噂の映画、噂のエンドロール。
なんだか世界の縮図のような気がした。
どんな世界も他人事なのだ、だって自分のことじゃないから。
どんな悲劇も、エンターテインメントになる場所。
対岸の火事とはよく言ったものだと感心する。
それが悲しいことなのか
それともそう思えるほどの平和が
幸せなことなのかはわからないけれど
私が生きているのはそんな世界なんだ。
アメリカ映画らしい、と思いつつ
人間らしい映画だと、思いながら。
アメリカンスナイパーを観てきました。
これから観る予定の方は、次のBGMまで読まないで。
人殺しも、戦争では英雄で
凄腕のスナイパーは、伝説になる。
「後悔はしてない、後悔なんてするわけがない」
それでも、殺したくはなかった。
そう言いたいように見えて、それはただの願望かもしれない。
誰かを守ることや、誰かにとっての正義は
誰かを傷付けて、誰かにとっての悪になる。
それは、自分の大切なひとかもしれない。
でも、だからって身動き一つ取らない選択肢は許されない。
テロリストの、虐殺は、許せないものだし
とても悲しいものだった。
それでも、ほんの一瞬だけ
彼らの家族が映ったことは、何だかアメリカらしくなく
悲しいほどの現実だった。
どうして悲しいことには、悲しいことでしか、向かっていけないのだろう。
全てを守ることができないこの世界は
残酷すぎる。
何もかも救えないほうが、いっそ救いになる気がしてしまうほどに。
最期を映さなかったのは、きっと伝説への敬意なんだと解釈している。
誰かが言っていた
「最後なんてどうでもいいのよ、中身が最高だったらね」
流れていくエンドロールは
戦争での犠牲者へ捧げる、追悼の時間をくれた気がした。
敵も味方も、生きている人に対しても。
そして訴えているようにも。
「考えて考えて、祈って、考えて考えて」
この映画を忘れないで、この戦争を忘れないで、この世界をちゃんと見てって。
そして、エンドロールが流れきるまでに席を立ってしまった人もいた現実。
わかる、きっとあれは耐え難い。
だけど、悲しい。
君らはこのあと何か思うのだろうか
恋人と夕飯を食べながら、お酒を飲んで
映画の感想をそれとらしく話して、キスをして、眠るのだろう。
明日には、「話題の映画を観た」という現実と
それとらしい感想を、世間話の合間で友人に語ってみせて
いつか、忘れるのだろう。
私のように。
あぁ、正直に言うさ
私だってきっと忘れる、どうせ忘れる。
だって、そういう世界に生きているのだから。
ただ「忘れたくない」と強く願うだけ。
ケチャップをスーツに付けて
ジュースをカバンに零し
カップルに挟まれて一人で観た映画だったけれど
私が一番悲しいのは天気予報が外れて、雨が降っていなかったこと。
こんな夜には、アジカンを聴いて家に帰る。
ワールドワールドワールド、もう家に帰るよ。
「もう誰も泣かないでくれ」
テレビ放映では、エンドロールは切られるんだろうな。
「大好きって嘘吐いた、本当はまだまだまだなのに」
「大嫌いって嘘吐いた、本当はまだまだまだなのに」
ずっと、右手の薬指に指輪を嵌めたままだ。
これは誰かに対する未練だとか
そういうんじゃない。
ただのお守りなんだ。
ひとりで生きていくには、ちょっと私は臆病すぎるから。
それでも、誰かと生きる元気はもうないから。
自分のために泣くのは、もううんざりだから。
今まで好きになったひとに愛を感謝を。
未だに、嫌いになれやしない。
今日はよく喋る。
とても悲しいことがあって
氷結ストロングのロング缶を飲みながら
吐き出すように、此処に書いているから。
プライドが高いから
こんな時でさえ、誰も頼れない。
何でもない話をしよう。
友達が好きな、韓流アイドル。
最初はそんな印象だったのだけど
曲が結構好きなのと
ゴンチャンって人が究極に可愛らしくて。
こういうライブ映像を観てて思うのは
ジャニーズと違って
ファンの統率がとれているなぁ、と。
余計な所で歓声を上げないのは極めて優秀。
コンサート行ってみたいけど、チケット代高いんだよなぁ。
アイドルってそういうもんなんだろうけど。
三次元のイケメンは、見ているだけで幸せになる。
あぁ
本当は
今回は明るい話がしたかったんだ。
タイミングが良くない良くない良くない。
それでも思うの
悲しきことは幸せだ、って。
私にとって刺さる私の言葉は
悲しいことからばかり生まれるから
悲しいことは、私にとっての幸福なんだ。
今の私には、言葉を連ねるしか能が無い。
友人のように
絵を描いたり
音楽を作ったり
綺麗な写真が撮れるわけじゃない。
言葉を、歌うしかない。
たとえそれが誰かの借り物の言葉でも。
言葉でさえ、誰かに借りなきゃ使えないけれど。
裏切って
逃げ出した私には
これしかないんだ、これだけは奪わせない。
「誰かの感情が雪崩れ込んでくる」
新宿を進むデモを見て、思った。
賛成だとか反対だとか
そういう意識が生まれる前に、泣いてしまいそうになる。
私は人の感情を受けやすいのかもしれない。
映画を観に行っては、予告CMで泣きそうになるような奴なのだ。
誰かの想いは、毒にも薬にもなる。
私の感情は、あの人に雪崩れ込めただろうか。
私の感情は、あの子の薬になれたのだろうか。
私の感情は、貴方の毒でいられたのだろうか。
君は、私を忘れないでいてくれるのだろうか。
神様でさえ救いたいと思ってしまう自分を
救ってくれるひとは
私のそばにはいてくれないのだ。
春先の夜
少しだけ暖かい風に吹かれながら、君と観た桜を思い出す。
少しだけ暖かい風が吹いた
それだけであの日の感情が溢れるように、切なかった。
未だに。
未だに、
未だに、私は貴方が心配です。