Appleの創始者で、現CEOのスティーブ・ジョブズと、その仕事のやり方、考え方について書かれた本です。
Appleのパソコンと言えば「おしゃれ」という言葉がぴったりなくらい、デザインに凝った作りになっていますが、実は新しい技術を導入するのも早いんです。例えば今ではどのパソコンにも付いているUSBとか、無線LANを最初にパソコンに装備したのもAppleなんです。
「どうやったらこのような魅力ある製品を作れるのか? なぜ他社はAppleのようなことが出来ないのか? 」 と言う点に着目して読んでみました。
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目次
序章
第1章 フォーカス 「ノー」が救ったアップル
第2章 独裁 アップルのワンマン・フォーカスグループ
第3章 完全主義 プロダクトデザイン、卓越性の追求
第4章 エリート主義 Aプレーヤー以外の能なしは去れ
第5章 情熱 宇宙をへこませる
第6章 発明欲 イノベーションはどこからもたらされるのか
第7章 ケーススタディ iPod誕生の経緯
第8章 トータルコントロール 1から10まで
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・スティーブ・ジョブズの得意・不得意
<得意>
①新製品開発
②製品プレゼンテーション
③交渉
<不得意>
①映画の監督
②ウォールストリートへの対応
③オペレーション
④目移り
・ジョブズは技術のための技術になど興味はない。付加しやすいからと言う理由だけで製品にいろいろな機能を詰め込んだりしない。その逆である。彼は製品ができるだけシンプルで使いやすくなるまで複雑さを切り詰める。アップルの多くの製品はユーザーの立場から設計されている
・ジョブズはアメとムチの両方を使ってチームによい仕事をさせる。彼は妥協をしない。仕事は最高の水準でなければならない。ときに彼は一見不可能なことにこだわり続ける。いかに困難な問題でもいずれ解決できると知っているからだ。
・イノベーションプロセスを支えるのはまず、どの市場をどのようにねらうのかというアップルの企業戦略そのものである。それから新しい技術開発に後れを取らず、新しいアイデア、なかでも社外のそれを受け入れることである。創造的であり、つねに学習することである。柔軟性を持ち、長年の考え方を喜んで捨て去ることである。そしてとりわけ、顧客中心になることである。アップルのイノベーションの肝は、技術を顧客のニーズに合わせることであって、ユーザーを技術に適合させることではない。
・消費者市場では、デザイン、信頼性、シンプルさ、優れたマーケティング、エレガントなパッケージが何よりの財産である。時代は一巡しようとしている。それらすべてを手がける企業ことが競争の先頭に立つ可能性が高いのである。
(感想)
今は自分がいる業界は非常に苦しい時期に来ています。なぜならそれが生活をする上で必要な物でないからです。そのため今後はもっとユーザーの立場からの製品設計を行う必要があるとこの本を読んで感じました。しかし残念ながら今の企画開発陣には、顧客の声と言えば「安い物を求む」という声しか聞こえていないようです。
そんな企画開発陣にこの本を読ませて、もっと自分が誇れるような製品を作れ、企画しろ!! と言いたいです。
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