しかしこれは現場の営業マンより、どちらかと言えば中小企業の社長や、大企業でも管理職が、自社の営業を見直すため読むような内容でした。
長尾氏は「営業の見える化」が必要なのは、
売れていないという事実<結果>よりも、なぜ売れていないのかという原因<プロセス>をつかんでいないことのほうが恐ろしい。そのためこのプロセスをあきらかにするため。と書かれています。
そこで本書では
①結果ではなくプロセスが見えているか
②数字ではなくストーリーが見えているか
③登場人物(競合・自社の製造部門など)が見えているか
を明らかにして、営業の見える化を行うことを勧めています。
読んでいて、現場の営業マンとしては納得することが多々あり。
営業の世界では数字上での成果の判断。そして具体性のない精神論ばかりで、なぜこのような結果になっているのか? そしてそこをどう改善する必要があるのか? なかなか出来ないのではあれば、どう仕組み化させるか? という点が非常に弱いケースが多々あります。
ぜひ営業部門のマネージャークラスの人には読んで頂き、自社の営業はどうか? を考え、使える部分はどんどん真似してみることをオススメします。
なおこの本の後半では、「見える化日報」の話が出てきますが、これは『仕事の見える化』に詳しくかかれていますので、こちらも読んでみることをオススメします。
--------------------------------
目次
はじめに
Chapter1 営業はなぜ「見えなくなってしまう」のか
Chapter2 営業の「プロセス」を見える化する
Chapter3 「数字」を「ストーリー」に落とし込む
Chapter4 営業の「登場人物」を見える化する
おわりに エコ営業のすすめ
--------------------------------
・「あるものをただ売る」では、これからの営業は生き残っていけない。「売れる物を売る」へと、発想を変えていかなければならない。そのためには、営業は営業という垣根を越え、営業が市場からつかんできた顧客ニーズや競合の動きを、社内の仕入部門・製造部門・開発部門・設計部門・技術部門へとフィードバックしていくのだ。
◇自社の営業の「標準プロセス」をつくる
営業経験の違いにより営業の進め方は当然変わる。そのため営業マネージャーが中心になって、「標準のプロセス」つまり営業の流れを見える化してやる。
<標準プロセスの7つのステップ>
①「見込み客」をリストアップする
・どのようなルートで知ったか
・いつ、誰が、どのように会ったか
・どんなことを話したか
・どんなことに困り、どんなことを求めていそうか
も情報して加える
②「初期アプローチ」を行う
③「ファースト前ミーティング」を行う
・初回訪問を密度の濃いものにするためだけでなく、失敗するリスクを未然に防ぐ
④「初回訪問」する
・ヒアリングシートを事前に作成しておくことで、漏れや抜けを防ぐことができる
⑤「提案書」をつくる
・提案書は案件ごとにデータ保管しておき、営業全員で共有すれば、自社営業を強くすることにもつながる。ただしその場合、闇雲に保管するのではなく、営業マネージャーなどが、☆評価をつけ選別することが必要。
⑥「見積書」をつくる
⑦「クロージング」する
・先方の言葉をただ報告するのではなく、具体的な【事実】【推察】【次回】を踏まえて、現状を見える化する。
◇マニュアル作成のポイント
①社員数50名以下の会社であれば社長自身が書く
②きれいに書くな、生々しく書け
③マニュアルはどんどん更新しなさい
④マニュアルは全員に読ませる
⑤マニュアルはあくまでも指針
- 営業の見える化/長尾 一洋
- ¥1,365
- Amazon.co.jp
■最後に、自分はどう変わるのか?
止まっていた「見える化日報」を、メールではなく、EVERNOTEを使って書くようにする。
そうすることで以前訪問したお客様の情報が移動中にiPhoneからでも確認できる。