蠢くカオスの中で24 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


バタバタ続き~ノロノロ~ヽ(;▽;)ノ
今週末また関東雪降りますね…まだとけてないのに…(T^T)










【Side 智】


「おはよ、兄貴。」


「おはよー潤。早いね。」


「ん…今日は雅紀の朝練に合わせて行こうと思って。」


「そっか。…順調?」


「まぁ…おかげさまで?」


あれから数ヶ月。


何がどうなってそうなったのか全くわからないけど、潤と雅紀は付き合い始めた。


何か色々衝撃的だったけど、俺ら兄弟二人ともまさかゲイとはな。

(俺は彼女というものを作るのが怖くなったから、後発的ではあるが。)


血は争えない。



俺はというと、毎日和の時間に合わせ、電車とバスで通学した。


翔くんが交通費として親にお金を渡してくれたらしい。


これも潤経由で聞いた。


翔くんはこうやってこっそり裏で手を回してたんだと、潤は思い出す度に過去のことを教えてくれた。



そんなん


今更だ、と思った。


俺には何も知らされなくて


そしてされてきたことは変わらなくて。


別に、一生恨むとかそんな風に思ってない。


ただ、一言。



ごめん。って


今まで、ごめん。って



謝って欲しかっただけなのに


昔みたいに、普通の友達になりたいだけなのに…





あの日から


翔くんは、俺のことを避けるようになった。


学校でも、社宅でも。


偶然会っても挨拶どころか目も合わせない。


あからさまに避けられる。


何で急にこんなことされないといけないんだよ?


俺、何かした…?


何だか泣きそうになるのは、俺がおかしいんだろうか。


色んなことをされたんだから、会わないに越したことはない。



それでも


俺にとっては、大事な幼馴染だ。





で、和との関係はと言うと。


「じゃ、着替えたら行くわ。」


「ん。待ってるから。」



俺は


和と付き合った。



翔くんと和がどんな話をしたのかは知らない。


だけど、あの日から2週間ほど経った時、和が「翔ちゃんはもういいから、返事を聞かせてくれ」と言ってきた。


俺は素直に、ずっと和のことが好きだったと告げた。



付き合ってから、放課後や休みの日に和の家によく行くようになった。


和の家は広いし、部屋も広々しているし、


おじさんは帰り遅いしおばさんも趣味が多いから出かけてることが多い。


つまり、二人きりが多い。


だけど…



「……っ、まだ…ごめん…」



何でかな。


キス以上のことが、どうしても出来なくなった。


震える手で和の胸をそっと押す。


和の傷付いた顔を見たくなくて、好きなんだから出来るはず…って思って無理矢理進めようとした時、過呼吸を起こした。


心的外傷、つまり、トラウマみたいなもんだと和は受け止めてくれた。



実を言うと…未だにキスも、身体が強ばる。


こんな自分が情けなくて、悔しい。


「智は悪くないから。」


ぎゅっと抱きしめてくれる和に、申し訳なくて…。







その日は、青い空が突き抜けるようで。


終業式の日。


高校二年が、今日で終わる。


春休み…始まるなぁ。


散歩がてら、ぼーっと考え事をしながら校内を歩く。


嫌々来た学校だったけど、綺麗な校舎や、所々に植えられている花の匂いが好きだった。


頭がクリアになるから。


今は正直…あまり考えられないけど。


色んなこと。



「………あ。」


気付いたら来ていた、西校舎の非常階段。


ここは…翔くんに。



初めてキスされた場所。



何でこんな所に来ちゃったんだろ、と戻ろうとすると、カタンと物音が聞こえた。


恐る恐る覗くと…



「翔…くん……」


「…っ?!」



慌てて目尻を拭く、翔くんがいた。