今回は朝のお勤め、朝課諷経(ちょうかふぎん)について詳しい解説をしたいと思います。
可睡斎の朝課にはいくつかの種類があります。
如常朝課(にょじょうちょうか)、祝祷諷経(しゅくとうふぎん)、高祖廟朝課(こうそびょうちょうか)・・・などなど。
今回はその中でも普段行う朝課である如常朝課についての解説です。
この朝課は法堂で行い、すべて正座で行います。
如常朝課では主に3種類のお経をお唱えしています。
お唱えする順番に・・・
1、妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈(みょうほうれんげきょうかんぜおんぼさつふもんぼんげ)
観音様のお経です。相当長いお経で、木魚を打つ副堂は疲れます。
このお経中に供頭が回向本を持ってきます。
2、参同契(さんどうかい)or宝鏡三昧(ほうきょうざんまい)
こちらの2つのお経は日によってどちらか一方のみを読みます。
基本的には、参同契は奇数の日、宝鏡三昧は偶数の日に読まれます。
参同契は石頭希遷禅師(せきとうきせんぜんじ)という中国のお坊さんによって書かれたお経です。
宝鏡三昧も同じく中国のお坊さん、洞山良价禅師(とうざんりょうかいぜんじ)によって書かれました。
どちらも禅の境地に関するお経といった感じです。
なお、これらは木魚なしのお経となります。
副堂休養中・・・。
3、妙法蓮華経如来寿量品偈(みょうほうれんげきょうにょらいじゅりょうほんげ)
こちらはお釈迦様のお経です。1のお経と3のお経は同じ法華経(ほけきょう)という経典にあるお経です。
このお経もかなり長く、副堂・・・。
これらのお経を読んだ後、回向を読みます。
また、2と3の間にお釈迦様の時代から続く歴代の偉いお坊さんの名前を読みます。
これが如常朝課でやる内容です。
合計すると40分くらいかかります。
しかも、この後に御真殿での祈祷朝課もやるので・・・1時間以上の正座となります。