『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか
タイトルを見るとフリーランスになるための本のようですが、本の前半部分は、様々なビジネスモデル(プロフィットモデル)が紹介されており、これがなかなか面白いので、別に普通に会社勤めしている人も、タイトルに惑わされず読んでみてください。
ちなみにそのビジネスモデルとしては、AKB48やライフネット生命、ディズニーランドなどが挙られていますが、一番へぇ~と思ったのが、オックスフォード大学のビジネスモデル(プロフィットモデル)でした。
イギリスのオックスフォードに限らず、アメリカのハーバード大学などの名門大学の場合、生徒からの授業料からは利益を上げておらず、OBや企業からの寄付によるものから利益を出しているという認識だったのですが、それ以外にもあったのです。
ハーバード大学の場合は「年金運用」
収益の40%が投資活動によって賄われているってなかなかすごい!
そしてオックスフォード大学の場合は「不動産収益」
2010年度で19億ポンドの総資産を有しているのですが、そのうちの約半数が不動産。大学が有名になれば、人が集まり、土地も値上がりをします。それによって利益が生み出されるという仕組みのようです。
で、なぜこの本ではこのようなビジネスモデルの紹介に本の半分を割いているか?
それはフリーランスで働くためにはお金が入っているくるビジネスシステムをしっかり押さえておく必要があります。そのためには様々なビジネスモデル(プロフィット事例)を見つけ、自分のやりたいことにはめる必要がある。と著者は言います。
たしかにそうですよね。利益がないと生活はできません。かと言ってどこにでもあるようなビジネスモデルを使うと、うまく利益が出せません。他に無いビジネスモデルを生み出すこと、見つけること。それが「好き」で「食う」のに必要な土台ですね。
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目次
はじめに
序章 会社を辞めてニートになっても、食べていこう
自ら選択する「自由」による不幸
『課長 島耕作』は僕たちのロールモデルにならない
日本人は「豊か」だが「幸せ」とはいえない
個人への寛容度の低さが日本の不幸の源泉
僕たちが生きる世界は激変している
立ち止まって考えること
「選択をしない」という選択もある
生きる意味を見つけるなら「好き」か「やるべきこと」をやろう
学校を出た後の世界は平等ではない。早く慣れよ
「好き」で「食う」は実現できる
第1章 「好き」で「食う」には何が必要か
「飯のタネ」より食うための「土台」を探そう
「何をやるか」より「どうやるか」が大切だ
AKB48の成功要因はメンバーではなく仕組みそのものにある
収益の土台は必ずしも本業でなくていい
ハーバードもオックスフォードも教育では儲けてない
ディズニーランドの本当の収益の柱は?
「やりたいこと」で事業基盤を築くまで
自分なりのバリューを見つける
時間をかけて膨らませていく「農耕型起業」のススメ
自分の中のミッションを世の中に出していこう
第2章 「食う」ために使える10のプロフィットモデル
儲ける工夫にはパターンがある
客が来なくても花屋が儲かるのはなぜか
原価を割っても弁当屋が成り立つカラクリ
本当の顧客は誰か?――受け手と払い手は異なる場合も多い
利用しなくても収入になる仕組み
収入を得る工夫は5つの面から考える
「顧客」は個人だけではない
「商品」はそのもの以外で収益を上げろ
収益を得るタイミングは一度だけとは限らない
「相手の懐が痛まない」支払い方法にしよう
商品の価値を生み出す源泉には、できるだけお金をかけない
史上最年少で上場した成長企業・リブセンスはリクルートと何が違うのか?
