けて、黒い缶を出す。
「牛乳はあるし…これ美味しい紅茶!お客さん用のやつ、使って!」
「…いいの?それ結構するぜ?」
マリアージュフレールのマルコ・ポーロ。
ミルクティーにするには勿体無い香りの良さなんだけどな~…。
「うん!先生がいいなら淹れてあげてよ!」
「うーん…まぁ俺はいいけど…」
「やりぃ」
二宮が大野にハイタッチを求め、大野はそれに応える。
「大野も飲むよね?」
「おいら要らないよ!さっき勉強してる時ね、翔くん先生が紅茶にミルク入れて部屋に持ってきてくれたんだー。あんまり美味しくはなかったから少ししか飲まなかったけど(笑)」
「あ…そう。」
何か嬉しい。
俺のは美味しいと全部飲んでくれてた。
しかし翔くんのを飲んだから要らないと言われるとすこぶる面白くない。
大野が飲まないなら作る気しねー。
とか言いながら牛乳と鍋を用意してる俺…。
「お風呂の前にごめんね、松本先生!」
「いや…全然。大野は悪くないから!寧ろ風呂まで借りて…悪いな。」
「そーだよねー(笑)」
お前が言うな二宮っっっ!!!!!
「いーよ♪じゃおいら勉強道具片付けてくるねー!」
結局ロイヤルミルクティーを淹れてやって、風呂に入って…。
大野の部屋に戻った時には大野と二宮は既に居なかった。
そりゃそーか。。
翔くんは既にベッドの端で寝転がっていた。
でも寝息を立てている様子はない。(いびきうるせーからすぐわかる。)
「遅かったな。」
案の定起きてたらしく、ちらっと振り返られそんなことを言われる。
「あーまぁ…。ちょっと二宮にワガママ言われてたからね。」
「あー…さっき智に聞いたよ。」
「ほんとだよ。もーアイツめんどくせぇ!」
ったく、あの日普通に紅茶出しときゃ良かった!
遠慮なくベッドに座るとスプリングがギシッと音を立てる。
「…あのさぁ。」
「んー?」
携帯を見ながら話しかけてくる翔くんに適当に相槌を打つ。
…げっ?!
二宮からLINE来てる。
嫌な予感しかしない。
恐る恐る開くと、案の定
『今日のこと、貸しですからね?俺がいないと家にも入れなかったんだから。わかってますよね?明日ご協力よろしくお願いしまーす☆』
という恐ろしい文章と、
風呂場で大野のパンツを広げて持ってる俺の写メ(盗撮)が添付されている。
これは、洗濯機の横に落ちていたものを拾った時に何となく広げてまじまじ見てしまっただけで大野のものだと理解して若干にやけてしまったが特に何があるわけでは断じてない
断じてないがこの図はまずい…!!!
さ、最悪だ………!!!!!!
「……だよ?」
「………。」←携帯見て愕然
「…松本?聞いてんのかよ?!」
「えっ?!あ、うん。ごめんごめん。」
まだ話してたのか翔くん…←
明日…俺どうなっちゃうんだよ…。
「ったく…で、二宮はなんて?」
「へっ?!?!」
け、携帯見られた?!
でも全然見えてないはずの位置だ。
「だから、何で二宮はお前に淹れて欲しいって頼んだんだって話。」
…え、まだロイヤルミルクティーの話してんの?
どんだけ気になってんだよ。
と思いかけて、大野の言葉が蘇る。
『さっき勉強してる時ね、翔くん先生が紅茶にミルク入れて部屋に持ってきてくれたんだー。あんまり美味しくはなかったから少ししか飲まなかったけど(笑)』
…あーなるほどな?
リベンジしたいわけね?
「二宮は俺のが好きなんだよ。一番美味いんだってさ。」
ちょっと得意げになってしまう。
お茶や紅茶はこだわりたい性格だから。
「…そんなん、誰かのと比べたわけでもねぇだろうに…」
「自分で淹れたら上手くいかなかったらしいよ。つーか何となくわかんじゃん。翔くん淹れんの美味くなさそうだもん(笑)不器用そうだし(笑)」
「ばっ…!俺だってなぁ!…いや…淹れたことねぇからわかんねーけど…」
あ、わかってたんだ。
ロイヤルミルクティーとミルクティーの違い(笑)
紅茶にミルク入れるのがミルクティー。
お湯とミルクに茶葉入れて煮出すのがロイヤルミルクティー。
翔くんが大野に作ったのは、紛れもなくミルクティーだ。
話を聞く限り。
「コツっていうか…これ抑えときゃうまくいくってテクニックがあんだよ。俺は自己流で何度も試してわかったんだけどね。」
「……何度も……」
「翔くんは…大野に美味いって言われたいんでしょ?」
翔くんがガバッと起き上がる。
真っ赤になって、図星って顔。
「な…何で…」
「大野に聞いたんだよ。飲みかけてたけど途中でやめたって。」
美味しくなかったーと言ってたとは流石に可哀想だから黙っとくか。
「まぁ、頑張りなよ。何度もやってみるしかないって。自主練。」
「……コツとか、教えてくんねぇ?」
はぁ~?
「何で俺が!」
「だってお前淹れるプロだろ!」
「プロじゃねーし」
「二宮に美味いって褒められてんだからいーじゃねぇか!!頼むって!美味い淹れ方教えてくれ!!」
「何で恋敵に!」
「おまっ…まだ智諦めてねーの?!」
「諦めるわけないだろ!!」
怒鳴りあっていると、二宮から電話が来た。
画面を見せて受話器マークを押す。
「なに…」
『さっきからうるせぇこっちはねみぃんだよ黙れ発情期のオスどもが智起きんだろーが通報すんぞこのカス。』
プツッ。
ツーツーツー。
ドス黒い低い声だったけど翔くんにも聞こえたらしく、お互い目を合わせる。
「…まぁ、明日タイミングあれば教えるよ…。」
「あ…さんきゅ…。」
電気を消して大人しく布団に入った。
お互い当たらないようにベッドの端ギリギリで背を向けて寝た。