『インサイド・アップル』 アダム・ラシンスキー
スティーブ・ジョブズについて書かれた本は多いですが、彼の会社であるAppleについて書かれた本というのは少ないように思います。
あっても、表に出て来ているApple製品である、MacやiPod、iPhone、iPadなどについて書かれたものです。
この本はAppleという会社について書かれた数少ない本の1つであり、この本を読むことで、どうやってAppleは素晴らしい製品を生み出していく体制を持てているのかがわかってきます。
メーカーに務める人としては、一度目を通してみるのも良いかもしれません。
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目次
アップルの「芯」(組織図)
第1章 ジョブズ信仰を超えて
第2章 ようこそインフィニット・ループへ――アップルにおける2つの秘密主義
第3章 すべてをコントロールする――デザイン、製品ライン、経営企画
第4章 永遠の新興企業?――DRI制、経営チーム、トップ100
第5章 ジョブズの後継者たち――クック、アイブ、そしてフォーストール
第6章 伝えるべきメッセージを選ぶ――基調講演、広報、宣伝
第7章 「アップルとのあいだに提携関係は成り立たない」――顧客、パートナー、競合他社
第8章 ポスト・ジョブズ時代のアップル――「アップル大学」の効果、独裁者不在のチャンスと不安
第9章 アップル卒業生が成功する日――ジョブズ・ウェイは模倣可能か?
第10章 最後にもうひとつ
謝辞
著者覚え書き
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以下は読んでいて自分が気に留めた言葉と、それについて感じたことです。
◆優秀なチーム同士が攻撃し合うべきだと思っている
→競争のないところに成長はない。社外の競争だけではなく、社内であってもお互いに競い合うあうことが必要だと思います。
◆アップルは、ユーザーの体験のことばかり考えている。収入の最大化は考えていない
→ユーザーが満足すれば、自ずと収入はアップするはず。自分のことばかり考えて製品を作っていても、お客様は満足してくれず、結局は自分の首を締めるだけ。
◆われわれは信じています、複雑ではなく、シンプルなもののよさを。
→世の中に物が溢れ、物が過多になっている時代は、逆にシンプルな物を求めてくる傾向があると思います。多機能な日本のガラパゴス携帯ですが、そのすべてを使えている人は少ないと思います。
◆画期的な製品を売るコツは、わかりやすく説明することだ。
→当たり前といえば当たり前のことですが、意外と「わかりやすく」説明するって難しいですよね。
◆十分な資源がなくても、手を抜いてはいけない
→収入が悪化しているから、安い物しか売れないからと、製品の質を落として物を出すことがありますが、その結果業績がよくなった会社というのはあまり聞きません。安い物でも、その価値を高められるように努力すれば、かならず道は広がると思います。
インサイド・アップル