成果に応じて報酬を得る「成功報酬型モデル」の可能性
「5つ星の寝心地を1つ星の価格で」提供するチューンホテル
今の日本でこそ求められる、原点回帰ビジネス
プロフィットモデルパターンは複数組み合わせよう
「稼ぎの土台」を広げることでより高収益が望める
<ビジネス例とプロフィットモデルパターン>
第3章 起業までの3つのステップ
独立するまでの3つのステージ
「潜伏時代」――誰でも最初は一定期間、丁稚奉公せよ
就活するより自分のマスターに弟子入り志願しよう
ミッションを人に伝えていくうちにステージが変わる
「独立時代」へ――浮力を得れば、やがて自然に飛び立つ日が来る
「ご祝儀案件」で得た利益は自分の中に貯めておく
「守破離」のプロセスを経て、孤独に向き合いプロを目指す
「起業時代」――“ヒト・モノ・カネ"が必須になる
事業が拡大するときに必ず押さえたい2つのポイント
固定費を増やすときは、第三者に相談してから決断する
人を雇うときは、あらかじめ別れを覚悟しておく
人との別れは企業の成長過程で必須
第4章 独立後に身につけるべき3つの考え方
サラリーマン時代の価値観は独立したら捨てるべし
お金は「予算」ではなく、「費用対効果」を意識して使え
意思決定は「し続ける」こと自体が大事
失敗率が低いのは、先に進むための判断をしていない可能性がある
振り幅が大きい年収をあてにせず、戦略的に使ってしまおう
「9時‐5時そこにいる」価値はゼロ。必要なのは時間の密度
「スケカン」「タスカン」は独立後の必修項目
成功する事業はアイデア1000個のうち3つだけ
独立したら、重要でないことはまったくしなくていい
ベストを尽くすよりもベターを積み重ねる
その仕事は金に近いのか、夢に近いのか?
リスクを回避する法人契約はぜひとも取ろう
第5章 本当はこれが大切なこと
意思決定は「頭で考えて、整理し、ハートで判断する」
決断するときは直感よりも事実を重視しよう
人の問題こそが経営者を悩ませる
優れた人材をどうやって採用するか
人材は「モノ」ではなく「人」として扱う
人に対しては、率直、誠実であること
人とのトラブルを回避するための3原則
人に感謝できる自分であることで強くなれる
わかっているけど難しい、相手への感謝を引き出す方法
事業における最大コストは経営者の心の管理
ぶれない経営判断をするためにはリラックスが大事
あらゆる問題は「典型的なもの」だと知っておく
最悪のケースを想定しておき、深呼吸する
ときには意味づけをせずに「流される」
論理・情理・倫理を調和させることでビジネスが長く続く
能力を上げるよりもプライドを下げる努力をしよう
やりたくないこともクリアしていくのが現実だと悟る
だけど、結局は何とかなるものだ
あとがき
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まずは「好き」を追求すべきです。それでも、やりたいことが見つからないなら、やるべきことをやるのです。「やるべきこと」とは、「貢献につながること」です。
「何をやるか」ではなく、「どうやるか」(システム)が大切
さまざまなプロフィットモデル事例を見つけ、自分の”やりたいこと”に当てはめる
「好き」で「食う」ためにはバリュー、システム、クレジットの3つの要素が必要
プロフィットモデルの進化形には、顧客、商品、課金の仕方、支払い方法、資源の5つの領域で、それぞれ2パターンの合計10個がある。それらの組み合わせをうまく行うことで、より利益を高められる。
まずは神からのささやきが自分のものとなって、自分の口や体から、ボランティアにも勉強会でもブログでも何らかの形で表出する時期。そこから、それらが他人の琴線に触れて、お金という形でフィードバックされる時期。最終的に、その流れが大きくなってきて、それまで自分が従属していた場所から自然に離れる時期。その3つのステップで、自然と独立時代に入っていくのが望ましいパターン。
すべての意思決定に、 「投資対効果」の概念を入れる
頭にある物事はすべて書き出して外部化し、頭をクリアに保つ
「頭で考える」というのは、納得するまで考える、ということ。そして次に「整理し」 、つまり比較検討を実施することが大切
◆人にかんするポイント
1.自分よりも優れた能力を有する人と働く
2.その人の人生全てを受け入れない
3.人として扱う
4.コミュニケーションをしっかりとる
5.失敗を多く犯す
優秀さとは、有能さと謙虚さの掛け算である
