・株式時価総額はネットバブル後の最安値へ突っ込もうとしている。しかし、数年来マイクロソフトを猛追
していたグーグル、アップルなどの下落率の方が激しく、IT業界における相対的なポジショニングは
高まっている
・グーグルの収益柱は景気悪化の影響を受けやすい広告。それに対してマイクロソフトの売り上げ構成を
みると、企業との長期ライセンス契約やOEMが7割を占める。7割が長期契約で、単発事業は3割。
ゆえに景気後退局面でも強い
・不透明ながらも以下の事業により、さらに高成長も見込まれる
①正規品推奨(新興国に蔓延している海賊版の取り締まり)
②オフィス・ライブ(中小企業向けサービスの売上)
③ビジネスサービス(大企業向けホスティングサービス)
④ズーン(iPod対抗のデジタル音楽再生機)
⑤テレビ[IPTV](世界中の無数のテレビへの毎月課金)
⑥医療情報(個人向けの医療情報サービス)
・「コンピューティングには4つの柱がある。クラウド、データセンター、パソコン、携帯電話。将来的には
テレビもあります。マイクロソフトはクラウド向けアジュールを発表したことで、すべての分野で
プラットフォームを用意しました。」(CEO スティーブ・バルマー)
・マイクロソフトの収入の40%近くは日本から出ていると言われた時代もあった。マイクロソフトにとって
日本は極めて忠実でおいしい市場であった。マイクロソフト製品が劣勢になると、ゲイツやスティーブ・
バルマーは予告なしで日本に飛んできてた。ゲイツやバルマーの巧みな外交は大きな成果を上げた。
ゲイツと一夕会食をすると、翌朝にはメーカーの方針が変わった。
・スティーブ・バルマーは非技術系にもかかわらず、何度もプログラム開発の監督をした。監督といっても、
要するにフットボールのコーチよろしく全身を震わせて大きな声で叫びまくるだけなのである。ところが
これが以外に効果的だった。
・ビル・ゲイツはウッディ・アレン的な風貌をした、一見ひ弱でシャイで臆病そうな若者に見えるが、
実際は、戦闘性と攻撃性は恐るべきものがあり、外見に誰もがひっかかった。
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