ひまわり⑦下 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です!ご注意ください。














「あ、俺も言いたいことあったんだ。」


智くんがもぐもぐしながら言い出した。


「ん?なになに?あ、このたこわさ美味いよ!」


「あ、さんきゅ。…ほんとだ美味い。」


ノックが鳴り、刺身が運ばれてきた。


「あざーっす!…でどうしたの?」


扉がしまってからまた話を振る。


「刺身うまそ!貝は全部翔くんにあげるよ、貝担当だしね?」


「ふはは!ありがとうございます!」


「んふふ。でね、俺ね、翔くん好きなんだよね」


「ふんふん。お、この赤貝…ん?え?」


「俺はマグロ食おーっと。…んま!あ、因みにガチのやつね。」


「いやいやいやいや、マグロは置いといて、ちょっと待って」


「置いとけねーよ食ってるもん(笑)でね、引くなら引くでいいんだけどさ、まぁ仕事仲間としての態度だけは変わらないで欲しいんだよね。」


「いや、だから、ちょっと、まっ、いや、え?」


「なら言うなって感じだと思うけど、どうしても言いたかったの。気持ち悪いとは思うけどさ、仕事だしさ、悪いけど普通に接してくれる?」


「ね、智く…」


「大丈夫だよ、流れがあったとしてもちゅーとかしないから。気持ち悪いっしょ?(笑)そこは安心して?」


「だから、智くん!!待って!!」


思いの外大きな声が出る。


箸をコトンと置く智くん。


「…何?」


「まって…俺、何も言ってないよ?」


「聞く気もないよ。答えなんてわかってる。」


にっこり笑われて、心臓がぎゅうっと苦しくなる。


告白されたはずなのに、完全なる拒絶。


頭が真っ白になってる場合じゃない。


…多分、夢でも、ない。


「そんな…っ笑ってんなよ…!俺はっ…!」


「わかってるよ。翔くんは俺のこと大事に思ってくれてる。でしょ?でも、そういう目では見れない。それが正解だとおも」


「ふざっけんなよ!!!!」


気付いたらテーブルを思い切り叩き、立ち上がっていた。


皿がカラカラと音を立て、智くんは目をぱちくりさせて俺を見上げている。


店員さんの足音が聞こえて「お客様、いかがなさいました?」と聞かれ、平謝りしてまた座り直した。


その間も智くんは表情を変えず俺を見ている。


店員さんの気配が去った後俺は静かに口を開いた。





「正解…だって?そんな目で見れないのが?笑わせんなよ。何年片思いしてると思ってんだよ。」


智くんは全く理解出来ていないようで、怪訝な顔で俺の言葉を待っている。


「どんな想いで、平静を装って今まで接してきたと思ってる?」


「…何の話?」


まだわかっていない顔。


何でわかんねぇんだよ。


何で伝わらねぇんだよ。


「だからっ…、俺は、ずっと…!ずーーーーっと智くんのことやらしい目で見てたんだよっ…!!」


言った途端恥ずかしくて目を逸らす。


でも智くんは何も言ってくれない。


いたたまれなくなってそっと智くんを見ると、きょとんとした顔のまま固まっている。


「あの……さとしく…何か…その…」


「…ああ、びっくりして。そう…なんだ。」


「う、うん…。」





再び流れる沈黙。


何か…あれ?間違えた?違った??


思ってた展開と違うんですけどぉーーー!


暫くして沈黙を破ったのは、上目遣いの智くんだった。


「翔くん…俺のことやらしい目で見てたんだ…」


「えっ…あ、いや、その、言い方ミスった、っていうか、その、違くてさ、


…いや、違くない!ごめん!見てた!!妄想で何度も何度も抱 いたしそれで数え切れない程ヌ いたよ!!」


…な、何を言った俺は?!?!!?


ダメだーーー終わったーーー!!


両想いだと思ったのにこれはダメだろーーー俺ーーー!!


「…ぶっ!!!」


吹き出す智くん。


え?何?この展開何なの??


つられて苦笑いしたけど全くわからない。


どういう感情なわけ?!ねぇ智くん!!


「ふはっ…あははははっ!もう!やめてくれ!腹痛い!!マジで!!翔くん…はははは!!」


マジ笑いだ。


え、何の笑い?!どういうこと?!


引かれるところじゃないの?


いや引いてるから逆に笑ってんの?


「もー…涙出たわー…」


綺麗な指が目尻の涙を拭う。


「あの…大野さん?」


恐る恐る尋ねると、テーブルに肘をつき、顎の前で指を組んで上目遣いで俺を見てきた。


「んふふ。じゃぁ…今日、妄想を、現実にしてみる?」


小首を傾げて尋ねる、妄想以上の妖艶なその表情は、言うまでもなく俺の息子に直撃して。


何かを察した智くんが身を乗り出して机の下のソレを確認し、


「はええよ!!」


とまた爆笑された。